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	<title>自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</title>
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	<description>Astrobiology Center</description>
	<lastBuildDate>Fri, 30 Oct 2026 09:41:06 +0000</lastBuildDate>
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	<title>自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</title>
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		<title>【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶③ 後半</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/10/30/10977/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 30 Oct 2026 09:34:28 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[研究者ブログ]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10977</guid>

					<description><![CDATA[<p>前回、「氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶③前半」の続きです。前半は主に手法について解説しました... </p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<p class="wp-block-paragraph">前回、<a href="https://www.abc-nins.jp/2026/10/23/10936/" target="_blank" rel="noopener">「氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶③前半」</a>の続きです。前半は主に手法について解説しました。後半は結果の解説。そして考察です。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-12"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>補正前の数字だけを見ると、むしろ逆に見える</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">さて、ここでいったん、補正する前のデータを見てみましょう。驚くことに、補正前のマリモDNAフラックスは、1900年以前の古い層では比較的低く、1950年代以降に多くなるように見えました。この時期、湖の栄養状態にも大きな変化がありました。研究チームは泥に含まれる「全リン」と「藻類色素」<strong><sup>＊7</sup></strong>も測定しています。全リンは湖の富栄養化を考える手がかりです。クロロフィル<em>a</em>やその分解産物などの藻類色素は、湖で藻類がどのくらい生産されていたかを推定する指標になります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">論文の図3Aを見ると、1900年以前は全リンと藻類色素の堆積フラックスが低く、阿寒湖は栄養塩の少ない「貧栄養的な湖」だったと推定されます。その後、20世紀に入ると両者は徐々に増え始め、1950年以降に高い水準に達しました。これは観光開発が進んだ時期と重なります。1980年代半ばに下水道が整備されると全リンのフラックスは低下傾向を示しましたが、藻類色素の指標は高い状態が続きました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">図3Bにはマリモの18S rRNA遺伝子、図3Cにはマリモに関連するシアノバクテリアの23S rRNA遺伝子について、測定値と補正後の値が描かれています。測定値だけを見ると、マリモに関係するDNAも、富栄養化が進んだ時代に増えてきたように見えるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">しかし、これをそのまま「マリモは昔より今の方が多い」と解釈してよいのでしょうか。古い泥ではDNAが分解されているかもしれない、という問題を、ここでも忘れてはいけません。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>7</strong><strong>　</strong>富栄養化の指標：ここで測られた全リンや藻類色素は、現在の湖水の濃度そのものではなく、「各年代の堆積物にどれくらいの量が堆積したか」を表すフラックスです。これらの変化から湖の過去の栄養状態を推定していますが、数値をそのまま当時の水質濃度に読み替えることはできません。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-13"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>補正すると現れた、まったく違う歴史</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">ミジンコから推定したDNAの分解補正を、マリモのDNAに適用すると、見えてくる歴史が大きく変わります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">Urabe et al. (2025)&nbsp;は、20世紀初頭より前の補正後のマリモDNAフラックスが、現在に比べておよそ10〜100倍<strong><sup>＊8</sup></strong>に相当したと推定しました。研究チームはそこから、当時の阿寒湖には、現在よりはるかに多くのマリモが生育していた可能性が高いと考えています。そして、その量は20世紀前半に大きく減ったと解釈しました。補正前は「昔は少なく、近年増えた」ように見えていたのに、補正後は「昔は豊富で、20世紀前半に減った」という、ほとんど逆の歴史になるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ただし、ここで「昔のマリモが正確に10〜100倍の重量だった」と受け取るのは適切ではありません。研究チームが比較したのは、DNAの分解と堆積を考慮した指標であり、湖全体のマリモを昔から直接計量したものではないからです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">それでも、この研究が示す「昔の方がずっと豊富だった」という大きな傾向には、複数の根拠があります。別の補正モデルを使っても、20世紀初頭より前のDNA指標が現在より大きくなる傾向は保たれました。しかも、後で紹介する昔の研究者の観察記録とも、おおむね一致したのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>8</strong><strong>　</strong>「10〜100倍」という推定の中身：これは、ミジンコのDNAと後腹部爪から分解補正係数を推定し、マリモ由来のDNAフラックスを補正したときの、過去と現在の相対的な違いを表す概数です。研究チームは別の統計モデルによる補正も比較しています。ただし、各年代のDNA測定、年代推定、分解補正のモデル、DNAが泥へ届く過程、遺伝子コピー数と生物量の関係などに不確実性があります。論文中の95％信頼区間は主として統計モデルによる補正係数の幅を示すもので、これらすべての不確実性を含む「湖全体のマリモ重量の95％信頼区間」ではありません。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-14"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>マリモと一緒に見つかった、シアノバクテリア</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">もうひとつ、今回の研究で注目したい生物がいます。マリモの糸状体に関連して見つかった、シアノバクテリア<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>9</sup></strong>です。シアノバクテリアは、酸素を出す光合成を行う細菌の仲間で、日本語では「藍藻（らんそう）」や「藍細菌（らんさいきん）」とも呼ばれます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">研究チームは、生きたマリモからシアノバクテリアを採取し、その23S rRNA遺伝子の一部を目印として、湖底堆積物のDNAも調べました。遺伝子配列からネンジュモ目に属することは示唆されましたが、種まで特定されたわけではありません。補正前のシアノバクテリアDNAは、マリモDNAと同じく、1950年代以降に増えたように見えました。もし富栄養化によって増えた浮遊性のシアノバクテリアなら、それだけでも説明できるかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ところが分解を補正すると、シアノバクテリアDNAも、富栄養化以前の時代に多かったと推定されました。富栄養化で増えるはずの浮遊性シアノバクテリアなら、富栄養化以前の方が多かったという結果は説明しにくくなります。そこで研究チームは、今回追跡したシアノバクテリアが浮遊性のものではなく、マリモに関連した種に由来すると考えています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">マリモのDNAだけでなく、別の生物のDNAからも似た歴史が見えた。これは興味深い点です。もっとも、両者の補正には同じミジンコ由来の補正係数を使っているため、補正後の傾向が似ていることを完全に独立した証拠とまではいえません。また、シアノバクテリアの暮らし方やマリモとの関係まで、DNAの推移だけで確定できるわけではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>9</strong><strong>　</strong>「共在」と「共生」：原著論文ではマリモに関連するシアノバクテリアを「symbiotic cyanobacteria」とも表現していますが、今回のDNA断片だけで相互の利益関係まで実証されたわけではありません。また、調べた23S rRNA遺伝子の一部は既知種の配列と明確に一致せず、分類学的な位置づけには不明な点が残ります。そのため本記事では、主に「マリモに関連する」と表現しています（プレスリリースでは「共在藍細菌」と呼んでいます）。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-15"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>阿寒湖のマリモは、なぜ減ったのか？</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">では、20世紀前半にマリモが減ったとすれば、何が起きたのでしょうか。ここからは、DNAの分析結果に、阿寒湖周辺の歴史を重ねて考えていきます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">1910年代には、牧場の造成や製紙用の木材を得るために、阿寒湖周辺の森林が大きく伐採されました。森林が減ると、雨によって土砂が流れ出しやすくなります。湖に泥水が流れ込めば水が濁り、湖底に届く光が弱くなります。光合成によって生きるマリモには、不利な条件です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さらに1920年代前半以降、湖の下流に建設された水力発電所の影響で、阿寒湖の水位が繰り返し低下したとされています。水位が下がれば、浅い場所のマリモが岸辺に取り残され、乾燥する危険が高まります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">こうした歴史的な出来事と、補正後のマリモDNAフラックスの減少時期は、おおむね重なっていました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">しかも、昔の観察記録も同じ方向を示しています。生態学者の吉井義次氏（東北帝国大学教授、日本生態学会初代会長）は、20世紀初頭にたびたび阿寒湖を訪れ、複数の湾で豊富なマリモを記録しました。それが1950年代には、主な生育場所がチュウルイ湾に限られる状態になっていたと報告されています。泥に残ったDNAから復元された傾向は、こうした現地観察の記録とも整合的でした。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ただし、ここは重要な区別です。DNA分析によって過去の増減が推定されたことと、「伐採や水位操作が何割の減少を引き起こしたか」が実験的に証明されたことは、同じではありません。森林伐採と水位変動は、発生時期と生態学的な仕組み、過去の観察記録から考えられる有力な原因（吉井氏自身も1956年の報告で、この二つを主な原因に挙げています）ですが、今回の研究だけで寄与率や因果関係が定量的に決まったわけではないのです<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>10</sup></strong>。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>10</strong><strong>　</strong>歴史的な出来事と原因の推定：今回の研究は、実験によって土砂流入や水位変動の影響を切り分けたものではありません。堆積物DNAから推定した個体群の変化を、過去の土地利用・湖の管理状況・生態学的な知見と照らし合わせ、説明として整合的な原因を議論しています。時期が一致することは重要な証拠ですが、それだけで単独の原因と断定することはできません。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-16"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>森林や水位が戻っても、マリモは簡単には戻らなかった</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">阿寒湖周辺の大規模な森林伐採は1950年ごろまでには収まり、その後、前田一歩園財団の前身から続く森林管理や植林などの取り組みによって、森林の回復が進められてきました。現在も同財団は、阿寒湖周辺の森林を、かつての原生林に近い姿へと復元するための活動を続けています。水力発電所も1953年に停止し、湖の水位は比較的安定したとされています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">それなら、マリモは元の豊かな状態に戻ったのでしょうか。研究結果は、そう単純ではなかった可能性を示しています。1950年代以降、阿寒湖では観光開発が進み、湖畔には温泉街や宿泊施設が増えました。当時は生活排水などが湖へ直接流れ込んでおり、湖への栄養塩の供給が増えました。栄養塩が多くなれば、水中の植物プランクトンなどが増え、光が湖底まで届きにくくなることがあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">湖底で光合成するマリモにとって、これは成長を妨げる可能性のある変化です。研究チームは、20世紀前半の減少の後、森林や水位の条件が改善してもマリモが十分に回復しなかった背景として、1950年代以降の富栄養化が関わっていた可能性を指摘しました。そのうえで、もしそうであれば、マリモを守るにはリンの水準を1950年以前の状態まで戻す必要がある、と提言しています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">1986年には下水道の整備により、直接的な生活排水の流入は解消したとされています。堆積物の全リンの指標にはその後の低下傾向が見られますが、藻類色素は高い状態が続きました。湖の栄養環境や生態系は、負荷を減らせばすぐに元に戻る、という単純なものではないのかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、阿寒湖のマリモの歴史は、「ひとつの悪い原因があり、それがなくなれば元に戻る」という物語ではありません。時代によって異なる環境変化が重なり、マリモの生育条件を変えてきた可能性があるのです。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-17"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>最近のマリモにも、まだ心配な兆候がある</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">研究チームは、2000年以降のマリモDNAフラックスにも減少傾向が見られることを指摘しています。これも堆積物から得られた指標であって、現存する球状マリモを毎年すべて数えた結果ではありません。それでも、現在進行形の変化を考えるうえで気になる兆候です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">背景として原著論文が挙げているのは、湖岸近くでの水草の拡大、水温上昇に伴う呼吸代謝の増加、冬の結氷期間の短縮によって受けやすくなる強い光（論文中では「紫外線」と表現）の影響、強い波で岸へ運ばれたマリモが乾燥する危険などです。これらは、今回の堆積物DNA分析だけで原因と確定されたものではありません。別の研究で示されている知見を踏まえた、今後注意すべき要因の候補です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ただ、こうした話題は、この連載全体とも深くつながっています。マリモは、湖底に届く光だけでなく、水温、冬の氷、波、岸辺の環境など、いくつもの条件に支えられて生きています。ひとつの条件が変わったとき、ほかの条件との組み合わせで何が起きるのか。その理解が、今後の保全には欠かせません。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-18"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>この研究が変える、「守るべき基準」</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">私は、今回の研究の意義は、単に「昔のマリモはどのくらいいたか」を推定したことだけではないと思います。私たちが何を基準にマリモを守ろうとするのか、その考え方にも関わっているからです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今の阿寒湖に残っているマリモを見て、「これが普通の状態だ」と考えてしまうと、保全の目標も「今あるものを減らさずに守る」ことに限られがちです。しかし、もし昔の阿寒湖に今よりはるかに多くのマリモが生育していたのなら、現在の状態は、長い減少の歴史を経た後の姿なのかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">自然環境を守るとき、私たちはどうしても、自分が見てきた時代を「普通」と考えてしまいます。ところが、その時点ですでに自然が大きく変わっていることもあります。過去の環境を知ることは、そうした思い込みを見直す助けになります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">もちろん、昔の阿寒湖をそのまま再現できるわけではありません。観光地としての阿寒湖の現在もあり、気候や土地利用も変わっています。さらに今回の10〜100倍という数値そのものには、先に述べた推定上の幅と限界があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">それでも、「現在見られるマリモの量が、阿寒湖本来の豊かさをすべて表しているとは限らない」という問いは、保全の目標を考えるうえで重みがあります。湖底の泥は、私たちが生まれるよりずっと前の阿寒湖を知るための、貴重な手がかりなのです。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-19"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>研究で分かったことと、まだ分からないこと</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">ここまでの話を、少し整理しておきましょう。今回、研究チームが直接測定したのは、湖底堆積物に含まれるマリモの遺伝子断片、ミジンコの遺伝子断片と後腹部爪、リンや藻類色素などです。それらに年代測定と統計モデルを組み合わせて、マリモの過去の増減を推定しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">その結果、DNAの分解を考慮しない場合と、考慮した場合では、過去の姿が大きく変わることが示されました。補正後の結果は、20世紀初頭以前の方がマリモに由来するDNA指標が高かったことを示し、昔の観察記録ともよく合いました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">一方で、慎重に読んでおきたい点<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>11</sup></strong>もあります。今回詳しく解析された堆積物コアは、湖の中央付近の深い地点で採られた1本です。泥がどこから運ばれたか、マリモがどれほどDNAを放出したか、泥の中でどの程度分解されたか――そのすべてを昔にさかのぼって直接測定することはできません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">とくに、ミジンコとマリモでは細胞の構造が異なり、DNAの保存されやすさが同じとは限りません。ミジンコ由来の補正係数をマリモに用いることは、重要な仮定です。論文でも、この点は方法上の限界として述べられています。将来、珪藻や花粉のように、植物や藻類に由来し、殻や外壁が化石として残るもののDNAと遺骸を組み合わせれば、補正方法をさらに改良できるかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">また、10〜100倍という推定は、湖全体の球状マリモを昔から数え続けた「実測値」ではありません。正確な過去の総重量や、各湾に何個の球状マリモがあったかまでは分かりませんし、減少の原因をひとつに特定したわけでもありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">だからといって、研究の価値が小さくなるわけではありません。むしろ、残りにくい生物の歴史を調べるために、何を直接測り、何を仮定し、どこに不確実性があるかを示しながら、これまで届かなかった過去へ近づいたことに意義があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>11</strong><strong>　</strong>今回の研究の主な不確実性：①堆積物コアが1本であること、②湖内のDNAの移動・堆積が時代によって変わり得ること、③遺伝子コピー数がマリモの重量と1対1に対応しないこと、④ミジンコとマリモのDNA保存性が異なり得ること、⑤年代推定や補正モデルに幅があること、が挙げられます。研究者は統計モデルの比較と歴史資料との照合で結果の妥当性を検討していますが、これらの条件をすべて取り除いた「正確な個体数」を得たわけではありません。</p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-20"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>湖底に残された、静かな警告</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">阿寒湖のマリモは、今も湖底で生きています。しかし、その湖底に積もった泥を少しずつ調べていくと、私たちが今見ている阿寒湖だけでは分からない、長い変化の歴史が見えてきます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">昔は今よりずっと多くのマリモがいたかもしれないこと。20世紀前半に、その豊かさが大きく失われたと考えられること。そして森林や水位が回復しても、マリモが簡単には元の状態に戻らなかった可能性があること。これらは、湖底に残されたDNAと、ミジンコの小さな爪、過去の観察記録を組み合わせて見えてきた姿です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">もちろん、すべてが確定したわけではありません。それでも今回の研究は、マリモの過去を考えるための新しい物差しを、私たちに手渡してくれました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">丸くて愛らしいマリモは、同時に、湖の光環境や水位、森林、栄養状態、冬の氷などの変化を受けながら生きてきた藻類でもあります。湖底の泥に残された小さなDNAの断片は、その歴史を静かに伝えているのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、ここまででマリモの世界分布、学名の歴史、そして湖底のDNAが教えてくれる阿寒湖の過去を見てきました。続く後編では、マリモ自身の不思議に戻ります。マリモはどうやって増え、波のある湖底でどのように丸い姿をつくり、保っているのでしょうか。そして、大きな球状マリモの内部では、何が起きているのでしょうか。次回は、そのしくみに迫ります。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img fetchpriority="high" decoding="async" width="946" height="532" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image.jpeg" alt="" class="wp-image-10937" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image.jpeg 946w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image-300x169.jpeg 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image-768x432.jpeg 768w" sizes="(max-width: 946px) 100vw, 946px" /><figcaption class="wp-element-caption"><strong><em>図．湖底DNAが語る、阿寒湖マリモ200年の変遷<br></em></strong><em>湖底堆積物に残るDNAの解析から、阿寒湖のマリモは20世紀前半に大きく減少し、その後も回復しないまま、2000年以降はさらに減少傾向にあると推定されました。DNAの分解を補正した解析では、20世紀初頭以前のマリモの量（DNAから推定した相対的な量）は、現在の10〜100倍だった可能性があります。論文では減少の背景として、20世紀前半の森林伐採による土砂の流入と水位の変動、1950年代以降の富栄養化による回復の妨げなどが議論されています。<br>（※Urabe et al. (2025)&nbsp;の研究結果をもとに、生成AIで作成した模式的なグラフィカル・アブストラクトです。湖の風景やマリモの様子、グラフの数値・曲線は模式的に描いたもので、実際の観察記録や測定データとは異なります。正確な内容は、本文の解説および原著論文の図3をご確認ください。）</em><br></figcaption></figure>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-21"><strong>あとがき</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">前半パート冒頭でご紹介した映画『ちいかわ』ですが、どうやら何度も映画館に足を運んでいるファンもいるようです。中には8回も観たという人がいるとか。すごいです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">映画を観終わってから、あらためて登場キャラクターについて調べてみました。ちいかわ、ハチワレ、うさぎ……。モモンガってそんな秘密があったのね……。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そういえば、映画に登場する島の住民たちは、顔がはっきりと描かれていません。これは、ちいかわたち主要なキャラクターと、それ以外の存在との境界を強調する演出だったのでしょうか。考えてみれば、島を訪れたちいかわたちの方が、本来は「よそ者」のはずなのですが……。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ホラー映画だと思うと、そのような構図は活きてきます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">それでは、また次回。</p>



<p class="has-text-align-right wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンター特任研究員<br>河野優</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-22">これまでのマリモ研究に関する研究者ブログまとめ</h3>



<p class="wp-block-paragraph"><a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/09/10588/" target="_blank" rel="noopener">第1回</a><br><a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/14/10647/" target="_blank" rel="noopener">第2回前編</a><br><a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/22/10686/" target="_blank" rel="noopener">第2回中編①</a><br><a href="https://www.abc-nins.jp/2026/08/07/10752/" target="_blank" rel="noopener">第2回中編②</a><br><a href="https://www.abc-nins.jp/2026/10/23/10936/" target="_blank" rel="noopener">第2回中編③前半</a></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/10/30/10977/">【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶③ 後半</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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		<title>【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶③ 前半</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/10/23/10936/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 23 Oct 2026 13:21:00 +0000</pubDate>
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		<category><![CDATA[研究者ブログ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>前回の更新から、ずいぶん間が空いてしまいました。気づけば季節はすっかり秋、……と言いたいところですが、10月も下旬だというのに、時折夏に戻っ... </p>
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<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/10/23/10936/">【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶③ 前半</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<p class="wp-block-paragraph">前回の更新から、ずいぶん間が空いてしまいました。気づけば季節はすっかり秋、……と言いたいところですが、10月も下旬だというのに、時折夏に戻ったかのような暑い日がありますね。秋らしい涼しさを感じる日も増えてきましたが、今年は季節の移り変わりが少し慌ただしいように感じます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、久しぶりの更新ですが、毎度のよもやま話から。</p>



<p class="wp-block-paragraph">少し前に、流行りに乗って、『映画ちいかわ&nbsp;人魚の島のひみつ』を観てきました。ちいかわについて、事前情報はほとんどなし。キャラクターの名前も性格も、どんな世界のお話なのかも知らないまま、ほぼ初見で映画館へ。それでも物語は分かりやすく、観ているうちに主要なキャラクターやその関係性も大体理解できました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">それにしても、ちいかわって、かわいらしい絵柄から想像していたものとは、ずいぶん違う作品なんですね。キャラクターたちの仕草や表情はかわいい。思わず笑ってしまう場面もある。でも、物語が進むにつれて、何気ない行動が思いがけない結果につながったり、誰かにとっての幸せが別の誰かにとってはそうではなかったりと、感情の置き場に苦労させられます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">特に印象に残ったのは、登場人物たちが必ずしも自分の行動の意味や、その先にある出来事を十分に理解しているわけではない、というところでした。誰かを困らせようと思っているわけでもないのに、結果として思いがけないことが起こってしまう。そんな展開を見ているうちに、かわいいキャラクターたちの物語なのに、妙に考え込んでしまいました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">小さなお子さんと一緒に観た親御さんは、映画のあとでいろいろ質問されたりするんじゃないかと。そのとき、子供になんと説明してあげられるのだろうか？と。&nbsp;そんなことまで気になってしまいました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">観終わったあとに残った感覚は、鑑賞前に想像していたものとはずいぶん違いました。私にはこの映画のジャンルはホラーですね。</p>



<p class="wp-block-paragraph">映画のあとは、ちいかわグッズをあれこれ眺めて、渋谷PARCOの地下にある「ちいかわラーメン&nbsp;豚」にも行ってみたり（こちらは大盛況で入店を諦めました。行かれる方は予約がおススメ）。</p>



<p class="wp-block-paragraph">その後、たまたま見つけた「今も昔や」（お店のHP:&nbsp;<a href="https://imamomukashiya.jp/">https://imamomukashiya.jp/</a>）というお店に、飛び込みで入ってみました。創作料理を中心としたダイニングバーとのことですが、これが大当たりでした。料理がどれもおいしい。〆さばは絶品。店内はほぼ満席だったので、予約なしで入れたのは運がよかったのかもしれません。再訪確実。</p>



<p class="wp-block-paragraph">映画は予想外の展開、お店は予想以上の満足感。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<p class="wp-block-paragraph">さて、マリモのお話に戻ります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">前回までの中編では、マリモが世界のどこに分布しているのか、そして、なぜ学名が見直されることになったのかをご紹介しました。今回は、舞台を再び北海道の阿寒湖に戻します。</p>



<p class="wp-block-paragraph">テーマは、「<strong>湖底の</strong><strong>DNA</strong><strong>が語る、阿寒湖マリモの過去</strong>」です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今では世界的にも貴重な存在となっている阿寒湖の大型球状マリモですが、昔から今と同じような状態だったのでしょうか。それとも、かつてはもっとたくさんのマリモが生育していたのでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">実は、湖底に積もった泥の中に残されたDNAを調べることで、200年以上にわたるマリモの歴史を読み解こうとした研究があります。今回は、その研究をご紹介します。</p>



<p class="wp-block-paragraph">DNAの分析方法や湖底堆積物の年代測定など、少し専門的な話も出てきます。でも、なぜそのような分析が必要なのかを順番にたどっていくと、研究者たちがどのようにして過去のマリモの姿に迫ったのかが見えてきます。今回の本編は、いつもより少し長めです。途中で休憩を挟みつつ、ご自身のペースでゆっくり読み進めていただければと思います。「論文を読む」疑似体験を。</p>



<p class="wp-block-paragraph">それでは、湖底に眠るマリモの記憶を、一緒にたどってみましょう。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="644" height="362" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image-2.jpeg" alt="" class="wp-image-10942" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image-2.jpeg 644w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image-2-300x169.jpeg 300w" sizes="(max-width: 644px) 100vw, 644px" /><figcaption class="wp-element-caption"><strong><em>図1.&nbsp;渋谷で映画とディナー</em></strong><em>（生成AIで作成したイメージ画像）</em></figcaption></figure>
</div>


<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>湖底のDNAが語る、阿寒湖マリモの過去</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">マリモは北半球の広い範囲に点在する藻類ですが、直径15センチメートルを超えるような大型の球状マリモが群生する湖は、現在では阿寒湖に限られると考えられています。では、その阿寒湖のマリモは、昔から今と同じくらいの量で生育していたのでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この問いに答えるのは、簡単ではありません。たとえば貝殻や珪藻の殻、植物の花粉などは、湖底の泥に長く残ることがあります。そうした小さな遺骸や化石を調べれば、昔の湖にどのような生物がいたかを推定できます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">しかし、マリモは柔らかい糸状の藻類が集まったものです。骨や丈夫な殻のような構造を持たないため、昔の球状マリモが、その姿のまま湖底に残るとは期待できません。過去のマリモの量を知ろうとしても、「昔のマリモの化石を掘り出して数える」という方法は使えないのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そこで今回登場するのが、湖底の泥に残された「<strong>環境</strong><strong>DNA</strong>」です。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>今回紹介するのは、どんな研究？</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">紹介するのは、2025年に学術誌&nbsp;Environmental DNA&nbsp;に掲載された、阿寒湖のマリモの歴史をさかのぼる研究です。ちなみにこの論文では、前回紹介した新しい学名&nbsp;<em>Aegagropila brownii</em>&nbsp;が使われています。正式な論文情報を先に記しておきます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">Urabe, J., Wakana, I., Ohtsuki, H., Sakata, M. K., Otake, Y., Ichige, R., Kuwae, M. &amp; Minamoto, T. (<strong>2025</strong>).<br>“Reconstruction of Marimo Population Dynamics Over 200 Years Using Molecular Markers and Fossil Plankton Remains.”<br><strong><em>Environmental DNA</em></strong>, 7(2), e70085. <a href="https://doi.org/10.1002/edn3.70085" target="_blank" rel="noopener">https://doi.org/10.1002/edn3.70085</a></p>



<p class="wp-block-paragraph">日本語にすると、「分子マーカーとプランクトンの化石を使って、200年以上にわたるマリモの個体群の変化を復元する」といった題名です。東北大学・占部城太郎先生らの研究チームが、阿寒湖の湖底堆積物を調べました。オープンアクセスなので、皆様のほうで論文をダウンロードしていただければ図も見れます。プレスリリース情報はこちらです（<a href="https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20250408-66568/">https://www.kobe-u.ac.jp/ja/news/article/20250408-66568/</a>）。</p>



<p class="wp-block-paragraph">結論を少しだけ先にお伝えしますと、研究チームは、過去のDNAの分解を考慮してデータを補正すると、20世紀初頭より前の阿寒湖には、現在よりはるかに多くのマリモが生育していたと推定しました。その規模は、現在の10〜100倍という推定です。ずいぶん大きな数字ですよ。しかし、研究者が昔のマリモを実際に数えたわけではありません。この数字がどうやって導き出されたのか、どこまで確かなことが言えるのか。そこを一緒に見ていきたいと思います。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>&nbsp;</strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>環境DNAとは何か？</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">環境DNAとは、生物が水や土などの環境中に残したDNAのことです。生き物は、体の表面からはがれた細胞や粘液、排泄物、枯れた組織などを通じて、周囲に少しずつDNAを放出しています。魚も、プランクトンも、マリモのような藻類も例外ではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そこで湖の水を採り、その中にどんな生物のDNAが含まれているかを調べれば、目の前で生物を捕まえなくても、その存在を探ることができます。近年、この方法は生物の分布調査や保全研究に広く使われるようになりました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今回は、湖水ではなく、湖底の堆積物に保存されたDNAを調べます。英語では&nbsp;sedimentary DNA、略して「sedDNA」<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>1</sup></strong>と呼ばれるものです。水中のDNAは比較的短い時間で分解されますが、泥の中に取り込まれたDNAの一部は、より長く保存されることがあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、湖底の泥には、その時代の湖にいた生物の痕跡が、DNAの断片として残っているかもしれないのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊1</strong><strong>　</strong>環境DNAと堆積物DNA：環境DNAは、水・土壌・堆積物などの環境試料から検出されるDNAの総称です。今回の研究で対象とした堆積物DNA（sedDNA）は、そのうち湖底の泥に保存されたDNAを指します。DNAが見つかっても、その生物が採泥地点に生きていたと直ちに証明されるわけではありません。水流などによって、別の場所から運ばれてきたDNAが含まれる可能性もあるからです。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>湖底の泥は「時間のアルバム」である</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">湖底の泥は、ただの泥ではありません。細かな土砂や有機物、生き物の遺骸、時には火山灰などが、長い時間をかけて積み重なっています。一般に、上の層ほど新しく、下の層ほど古い堆積物です。いわば、湖の歴史がページごとに積み重なった「時間のアルバム」のようなものです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">研究チームは2021年7月、湖の中央付近、水深約30メートルの深い地点で、湖底の泥を採取しました。潜水士がアクリル製の筒を静かに湖底へ差し込み、泥を柱状のまま取り出します。こうして採った試料を「堆積物コア」と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">調査では複数のコアが採られましたが、今回の分析に使われたのは「21ak1」と呼ばれる1本で、湖底表面から深さ約90センチメートルまでの堆積物が入っていました。研究チームはそのコアを1 cm刻みに切り分け、各層の年代、リンの量、藻類の色素、DNA、ミジンコの遺骸などを調べました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで気をつけたいのは、マリモが群生する湖岸近くの浅い場所ではなく、湖の深いところで採泥している点です。湖内の広い範囲から運ばれて堆積した物質を調べられる一方、採泥地点で直接マリモが生えていたかどうかを示す調査ではありません。今回の研究は、深い地点の泥に集まった痕跡を使って、阿寒湖のマリモの歴史的な変化を読み解こうとしたものです。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />「いつの泥か」をどうやって調べるの？</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">泥の深さが分かっても、それだけでは「何年前の泥か」は分かりません。毎年同じ厚さだけ積もるとは限らないからです。そこで研究チームは、放射性同位体と火山灰<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>2</sup></strong>を組み合わせて、泥に年代を割り当てました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">比較的新しい層には放射性鉛（<strong><sup>210</sup>Pb</strong>）を使い、1963年ごろの大気中の核実験に由来する放射性セシウム（<strong><sup>137</sup>Cs</strong>）のピークも手がかりにしました。さらに、古い層に含まれる火山灰の成分を調べ、1856年の北海道駒ヶ岳の噴火と、1739年の樽前山の噴火に由来する層を見つけました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このように、年代の分かっている目印を複数組み合わせることで、約250年前までの堆積物の年代を推定できたのです。論文の図2には、これらの年代測定の結果と堆積物が積もる速さがまとめられています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ただし、1 cmの層が何年分にあたるかは一定ではありません。1739年の火山灰が深さ約75〜83 cmに見つかったことからも分かるように、1 cmには平均して数年分の泥が含まれ、その年数は層ごとに異なります。年代には推定誤差があり、とくに古い層ほど細かな年を特定するのは難しくなります（放射性鉛による方法では約80年より古い層の誤差が&nbsp;± 10年を超えるため、古い層では火山灰が年代の決め手になりました）。そのため、以下で登場する「1910年代」「1950年代」といった時期も、泥の年代推定と歴史資料を突き合わせながら読む必要があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊2　</strong>年代測定の仕組み：<strong><sup>210</sup>Pb</strong>は、堆積物に取り込まれた放射性鉛が時間とともに減る性質を利用する方法です。<strong><sup>137</sup>Cs</strong>は、核実験などで環境中に広がった放射性セシウムが、特定の年代を示す目印になります。火山灰も、噴火年代と成分が分かれば「この層はこの噴火のころ」と判断する手がかりになります。なお、原著論文では北海道駒ヶ岳の噴火年が方法の節で1856年、結果・図説明では1857年と表記されているため（図2Cのパネル内とプレスリリースは1856年）、ここでは火山噴火史で一般に採用される1856年（安政3年）としました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>DNAの数は、そのままマリモの数ではない</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">ここで、今回の研究では、そもそも何を測定しているのかを確認しておきましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">研究チームが注目したのは、マリモのDNAに含まれる「18S rRNA遺伝子」の一部分です。この遺伝子は、細胞内でタンパク質をつくる装置であるリボソームに関係する遺伝子で、さまざまな生物が持っています。研究チームは、その中でもマリモを識別する目印として使える短いDNA配列を選びました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そして、湖底の泥から抽出したDNAの中に、その目印となる配列がどれくらい含まれているかを調べました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで使われたのが、「定量PCR（qPCR）」という方法です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">PCRは、目的のDNA領域を繰り返しコピーして増やす技術です。定量PCRでは、DNAが増える様子を蛍光によって測定します。最初から目的のDNAがたくさん含まれていれば、少ない場合よりも早く蛍光が強くなります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この違いを利用し、もともとの試料に目的のDNA配列が何個含まれていたかを推定します。この数を「コピー数」と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、今回測定したのは、マリモそのものの数ではなく、<strong>マリモの</strong><strong>18S rRNA</strong><strong>遺伝子の一部分が、DNA</strong><strong>の断片として何コピー存在していたか</strong>ということです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ただし、ここで注意が必要です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">マリモの細胞には、同じ18S rRNA遺伝子が複数コピー含まれることがあります。また、マリモから周囲に放出されたDNAが、どれくらい湖底の泥に届くのかも、環境によって変わる可能性があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そのため、DNAのコピー数が2倍だからといって、マリモの数や重量も正確に2倍だったとは限りません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そこで研究チームは、測定したDNAのコピー数に、泥が積もる速さの情報を組み合わせ、「1年間に湖底の一定面積へ堆積したDNAのコピー数」を計算しました。これを「<strong>DNA</strong><strong>フラックス</strong>」<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>3</sup></strong>と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このDNAフラックスを、過去のマリモの生物量の変化を推定するための指標として利用したのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">もちろん、DNAフラックスもマリモの重量を直接示す数字ではありません。しかし、過去と現在の値を比較することで、マリモが相対的に多かった時代や、減少した時代を探る手がかりになります。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>3</strong><strong>　</strong>フラックスとは：ある面積に、一定の時間内にどれくらいの物質が届いたかを表す量です。今回のDNAフラックスは、堆積物中で測定された遺伝子コピー数に堆積速度の情報を組み合わせ、単位面積・単位時間当たりに堆積したDNAコピー数として求めています。「マリモの個体数」や「生物量」を直接測った値とは区別する必要があります。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>マリモDNAだけを測ればよい、というわけではない</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">それなら、古い層と新しい層のDNAフラックスを並べれば、昔のマリモの量が分かるのでしょうか。実は、ここに大きな落とし穴があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">DNAは時間とともに壊れていきます。比較的新しい泥に含まれるDNAは多く残っていても、100年、200年と時間がたった泥では、その一部が失われているかもしれません。つまり、昔の層でDNAが少なく見つかったとしても、昔のマリモが少なかったとは限らないのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">極端にいえば、昔の湖には今よりたくさんのマリモがいたのに、そのDNAが長い年月のあいだに分解されたため、「昔はマリモが少なかった」という逆の結論になってしまう可能性もあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そこで研究チームは、DNAが長い時間のあいだにどれくらい失われたかを、湖底の泥から見積もる方法を考えました。その鍵となったのが、意外にもミジンコだったのです。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>なぜミジンコが登場するのか？</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">突然ミジンコが出てきました。「マリモの話なのに、なぜミジンコ？」と思われるかもしれません。理由は、ミジンコには湖底の泥に長く残りやすい硬い部分があるからです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">具体的には、ミジンコの体にある「後腹部爪（こうふくぶそう; post-abdominal claw;&nbsp;プレスリリースでは「尾爪（びそう）と表記」）」という小さな構造です。ミジンコの体全体は残りにくくても、この爪は微化石として何百年も保存されることがあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">同じ泥から、ミジンコについては2種類の記録を取り出せます。ひとつは、時間とともに分解するDNA。もうひとつは、比較的壊れにくい後腹部爪です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえば、古い層でも後腹部爪がたくさん残っているのに、ミジンコのDNAだけが少なかったとしましょう。もし、泥に入った時点での「<strong>DNA</strong><strong>と爪の比</strong>」が時代によって大きく変わらないなら<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>4</sup></strong>、この違いは、泥の中でDNAが分解されたことを示す手がかりになります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">実際の解析では、阿寒湖に生息するミジンコ類（カブトミジンコ（<em>Daphnia galeata</em>）とハリナガミジンコ（<em>D. dentifera</em>）の2種）の12S rRNA遺伝子の断片と、後腹部爪の数を同じ泥の層ごとに調べました。論文の図4Aでは、1950年代以降の比較的新しい層では両者の増減が似ている一方、それ以前の古い層では爪に比べてDNAが相対的に少なくなる様子が示されています。図4Bには、その小さな爪の写真も掲載されています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この違いを利用すれば、昔のDNAが現在までにどれくらい残っているかを推定できるかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>4</strong><strong>　</strong>後腹部爪を使うための前提：ミジンコの爪がDNAより分解されにくいことに加え、堆積した当初の「DNA量と爪の数の比」が大きく変化していない、という仮定が必要です。ミジンコの種類や体の大きさ、DNAの放出・保存条件が時代によって変わっていれば、この比にも影響する可能性があります。研究では2種類のミジンコの爪を区別せずに数えています。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><strong>補正の仕組み――「DNA／爪」の比を比べる</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">もう少しだけ、計算の考え方を見てみましょう。難しそうに見えますが、発想は単純です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">まず、ある年代のミジンコについて、「<strong>DNA</strong><strong>の量を、後腹部爪の数で割った比</strong>」を求めます。次に、その比を現在（最も新しい層）の比と比較します。古い層でこの比が小さくなっていれば、ミジンコのDNAが相対的に失われた、と考えるわけです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">研究チームはこの比をもとに、DNAがどの程度残ったかを表す「<strong>分解補正係数（</strong><strong>f</strong><strong>）</strong>」<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>5</sup></strong>を求めました。たとえば補正係数が0.1なら、単純化するとDNAはもとの10分の1相当しか残っていないとみなし、測定したDNA量を10倍して考えます。実際の論文では、年代ごとに求めた比から統計モデルを作り、補正係数とその不確実性を推定しています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここが、今回の研究の独創的なところです。研究チームは、古いDNAをただ一律に増やしたのではありません。同じ泥に含まれるミジンコのDNAと遺骸を照らし合わせ、時間の経過に伴うDNAの減り方を推定しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さらに、DNAの減り方が全期間を通して一定とは限らないことも検討しています。分析では、約121年前（2021年の採泥時から数えると1900年ごろ）を境に変化の傾向が異なるモデル<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>6</sup></strong>がよく当てはまりました。ただし、この境目には&nbsp;± 41年ほどの幅があり、古い部分のデータ点も限られています。そのため、古い年代まで同じ傾きでDNAが減り続けると決めつけず、古い期間には、その範囲で推定された平均的な補正係数を使っています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">論文の図4Cが示すのは、まさにこの「泥の古さ」と「DNAの残りやすさ」の関係です。補正係数を求める方法そのものに幅があるため、研究チームは別の統計モデルでも結果を比べています。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＊</strong><strong>5</strong><strong>　</strong>補正係数fの考え方：論文では、ある年代の「ミジンコDNAフラックス／後腹部爪フラックス」を現在の同じ比で割り、fを求めます。マリモDNAの補正値は「測定されたDNAフラックス÷f」で算出します。fが小さいほど、大きな補正が必要になります。この方法は、泥に残ったDNAの割合を実験で直接測ったものではなく、ミジンコのDNAと遺骸から統計的に推定したものです。<strong>＊6　</strong>年代によって補正方法を変える理由：論文では複数のモデルを比較し、傾きが変わる点（折れ目）を約121年前と推定した折れ線回帰モデルがよく適合しました。121 ± 41年という幅は、この折れ目の推定に伴う95％信頼区間の範囲です。古い側ではDNAの残存比と時間の関係が明瞭でなかったため、その期間は平均的な係数とその95％信頼区間を用いています。統計モデルによって補正結果に幅が生じ得ることは、結果を読む際の重要な注意点です。なお、図4Cを見ると、121年より古い側のミジンコのデータ点は3点ほどで、ミジンコのデータ自体も1850年代ごろまでです。それより古い時代（18世紀〜19世紀前半）のマリモDNAの補正には、この平均的な係数がそのまま当てはめられています。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img decoding="async" width="976" height="732" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image.png" alt="" class="wp-image-10940" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image.png 976w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image-300x225.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/image-768x576.png 768w" sizes="(max-width: 976px) 100vw, 976px" /><figcaption class="wp-element-caption"><strong><em>図2．湖底に残されたDNAから、過去のマリモの生物量を推定する方法</em></strong><br><em>阿寒湖の湖底から採取した堆積物を深さ1 cmごとに分けて年代を推定し、各層に含まれるマリモ由来のDNAを定量しました。これに堆積速度を掛けて、単位面積・1年あたりに湖底にたまったDNA量（DNAフラックス）に換算しています。ただし、古い堆積物ほどDNAの分解が進んでいる可能性があるため、ミジンコのDNAと遺骸（後腹部爪）を比較して分解の程度を推定し、DNAフラックスを補正しました。こうして、過去約200年間のマリモの相対的な生物量の変化を推定しています。<br>（※Urabe et al. (2025)&nbsp;の研究手法をもとに、生成AIで作成した概略図です。人物や生き物の姿、調査の様子、グラフの曲線の形などは模式的に描いたもので、実際の調査やデータとは異なります。正確な内容は、本文の解説および原著論文（Urabe et al. 2025の図2〜4）をご確認ください。）</em></figcaption></figure>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><strong>あとがき</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">イベントのお知らせです！</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>10</strong><strong>月24</strong><strong>日（土）、国立天文台三鷹キャンパスで「三鷹・星と宇宙の日2026</strong><strong>」が開催されます！</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">もう今週末です。年に一度の特別公開イベントで、普段はなかなか見ることのできない研究施設の公開や、さまざまな展示、体験企画、研究者による講演会などが予定されています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今年のメイン講演会のテーマは「太陽研究は時を越えて」。太陽の活動と地球の気候との関係や、太陽観測衛星「ひので」による研究など、興味深いお話が聞けそうです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター（ABC）も主催団体のひとつとして参加し、生命や宇宙に関するさまざまな研究を紹介する展示・体験コーナーを準備しています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">光合成に関係する展示もあるかも？&nbsp;そして、マリモも登場するかも……？このブログを読んでマリモに興味を持ってくださった方にも、ぜひ遊びに来ていただけたらうれしいです。研究施設を見学して、展示や実験を楽しんで、科学にたっぷり触れる一日になりそうです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">お昼には天文台の食堂やキッチンカーなども利用できるそうです。そちらもぜひ！</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">「三鷹・星と宇宙の日2026」開催概要</mark></strong></h2>



<ul class="wp-block-list">
<li>日時：2026年10月24日（土）10:00〜17:00（入場は16:00まで）</li>



<li>会場：国立天文台三鷹キャンパス（東京都三鷹市大沢2-21-1）ほか</li>



<li>入場料：無料（事前申込制の一部企画は受付終了）</li>



<li>メイン講演会テーマ：「太陽研究は時を越えて」</li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">詳しいプログラムやアクセス方法については、公式サイトをご確認ください。<br>公式サイト：<a href="https://www.nao.ac.jp/news/events/2026/20260709-openday.html">https://www.nao.ac.jp/news/events/2026/20260709-openday.html</a><br>公式X：<a href="https://x.com/naoj_mtk">https://x.com/naoj_mtk</a></p>



<p class="wp-block-paragraph">秋の一日、三鷹で宇宙と生命の研究に触れてみませんか？</p>



<p class="wp-block-paragraph">後半もまもなくアップされます。</p>



<p class="has-text-align-right wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンター特任研究員<br>河野優</p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/10/23/10936/">【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶③ 前半</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>生命のエネルギー通貨ATPをつくる「原始的酵素モデル」を構築　～アミノ酸の種類を減らすことで、進化に埋もれたATP生成機能を発掘～</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/10/13/10894/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 13 Oct 2026 05:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[サテライト]]></category>
		<category><![CDATA[プロジェクト]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10894</guid>

					<description><![CDATA[<p>本発表の研究成果は、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターの公募研究（サテライト研究、プロジェクト研究）によるものです。 プレスリリー... </p>
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<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/10/13/10894/">生命のエネルギー通貨ATPをつくる「原始的酵素モデル」を構築　～アミノ酸の種類を減らすことで、進化に埋もれたATP生成機能を発掘～</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<p class="wp-block-paragraph">本発表の研究成果は、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターの<a href="https://www.abc-nins.jp/application/" target="_blank" rel="noopener" title="">公募研究（サテライト研究、プロジェクト研究）</a>によるものです。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading has-vivid-cyan-blue-color has-text-color has-link-color wp-elements-29"><strong>プレスリリース本文</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><a href="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/【早稲田大学】生命のエネルギー通貨ATPをつくる「原始的酵素モデル」を構築.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">生命のエネルギー通貨ATPをつくる「原始的酵素モデル」を構築　～アミノ酸の種類を減らすことで、進化に埋もれたATP生成機能を発掘～ (早稲田大学、理化学研究所、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)</a></p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading has-vivid-cyan-blue-color has-text-color has-link-color wp-elements-30"><strong>発表のポイント</strong></h2>



<ul class="wp-block-list">
<li style="font-size:17px">原始地球で利用可能だったと考えられるアミノ酸を中心に、12種類の限られたアミノ酸からなる「原始的酵素モデル」を構築しました。</li>



<li style="font-size:17px">アミノ酸の種類を減らすことで、生命のエネルギー通貨であるATPをADPからつくる、もとの酵素では見られなかった機能が現れることを発見しました。</li>



<li style="font-size:17px">もとの酵素の機能に必須の触媒ヒスチジンを持たないにもかかわらず、活性部位の再配置により、従来とは異なるATP生成の仕組みが生じた可能性を示しました。</li>



<li style="font-size:17px">本成果は、生命初期のエネルギー変換がどのように始まったのかを考える新しい手がかりとなり、進化に埋もれた酵素機能の発掘や人工酵素設計にも新たな可能性を示します。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading has-vivid-cyan-blue-color has-text-color has-link-color wp-elements-31"><strong>概要</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">現代のタンパク質や酵素は20種類のアミノ酸<sup>※１</sup>からつくられています。しかし、生命が誕生した初期の地球では、現在ほど多様なアミノ酸を自由に使えなかった可能性があります。早稲田大学人間科学学術院の赤沼 哲史（あかぬま さとし）教授、八木 創太（やぎ そうた）講師と理化学研究所生命医科学研究センターの田上 俊輔（たがみ しゅんすけ）チームディレクター、Subrata Dasgupta研究員らの研究グループは、現代の酵素よりも少ない種類のアミノ酸から原始的な酵素を作製し、その機能を詳しく調べました。その結果、アミノ酸の種類を減らした酵素が、もとの酵素にはない仕組みでATP<sup>※２</sup>をつくる反応を触媒できることを発見しました。ATPは生命活動に必要なエネルギーを受け渡しする中心的な分子であり、「生命のエネルギー通貨」とも呼ばれます。今回の成果は、アミノ酸組成が大きく制限された酵素であってもATP生成を担えた可能性を示しました。さらに、アミノ酸組成を制約することで、進化の過程で失われた古い機能や別の機能が発掘されることを示唆しています。この研究成果は、生命初期のエネルギー変換の起源を考える上で重要な手がかりとなるだけでなく、タンパク質・酵素進化や人工酵素設計にも新たな視点を与えることが期待されます。<br>本研究成果は2026年10月10日（土）に『Angewandte Chemie International Edition』に掲載されました。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>キーワード：</strong><br>生命のエネルギー通貨、ATP、原始的酵素モデル、アミノ酸、ATP生成機能、エネルギー変換、進化、人工酵素設計</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="503" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/pr20261013fig1-1024x503.png" alt="" class="wp-image-10895" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/pr20261013fig1-1024x503.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/pr20261013fig1-300x147.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/pr20261013fig1-768x377.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/10/pr20261013fig1.png 1469w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１：アミノ酸組成の制約によるATP生成反応<sup>※3</sup>の切り替え。20種類のアミノ酸からなる現代型のヌクレオシドニリン酸キナーゼ<sup>※4</sup>は、ヒスチジンを使ってヌクレオシド三リン酸（例：GTP）とヌクレオシド二リン酸（例：ADP<sup>※5</sup>）の間でリン酸基を受け渡します。これに対して、アミノ酸の種類を12種類に制限した酵素モデルArc1-12KRでは、ヒスチジンがないにもかかわらず、2分子のADPからATPとAMPをつくる別の機能が現れました。これは、アミノ酸組成の制約によって、酵素反応の仕組みが変わったことを示しています。</figcaption></figure>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>用語解説</strong></h4>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>※１　アミノ酸：</strong><br>タンパク質を構成する基本単位です。現代の生物は主に20種類のL-アミノ酸を使ってタンパク質をつくっていますが、生命が誕生した初期の地球では、利用できるアミノ酸の種類が現在よりも限られていた可能性があります。本研究では、そのような初期地球の条件を考える手がかりとして、使用するアミノ酸の種類を制限した酵素を作製しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>※２　ATP：</strong><br>アデノシン三リン酸の略称。地球上のすべての現存生物の細胞内でエネルギーの受け渡しに使われる分子であり、「生命のエネルギー通貨」とも呼ばれます。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>※３　ATP生成反応：</strong><br>生命活動に必要なエネルギー分子であるATPがつくられる反応です。本研究では、2分子のADPからATPとAMPが生成するADP不均化と呼ばれる反応に注目しました。これは、一つのADPからもう一つのADPへリン酸基が受け渡されることで、ATPとAMPがつくられる反応です。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>※４　ヌクレオシドニリン酸キナーゼ（NDK）：</strong><br>ほぼすべての現存地球生物が持つ酵素で、ATPやGTPなどのヌクレオシド三リン酸の末端のリン酸基を、ADPなどのヌクレオシド二リン酸に受け渡す反応を触媒します。現代のNDKでは、触媒ヒスチジンと呼ばれるアミノ酸残基が反応に重要な役割を果たします。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>※５　ADP：</strong><br>アデノシン二リン酸の略称です。AMPはアデノシン一リン酸と略されます。ATP、ADP、AMPはリン酸基の数が異なる分子で、細胞内のエネルギー変換に深く関わっています。</p>



<div style="height:41px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading has-vivid-cyan-blue-color has-text-color has-link-color wp-elements-32"><strong>論文情報</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>雑誌名：</strong>Angewandte Chemie International Edition<br><strong>論文名：</strong>Switching ATP-Forming Phosphoryl-Transfer Chemistry with a Restricted Set of Amino Acids<br><strong>執筆者名（所属機関名）：</strong>八木 創太（早稲田大学、理化学研究所）、Subrata Dasgupta（理化学研究所）、田上 俊輔（理化学研究所）、*赤沼 哲史（早稲田大学）<br><strong>掲載日時（日本時間）：</strong>2026年10月10日(土)（オンライン掲載）<br><strong>掲載URL：</strong><a href="https://doi.org/10.1002/anie.2166480" target="_blank" rel="noopener" title="">https://doi.org/10.1002/anie.2166480</a><br><strong>DOI：</strong>10.1002/anie.2166480</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading has-vivid-cyan-blue-color has-text-color has-link-color wp-elements-33"><strong>研究助成</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究費名：</strong>科学研究費補助金 挑戦的研究（萌芽）&nbsp;19K21903<br><strong>研究課題名：</strong>原始環境に存在したと推定されるアミノ酸のみで発現可能なタンパク質機能の探索<br><strong>研究代表者名（所属機関名）：</strong>赤沼 哲史（早稲田大学）</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究費名：</strong>科学研究費補助金 基盤研究（B）&nbsp;21H01200、23K20903<br><strong>研究課題名：</strong>全生物の共通祖先から遡る原始タンパク質のアミノ酸組成の探求<br><strong>研究代表者名（所属機関名）：</strong>赤沼 哲史（早稲田大学）</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究費名：</strong>科学研究費補助金 基盤研究（B）&nbsp;26K00825<br><strong>研究課題名：</strong>プレバイオティックアミノ酸と環境因子による原始タンパク質の構造形成と機能創発<br><strong>研究代表者名（所属機関名）：</strong>赤沼 哲史（早稲田大学）</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究費名：</strong>自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター　サテライトAB022003<br><strong>研究課題名：</strong>タンパク質の起源に纏わる「鶏と卵のパラドックス」の解決による地球と宇宙での生命誕生場の推定<br><strong>研究代表者名（所属機関名）：</strong>赤沼 哲史（早稲田大学）</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究費名：</strong>自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター　プロジェクト研究AB031007<br><strong>研究課題名：</strong>隕石中のアミノ酸組成を持つタンパク質の再構成<br><strong>研究代表者名（所属機関名）：</strong>赤沼 哲史（早稲田大学）</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究費名：</strong>自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター　プロジェクト研究 AB0609<br><strong>研究課題名：</strong>宇宙にありそうなアミノ酸から触媒活性を持つ酵素をつくる<br><strong>研究代表者名（所属機関名）：</strong>赤沼 哲史（早稲田大学）</p>



<h2 class="wp-block-heading has-vivid-cyan-blue-color has-text-color has-link-color wp-elements-34">関連リンク</h2>



<ul class="wp-block-list">
<li><a href="https://www.waseda.jp/inst/research/news/86268" target="_blank" rel="noopener" title="">早稲田大学プレスリリース</a></li>



<li><a href="https://www.riken.jp/press/2026/20261013_1/" target="_blank" rel="noopener" title="">理化学研究所プレスリリース</a></li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/10/13/10894/">生命のエネルギー通貨ATPをつくる「原始的酵素モデル」を構築　～アミノ酸の種類を減らすことで、進化に埋もれたATP生成機能を発掘～</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>プロジェクト：リュウグウの砂に生命の材料につながる濃厚な塩水の痕跡―太古の塩結晶とともに残された多様な窒素化合物―</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/09/04/10798/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 04 Sep 2026 08:29:13 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[プロジェクト]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10798</guid>

					<description><![CDATA[<p>アストロバイオロジーセンターの公募研究による成果が発表されました！ 研究概要 京都大学の松本徹特定助教らの研究グループは、小惑星探査機「はや... </p>
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<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/09/04/10798/">プロジェクト：リュウグウの砂に生命の材料につながる濃厚な塩水の痕跡―太古の塩結晶とともに残された多様な窒素化合物―</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<p class="wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンターの公募研究による成果が発表されました！</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" width="800" height="639" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/09/matsumoto_fig1.jpg" alt="" class="wp-image-10799" style="aspect-ratio:1.2519845770015876;width:726px;height:auto" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/09/matsumoto_fig1.jpg 800w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/09/matsumoto_fig1-300x240.jpg 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/09/matsumoto_fig1-768x613.jpg 768w" sizes="(max-width: 800px) 100vw, 800px" /><figcaption class="wp-element-caption">リュウグウの砂の塩鉱物（青色）と粘土鉱物（茶色）の電子顕微鏡擬似カラー画像とアンモニウム分子（NH₄⁺）のイラスト。（画像：京都大学）</figcaption></figure>
</div>


<h2 class="wp-block-heading"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">研究概要</mark></h2>



<p class="wp-block-paragraph">京都大学の松本徹特定助教らの研究グループは、小惑星探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウの砂をX 線や赤外線を使って分析した結果、炭酸ナトリウムや岩塩など⽔に溶けやすい塩結晶の周囲に、窒素を含む塩の結晶(硝酸塩)や、アンモニア、炭素と窒素が強く結びついた有機物などの窒素化合物が集まっていることを発見しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">リュウグウは、約45 億年前に生まれた大きな天体の破⽚で形づくられています。そのリュウグウの⺟体である天体の内部には⽔が流れていましたが、時間が経つにつれて凍結や蒸発により⽔は減少してゆきました。その際、残された濃い塩⽔から塩の結晶が沈殿し、窒素化合物も高度に濃縮されたと考えられます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">リュウグウの砂からは、すでにアミノ酸や核酸塩基などの生命の材料となる有機物が発見されており、アンモニアなどの窒素化合物はこれらの合成に中心的な役目を果たしたと考えられています。本研究により、リュウグウの⺟天体には⽔が存在するだけでなく、「⽔が減少して成分が濃縮される仕組み」が存在したことで、アンモニアなどの反応性物質が高濃度で出会い、複雑な生命材料へと進化する反応が促進された可能性が示されました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このような濃い塩⽔スープは、リュウグウだけでなく、地下に塩⽔が存在すると予想される準惑星セレスなどの太陽系の⽔天体でも存在するかもしれません。リュウグウの研究は、地球以外の天体で、生命の材料がどこで、どのように形づくられるかを紐解く手がかりになると期待されます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">本成果は国際科学誌『Nature Astronomy』に2026 年8 月27 日付で掲載されました。詳細は、以下のリリース及び論文をご参照ください。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">リリース情報</mark></h2>



<p class="wp-block-paragraph">タイトル：リュウグウの砂に生命の材料につながる濃厚な塩水の痕跡―太古の塩結晶とともに残された多様な窒素化合物―<br>URL：<a href="https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-09-03-1" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2026-09-03-1</a>　（京都大学）<br>　　　<a href="https://www.ims.ac.jp/news/2026/09/0903.html" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.ims.ac.jp/news/2026/09/0903.html</a>　（自然科学研究機構 分子科学研究所）</p>



<h2 class="wp-block-heading"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">論文情報</mark></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>掲載誌：</strong>Nature Astronomy<br><strong>タイトル：</strong>Ammonium-bearing clays and multiple nitrogen species linked to the late-stage brines of Ryugu&#8217;s parent body<br><strong>著者：</strong>Toru Matsumoto, Hayato Yuzawa, Mizuho Koike, Yoko Kebukawa, Takaaki Noguchi, Toru Yada, Hiroki Suga, Toshiaki Ina, Hiroshi Sakuma, Yohei Shirose, Yuki Kitamura, Yohei Igami, Akira Miyake<br><strong>DOI：</strong><a href="https://doi.org/10.1038/s41550-026-02962-y" target="_blank" rel="noopener">https://doi.org/10.1038/s41550-026-02962-y</a></p>



<h2 class="wp-block-heading"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">プロジェクト研究について</mark></h2>



<p class="wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンターでは、アストロバイオロジー研究の裾野を広げ、研究者コミュニティの形成を目的とし、「プロジェクト研究」として研究テーマを広く募集し、採択された研究を支援しています。プロジェクト研究の詳細は、以下サイトをご参照ください。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>プロジェクト研究</strong>：<a href="https://www.abc-nins.jp/application/" target="_blank" rel="noopener">https://www.abc-nins.jp/application/</a></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/09/04/10798/">プロジェクト：リュウグウの砂に生命の材料につながる濃厚な塩水の痕跡―太古の塩結晶とともに残された多様な窒素化合物―</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶②</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/08/07/10752/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 07 Aug 2026 04:24:53 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[研究者ブログ]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10752</guid>

					<description><![CDATA[<p>いきなり本題です。 🟢 分類の話：マリモの学名が変わった？ ここで少しだけ、分類学の話に寄り道してみましょう。 「分類学」と聞くと、少し地味... </p>
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<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/08/07/10752/">【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶②</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<p class="wp-block-paragraph">いきなり本題です。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-1-1024x572.png" alt="" class="wp-image-10753" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-1-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-1-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-1-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-1.png 1376w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption"><em>本記事の概要図（生成AIで作成したイメージ画像）。</em></figcaption></figure>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /> 分類の話：マリモの学名が変わった？</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">ここで少しだけ、分類学の話に寄り道してみましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「分類学」と聞くと、少し地味で難しそうに感じるかもしれません。実際、学名の話は、マリモの丸さや阿寒湖の波の話に比べると、一般の読者にはとっつきにくいテーマだと思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">しかし、今回のマリモの話では、ここを避けて通ることができません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">というのも、最近の論文で、私たちが長いあいだ使ってきたマリモの学名&nbsp;<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong>&nbsp;について、「正しい学名は&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;である」とする整理が示されたからです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">いきなり名前が変わったと言われると、少し混乱しますよね。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「えっ、マリモは別の生き物だったの？」<br>「阿寒湖のマリモが新種になったということ？」<br>「これまでの研究は間違っていたの？」</p>



<p class="wp-block-paragraph">と思われるかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">結論から言うと、マリモという生き物そのものが変わったわけではありません。阿寒湖のマリモが突然別種になったわけでもありません。今回の話は、<strong>新種が見つかったというニュースではなく、</strong><strong>200</strong><strong>年以上前の文献や標本を見直した結果、命名規約に従って正式な学名が整理された</strong>、というものです。変わったのは、「この生物に対して、命名規約上どの学名を使うべきか」という、名前の扱いです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえるなら、同じ人物について、古い戸籍や書類を調べ直した結果、「現在よく使われている名前より、規則上はこちらの名前を正式に使うべきだった」と分かったようなものです。本人が変わったわけではありません。ただし、公式な書類で使うべき名前が見直された、ということです。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4cc.png" alt="📌" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /> ちょこっと余談：学名って誰が付けるの？</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">ここで、もうひとつ素朴な疑問です。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>「学名って、誰が付けるのでしょうか？」</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">「最初に見つけた人が自由に付けられる」と思われるかもしれませんが、実際には少し違います。<br>生物学では、新しい生物だと考えられたものについて、その特徴を詳しく調べ、論文などで正式に発表した研究者が学名を与えます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、「見つけた人」ではなく、「正式に記載した人」が命名者になるのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">もっとも、その後の研究で「実は昔に別の名前が付いていた同じ生物だった」と分かることもあります。その場合は、新しい名前をそのまま使うのではなく、命名規約に従って、どちらを正式な学名とするかが整理されます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今回のマリモの話も、まさにそのような例なのです。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f49a.png" alt="💚" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f604.png" alt="😄" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4a1.png" alt="💡" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />学名は「世界共通の名前」</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">まず、学名とは何かを簡単に確認しておきましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>「マリモ」という和名は、「毬（まり）」と「藻（も）」を組み合わせた名前です。</strong>&nbsp;丸い毬（まり）のような姿をした藻類であることから、この名前が付けられました。現在広く使われている「マリモ」という名称は、植物学者の川上瀧彌（かわかみ&nbsp;たきや）氏によるもので、氏は1897年（明治30年）に阿寒湖でマリモを発見し、<em>Cladophora sauteri</em>&nbsp;と同定するとともに「マリモ（毬藻）」という和名を提唱しました（川上&nbsp;1897–1898）。一方、和名（毬藻）が植物学雑誌で発表されたのは明治31年（1898年）です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">私たちは日本語で「マリモ」と呼んでいますが、世界中の研究者が同じ日本語名を使うわけではありません。英語では<strong>lake ball(s)</strong><strong>、algal ball(s)</strong>（Tuji &amp; Niiyama 2022）、<strong>moss ball</strong>（アクアリウム流通）、あるいは以前の分類に由来する<strong>Cladophora ball</strong>（Acton 1916）&nbsp;、あるいは日本語由来の&nbsp;marimo&nbsp;などと呼ばれることがあります</p>



<p class="wp-block-paragraph">そこで、生物学では世界共通の名前として「学名」を使います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえば、これまでマリモの学名として広く使われてきたのが&nbsp;<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong>&nbsp;です。読み方は「アエガグロピラ・リンナエイ」に近いでしょうか。属名が&nbsp;<strong><em>Aegagropila</em></strong>、種小名が&nbsp;<strong><em>linnaei</em></strong>&nbsp;です。人間の名前にたとえるなら、属名が名字、種小名が名前のようなものです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ただし、生物の学名は、自由につけてよいわけではありません。藻類、菌類、植物の学名は、国際的な命名規約に従って扱われます。そこでは、「同じ生物に複数の名前がついていた場合、どの名前を優先するのか」「名前を変えるときはどう書くのか」「その名前がどの標本に基づくのか」といったルールが細かく決められています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このルールに照らして、マリモの名前をもう一度調べ直したのが、Guiry and Frödén&nbsp;による2023年の論文です。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f49a.png" alt="💚" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f604.png" alt="😄" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4a1.png" alt="💡" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />マリモは、昔から名前が揺れていた</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">実は、マリモの学名は、もともと安定していたわけではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">古い文献では、マリモは&nbsp;<strong><em>Conferva</em></strong>&nbsp;という属に入れられていました。その後、<strong><em>Cladophora</em></strong>&nbsp;属に移された時期もあり、<strong><em>Cladophora aegagropila</em></strong>&nbsp;や&nbsp;<strong><em>Cladophora sauteri</em></strong>&nbsp;という名前で扱われてきました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そのため、少し古いマリモの論文を読むと、現在の感覚では「これは本当に同じマリモの話なのか？」と思うような名前が出てくることがあります。しかし、多くの場合、それらは現在のマリモに相当する生物を、当時の分類体系で呼んでいたものです。（なお、こうした属の移り変わりは藻類学の一般的な経緯であり、後で紹介する&nbsp;Guiry and Frödén&nbsp;の2023年論文が直接扱っているのは、このうち&nbsp;<strong><em>Conferva aegagropila</em></strong>&nbsp;と&nbsp;<strong><em>Conferva brownii</em></strong>、そして&nbsp;<strong><em>Aegagropila</em></strong>&nbsp;の関係です。）</p>



<p class="wp-block-paragraph">その後、分子系統解析<strong><sup>*1</sup></strong>&nbsp;が進み、マリモは一般的な&nbsp;<strong><em>Cladophora</em></strong>&nbsp;属とは異なる系統に属することが示されました（この系統解析については、中編①で紹介した18S rRNA遺伝子の研究が大きなきっかけになりました）。その結果、<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong>&nbsp;という名前が広く使われるようになりました。ただし、この名前が広く定着したのは2010年前後以降で、それ以前は&nbsp;<strong><em>Cladophora</em></strong>&nbsp;系の名前が主流でした。意外に新しい呼び名なのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>(＊1 分子系統解析：DNAやRNAなどの遺伝情報を比較し、生物どうしの進化的な近縁関係を調べる方法です。見た目がよく似た生物でも、遺伝情報を調べることで、本当に近い仲間なのか、それとも別の系統なのかを判断できます。)</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">ここまでは、「分類上の位置づけ」の話です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、「この藻類は&nbsp;<strong><em>Cladophora</em></strong>&nbsp;属に入れるより、<strong><em>Aegagropila</em></strong>&nbsp;属として扱う方がよい」という整理でした。ところが、Guiry and Frödén&nbsp;の論文で問題になったのは、もう少し細かい、しかし分類学では非常に重要な<strong>「命名上の優先順位」</strong>の話です。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4cc.png" alt="📌" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /> ちょこっと余談：そもそも、同じ生物に複数の名前がつくことってあるの？</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">「ひとつの生物に、名前が2つもあるなんて不思議だな」と思われるかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">実は、生物学では珍しいことではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえば、ある研究者がヨーロッパで見つけた藻類を新種だと思って名前を付けたとします。一方、その数十年後、別の研究者が遠く離れた日本で同じ生物を見つけ、別の新種だと思って別の名前を付けたとしましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">その時点では、お互いに「同じ生物」だとは気づいていません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">しかし、その後、世界中の標本やDNAを詳しく調べた結果、「実はこの2つは同じ生物だった」と分かることがあります。すると、同じ生物に複数の学名が存在する状態になります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">こうした場合、生物学では「どちらの名前を正式な学名として採用するか」を、国際的な命名規約に従って整理します。その基本となる考え方が、「先に有効に発表された名前を優先する」というルールなのです。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f49a.png" alt="💚" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f604.png" alt="😄" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4a1.png" alt="💡" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />名前には「先に発表されたものを優先する」ルールがある</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、分類（どのグループに属するか）の問題と、命名（何という名前で呼ぶか）の問題は、実は別の話なのです。学名の世界には、基本的に「先に有効に発表された名前を優先する」という考え方があります。これを<strong>優先権の原則</strong>と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">もちろん、例外や細かな条件はあります。しかし大まかに言えば、同じ生物に複数の学名がついていた場合、後からよく使われるようになった名前より、より古く、正しく発表された名前を優先する、というルールです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで登場するのが、<strong><em>Conferva brownii</em></strong>&nbsp;という古い名前です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この名前は、1809年に&nbsp;Dillwyn&nbsp;によって記載されました。もとになった材料は、Robert Brown&nbsp;が「Dunrea, Ireland」から送ったもので、洞窟内の濡れた岩に生えていたと記されています。この&nbsp;Dunrea&nbsp;は、アイルランド北東部・Donegal県（ドニゴール県）の&nbsp;Inishowen&nbsp;半島にある&nbsp;Fort Dunree（アイルランド語で&nbsp;An Dún Riabhach、別名&nbsp;Dunrea）を指し、Robert Brown&nbsp;が軍医補として赴任していた場所でした。Guiry and Frödén&nbsp;は、この&nbsp;<strong><em>Conferva brownii</em></strong>&nbsp;が、従来<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong><em>&nbsp;</em>と呼ばれてきたマリモと同じ分類群として扱われるなら、現在使うべき名前は&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>になる、と整理しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで少しややこしいのは、<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong>&nbsp;という名前自体も古い名前だという点です。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>Aegagropila</strong>&nbsp;属は、1843年に&nbsp;Kützing&nbsp;によって設立されました。そのとき&nbsp;Kützing&nbsp;は、リンネ<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>2&nbsp;</sup></strong>が記載した&nbsp;<strong><em>Conferva aegagropila</em></strong>（リンネがこの名前を与えたのは、スウェーデンのダンネモーラ湖の標本でした。中編①で「スウェーデン産の材料」と呼んだものにあたります）に基づき、<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong>&nbsp;という名前を使いました。しかし、もしそのまま&nbsp;<strong><em>Aegagropila aegagropila</em></strong>&nbsp;としてしまうと、属名と種小名が同じになってしまいます。植物や藻類の命名規約では、このような名前は基本的に認められません。そのため、Kützing&nbsp;は&nbsp;<strong><em>linnaei</em></strong>&nbsp;という置き換え名を作ったわけです。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>(＊2 リンネ（Carl Linnaeus, 1707–1778）：スウェーデンの植物学者・博物学者。現在の生物分類学の基礎を築き、属名と種小名からなる「二名法」を確立したことで知られています。)</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">一方、<strong><em>brownii</em></strong>&nbsp;という種小名は、1809年の<em>&nbsp;<strong>Conferva brownii</strong>&nbsp;</em>に由来します。これが同じ生物を指していると認められるなら、<strong><em>linnaei</em></strong>&nbsp;よりも古く、しかも&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;として使える名前になります。そこで、Guiry and Frödén&nbsp;は、命名規約に従えば&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;が正しい名前だと結論づけたのです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-2-1024x572.png" alt="" class="wp-image-10755" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-2-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-2-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-2-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-2.png 1376w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption"><em>1809年、アイルランドの洞窟で採集するRobert Brownとダンディ・マリモ（生成AIで作成したイメージ画像）。洞窟内の濡れた岩に生える細い「糸状のマリモ（Conferva browniiのタイプ標本となる藻類）」を見つめる、ダンディ・マリモ。そして、その隣で丁寧に採集を行うRobert Brown。</em></figcaption></figure>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f49a.png" alt="💚" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f604.png" alt="😄" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4a1.png" alt="💡" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />「タイプ標本」が名前のよりどころになる</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">もうひとつ重要なのが、「タイプ標本」という考え方です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">学名は、単なる説明文やイメージに結びついているわけではありません。原則として、その名前の基準となる標本に結びついています。この標本を<strong>タイプ標本</strong>と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえば、ある生物について「緑色で、糸状で、丸くなることがある」と説明しても、それだけでは似た生物と区別が難しい場合があります。しかし、「この名前は、この標本に基づいている」と決めておけば、後の研究者がその標本を参照しながら、名前の適用範囲を検討できます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">Guiry and Frödén&nbsp;の論文では、<strong><em>Conferva aegagropila</em></strong>&nbsp;の基準となるリンネの標本、そして&nbsp;<strong><em>Conferva brownii</em></strong>&nbsp;に関係する標本が詳しく検討されています。論文には、リンネの標本や、Dillwyn&nbsp;が記載した&nbsp;<strong><em>Conferva brownii</em></strong>&nbsp;の図版、さらに&nbsp;Lund&nbsp;大学に残る&nbsp;<strong><em>Conferva brownii</em></strong>&nbsp;のタイプ標本（正確には、後に基準として選び直された「レクトタイプ」<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>3&nbsp;</sup></strong>と呼ばれる標本）も示されています。この標本は、Robert Brown&nbsp;が採集し、Dillwyn&nbsp;から&nbsp;Borrer、そして&nbsp;C. A. Agardh&nbsp;へと渡ったもので、Lund&nbsp;大学に残る&nbsp;Agardh&nbsp;の標本庫に収められています。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>(＊3 レクトタイプ：もともとタイプ標本が指定されていなかった場合に、後から正式に選ばれる基準標本のこと。)</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり今回の学名変更は、「なんとなく名前を変えた」という話ではありません。古い文献、標本、図版、命名規約を一つずつ確認した結果として、「この生物には&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;という名前を使うのが適切である」と整理されたものです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">分類学というと机上の議論のように聞こえるかもしれませんが、実際には、標本庫に残された小さな藻類片、200年以上前の図版、古い手紙やラベルの記録までたどる、かなり地道な作業です。マリモの名前の背景には、湖底の生態だけでなく、博物館や標本庫に積み重ねられてきた長い研究史もあるのです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-3-1024x572.png" alt="" class="wp-image-10756" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-3-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-3-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-3-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-3.png 1376w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption"><em>200年前の古い戸籍・標本庫を調べるダンディ・マリモ（生成AIで作成したイメージ画像</em>。<em>あくまでイメージです）。</em></figcaption></figure>



<div style="height:48px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f49a.png" alt="💚" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f604.png" alt="😄" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4a1.png" alt="💡" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />では、これからは何と書けばよいのか？</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">では、私たちは今後、マリモの学名をどのように書けばよいのでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">研究論文や専門的な文脈では、今後&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;が使われる場面が増えていくと考えられます。実際、近年のデータベース<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>4&nbsp;</sup></strong>や保存株情報<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>5&nbsp;</sup></strong>でも、<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;として扱う例が出てきています。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>(＊4 データベース：生物の名前や分類、分布、文献などの情報をまとめたオンライン資料です。研究者は、学名や分類の確認によく利用します。代表的な藻類データベースに, 「<a href="https://www.algaebase.org/">AlgaeBase</a> (URL: https://www.algaebase.org)」があります。アイルランド国立大学ゴールウェイ大学（旧・アイルランド国立大学ゴールウェイ校）が運営する、世界中の藻類の学名、分類、分布、文献などを収録した代表的なデータベースです。分類や学名が変更されると、その情報も随時更新されます。AlgaeBase は誰でも無料で利用できますし, 登録やログインは不要で、ブラウザからアクセスして学名や和名を検索できますので、自分で属名、学名、和名や英名などを入力して検索してみてください。)</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>(＊5 保存株情報：研究機関が保存・管理している生物（培養株）の情報です。採集地や学名、性質などが記録されており、研究に利用されています。)</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">一方で、これまでの膨大な研究では&nbsp;<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong>&nbsp;という名前が使われてきました。特に2010年代から2020年代前半のマリモ研究では、この名前が非常に一般的です。もっとも、先に述べたように、この名前が広く定着したのは2010年前後以降で、使用歴そのものは意外に浅いものです。とはいえ、この十数年の研究成果と読者の記憶に深く結びついた名前であることは確かなので、過去の研究とつなげて読むときには、しばらくの間、</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong><em>Aegagropila brownii</em></strong><strong>（旧&nbsp;<em>Aegagropila linnaei</em></strong><strong>）</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">あるいは、</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong><em>Aegagropila brownii</em>&nbsp;=&nbsp;<em>Aegagropila linnaei</em></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">のように、両方の名前を併記するのが読者にとって分かりやすいと思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このブログでも、基本的には読者になじみのある「マリモ」という和名を使います。学名が必要な場面では、文脈に応じて&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;と書き、必要に応じて「旧&nbsp;<em>Aegagropila linnaei</em>」と補足する形にしたいと思います。</p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f49a.png" alt="💚" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f604.png" alt="😄" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4a1.png" alt="💡" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />名前が変わっても、マリモの価値は変わらない</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">最後に、ここを強調しておきたいと思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">学名が&nbsp;<strong><em>Aegagropila linnaei</em></strong>&nbsp;から&nbsp;<strong><em>Aegagropila brownii</em></strong>&nbsp;に整理されたとしても、阿寒湖のマリモそのものが変わるわけではありません。阿寒湖の湖底で、無数の糸状体が絡み合い、長い時間をかけて美しい球状体をつくること。その巨大な球状マリモが、世界的に見ても非常に珍しい存在であること。そして、その生育環境が守るべき貴重な自然であること。これらは何も変わりません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">むしろ、学名の歴史をたどることで、マリモがどれほど長く研究者の関心を集めてきた生物なのかが見えてきます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">北欧の湖、アイルランドの洞窟、ヨーロッパの標本庫、そして北海道の阿寒湖。マリモという小さな緑色の藻類の名前には、思いのほか広い世界と長い時間が刻まれています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">分類学の話は少し細かいですが、名前をたどることは、その生物が人間にどう見つけられ、どう記録され、どう理解されてきたのかをたどることでもあります。そう考えると、マリモの学名変更は、単なる名前の訂正ではなく、マリモ研究の長い歴史をもう一度読み直すための入口なのかもしれません。</p>



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<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="785" height="1024" data-id="10759" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-4-785x1024.jpg" alt="" class="wp-image-10759" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-4-785x1024.jpg 785w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-4-230x300.jpg 230w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-4-768x1002.jpg 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-4-1177x1536.jpg 1177w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-4-1570x2048.jpg 1570w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-4.jpg 1812w" sizes="(max-width: 785px) 100vw, 785px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="768" height="1024" data-id="10758" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-5-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-10758" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-5-768x1024.jpg 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-5-225x300.jpg 225w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-5-1152x1536.jpg 1152w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-5-1536x2048.jpg 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-5-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="768" height="1024" data-id="10757" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-6-768x1024.jpg" alt="" class="wp-image-10757" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-6-768x1024.jpg 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-6-225x300.jpg 225w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-6-1152x1536.jpg 1152w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-6-1536x2048.jpg 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/marimo-2b-6-scaled.jpg 1920w" sizes="(max-width: 768px) 100vw, 768px" /></figure>
<figcaption class="blocks-gallery-caption wp-element-caption"><strong><em>おまけの1コマ：</em></strong><em> とある場所の構内で見かける立派なスズカケノキ（プラタナス）。秋から冬にかけて、まるでマリモのような可愛らしい球用の果実を実らせます。まるで「マリモのなる木」ですね。</em></figcaption></figure>



<p class="has-text-align-right wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンター特任研究員　河野　優</p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/08/07/10752/">【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶②</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>植物の乾燥耐性を向上させる化合物の開発</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/08/05/10700/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 05 Aug 2026 02:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[植物]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10700</guid>

					<description><![CDATA[<p>発表のポイント 概要 　植物の葉にある気孔は、ガス交換や蒸散を担う一方、乾燥時には閉鎖して水分の損失を防ぐ性質を持ちます。気候変動対策として... </p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<h2 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">発表のポイント</mark></strong></h2>



<ul class="wp-block-list">
<li class="has-medium-font-size"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">植物に乾燥耐性を与える化合物を同定しました。</mark></li>



<li class="has-medium-font-size"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">気孔のK<sup>+</sup>チャネルを阻害する分子標的化合物を同定しました。</mark></li>



<li class="has-medium-font-size"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">気孔応答メカニズムを知るための分子ツールとして利用できます。</mark></li>
</ul>



<div style="height:30px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<div style="height:30px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">概要</mark></strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">　<mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">植物の葉にある気孔は、ガス交換や蒸散を担う一方、乾燥時には閉鎖して水分の損失を防ぐ性質を持ちます。気候変動対策として、農作物に乾燥耐性を付与する植物調節剤（バイオスティミュラント）の開発が求められています。</mark><br>　<mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">アストロバイオロジーセンターの河野優特任研究員らの国際共同研究グループ（東北大学が主導）は、気孔の開口を促すカリウムイオン（K<sup>+</sup>）チャネルの阻害剤NS5806を同定し、さらにその類縁化合物UA49の合成にも成功しました。NS5806/UA49を植物に噴霧すると気孔の開口抑制（閉鎖誘導）が起こり、乾燥耐性が付与されることが実証されました。さらに本化合物を用いた解析から、K<sup>+</sup>チャネルが環境応答に重要なCaシグナル<sup>（注1）</sup>の生成に関与している可能性が示唆されました。本成果は、持続可能な農産物生産に貢献することが期待されます。</mark><br>　<mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">本研究成果は、2026年7月27日（英国標準時）に科学誌Nature Communicationsに掲載されました。</mark> </p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">詳細な説明</mark></strong></h2>



<h4 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><span style="text-decoration: underline;">研究の背景</span></mark></strong></h4>



<p class="wp-block-paragraph">　<mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">近年、世界的な気候変動に伴う水不足は、農作物の不作を引き起こす深刻な問題となっており、農業分野では作物に乾燥耐性を付与する技術の開発が求められています。植物は乾燥ストレスを感知すると、体内で植物ホルモンの一種であるアブシシン酸（ABA）を合成します。このABAの働きによって、葉の表面にある気孔が閉じ、水分の蒸散（損失）が抑えられることが知られています。そのため、農業利用に向けてABAやその類縁化合物を活用する研究が進められてきました。しかし、ABAは気孔にとどまらず、植物全身で応答反応を起こします。その結果、ABAが持つ別の作用である「種子の休眠」や「生長阻害」も同時に誘導されてしまいます。</mark></p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><span style="text-decoration: underline;">今回の取り組み</span></mark></strong></h4>



<p class="wp-block-paragraph">　<mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">気孔は二つの孔辺細胞で構成されています。孔辺細胞が膨張すると気孔が開口し、収縮すると閉鎖します。葉に多数存在する気孔は、CO<sub>2</sub>とO<sub>2</sub>のガス交換（肺の役割）や、根における養分吸収、体内循環を担う蒸散流の形成（心臓の役割）を行う重要な組織です。研究モデル植物であるシロイヌナズナの孔辺細胞膜には、細胞内にK<sup>+</sup>を流入させることにより、気孔開口を誘導するカリウムイオンチャネル<sup>（注2）</sup>KAT1が存在します。研究グループは、KAT1の機能を抑制する化合物を探索するために、電気生理学的手法<sup>（注3）</sup>を用いて化合物スクリーニングを行って化合物NS5806を単離しました。さらに官能基を変換したUA49を新たに合成しました。葉の表皮片を用いた細胞レベルの解析では、これら化合物の投与による気孔閉鎖の誘導が確認されました。さらに、植物の葉にスプレー散布した個体レベルの実験においても、乾燥耐性を示しました（図1）。また、ABAの投与で課題となる気孔以外の組織への副作用（発芽の遅延や根の伸長抑制など）が生じないことも確認しており（図2）、この点は農業利用において有効な成果です。今回見いだされた阻害剤（NS5806およびUA49）は、こうした実用性に加えて、細胞内の情報伝達メカニズムを解き明かすための研究ツールとしても非常に有用です。気孔開閉に関与する遺伝子変異株を用いてNS5806/UA49の作用の解析を行ったところ、ABAとは異なる細胞応答が生じました。また、細胞内情報伝達において重要な役割を果たすカルシウムイオン（Ca<sup>2+</sup>）の濃度変化をCa<sup>2+</sup>センサータンパク質<sup>（注4）</sup>によって可視化した結果、NS5806/UA49処理に伴う孔辺細胞内のCa<sup>2+</sup>濃度上昇が確認されました。さらに、KAT1が発現していない植物ではこの濃度上昇は観測されませんでした（図3）。これらの結果は、細胞内におけるカルシウムシグナルの形成にK<sup>+</sup>チャネルが関わることを示唆しており、これまでに報告のない「K<sup>+</sup>チャネルが情報伝達にかかわる」可能性を示しています。</mark></p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><span style="text-decoration: underline;">今後の展開</span></mark></strong></h4>



<p class="wp-block-paragraph">　<mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">本研究で単離された化合物NS5806/UA49は植物に乾燥耐性をもたらし、ABAと比べて副作用の少ない点でも有効な特長を持っているため、穀類や野菜などの農作物の生産向上につながるバイオスティミュラントへの応用が期待されます。また今回、植物の環境適応におけるカルシウムシグナルの生成とK<sup>+</sup>チャネルの活性調節の密接な連携が示唆されました。これらの化合物を活用することで、気孔運動の分子メカニズムの全貌解明に近づくことが期待されます。</mark></p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="alignleft size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="460" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig1-1024x460.png" alt="NS5806/UA49による植物への乾燥耐性付与" class="wp-image-10702" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig1-1024x460.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig1-300x135.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig1-768x345.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig1.png 1304w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">図1. NS5806<strong>/</strong>UA49による植物への乾燥耐性付与<br>NS5806またはUA49を植物に噴霧後、水やりを停止し、再給水後の回復状況を評価した。</mark></figcaption></figure>
</div>

<div class="wp-block-image">
<figure class="alignleft size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="889" height="337" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig2.png" alt="" class="wp-image-10703" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig2.png 889w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig2-300x114.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig2-768x291.png 768w" sizes="(max-width: 889px) 100vw, 889px" /><figcaption class="wp-element-caption"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">図2. NS5806/UA49と植物ホルモンのABAの副作用の比較<br>（左・中）NS5806/UA49は無添加（Mock）と同等の発芽率（Germination rate）と根の伸張を示し影響はないことが示された。一方、ABAはどちらも低下した。（右）NS5806/UA49添加により発現誘導する（UP）遺伝子数はABAと比べて少なく、影響が比較的小さいことが示された。一方、発現量が低下した遺伝子数（DOWN）はNS5806/UA49とABAで大きな差はなかった。</mark></figcaption></figure>
</div>


<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="346" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig3-1024x346.png" alt="" class="wp-image-10704" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig3-1024x346.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig3-300x101.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig3-768x259.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/08/植物乾燥耐性_fig3.png 1304w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">図3. NS5806/UA49による孔辺細胞質のCa<sup>2+</sup>濃度上昇<br>縦軸は孔辺細胞の細胞質におけるCa<sup>2+</sup>濃度の上昇（相対変化）を示す。NS5806/UA49による細胞質へのCa<sup>2+</sup>流入は、KAT1が正常に機能している孔辺細胞においてのみ観察された。</mark></figcaption></figure>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">謝辞</mark></strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">本研究は、JSPS科研費（JP24H00295、JP24H00495、JP24H02253、JP21H05266、JP22K19121、JP24K08709、JP24K17825、JP23KJ0101）、JSTムーンショット型研究開発事業（JPMJMS2033）、GteX（JPMJGX23B0）、ASPIRE（JPMJAP24A3）、東北大学2026年度オープンアクセス推進のためのAPC支援事業の支援を受けました。</mark></p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">用語説明</mark></strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">【注１】　<strong>Caシグナル</strong>：細胞が外部からの刺激（環境の変化や薬剤など）を受けた際に、細胞内のカルシウムイオン（Ca<sup>2+</sup>）濃度を変化させることで、「状況が変わった」という情報を細胞内へ伝える仕組みのこと。</mark></p>



<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">【注２】　<strong>イオンチャネル</strong>：生体膜のトンネルのようにイオンの透過を担うタンパク質。今回登場するKAT1はカリウムイオンを透過する。</mark></p>



<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">【注３】　<strong>電気生理学的手法</strong>：生体膜のイオン移動を電流値として測定する手法。</mark></p>



<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">【注４】　<strong>Ca<sup>2+</sup>センサータンパク質</strong>：Ca<sup>2+</sup>と結合すると蛍光を発するように人工的に設計されたタンパク質。対象の細胞内に発現させることで、細胞内のCa<sup>2+</sup>濃度のリアルタイムな変化（シグナル）を観察（可視化）することができる。</mark></p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color">論文情報</mark></strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><strong>タイトル：</strong>Synthetic ion channel inhibitors enhance plant drought tolerance</mark><br><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><strong>著者：</strong>Kanane Sato, Kyota Suzuki, Shunya Saito, Taishin Kakei, Megumi Kato, Masana Yazaki, Yasutaka Kawai, Mieko Arisawa, Nobuhisa Isaka, Toshio Yamaguchi, Matteo Grenzi, Laura Luoni, Masaru Kono, Yuki Hayashi, Toshinori Kinoshita, Farhan Aziz, Khurram Bashir, Motoaki Seki, Asuka Kamimura, Takumi Higaki, Jun Takeuchi, Yasushi Todoroki, Huifei Yin, Francisco Rubio, Jörg Kudla, Shintaro Munemasa, Yoshiyuki Murata, Masaru Tsujii, Yasuhiro Ishimaru, Alex Costa &amp; Nobuyuki Uozumi*<br>*責任著者：東北大学 大学院工学研究科 バイオ工学専攻　魚住信之教授</mark><br><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><strong>掲載誌：</strong>Nature Communications</mark><br><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><strong>DOI：</strong>10.1038/s41467-026-75894-w</mark><br><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"><strong>URL：</strong><a href="https://www.nature.com/articles/s41467-026-75894-w" target="_blank" rel="noopener" title="">https://www.nature.com/articles/s41467-026-75894-w</a></mark></p>



<div style="height:40px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-vivid-cyan-blue-color"><strong>関連リンク</strong></mark></h2>



<p class="wp-block-paragraph"><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">・東北大学　<a href="https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2026/08/press20260805-03-drought.html" target="_blank" rel="noopener" title="">プレスリリース</a></mark></p>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/08/05/10700/">植物の乾燥耐性を向上させる化合物の開発</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>国際研究会 Cool Stars 23 参加＆運営報告記</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/07/23/10693/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 23 Jul 2026 01:43:28 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[研究者ブログ]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10693</guid>

					<description><![CDATA[<p>河野さんのマリモブログが絶賛連載中ですが、今日はちょっと別の話題を。 6月15日から19日、東京・有明にて、国際研究会 Cool Stars... </p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<p class="wp-block-paragraph">河野さんのマリモブログが絶賛連載中ですが、今日はちょっと別の話題を。</p>



<p class="wp-block-paragraph">6月15日から19日、東京・有明にて、国際研究会 Cool Stars 23 が開催されました。およそ600名の研究者が世界中から集まった大規模な研究会です。ABCも協賛しており、私を含めABCの研究者や学生も、オーガナイザーやサポートスタッフとして長らく運営に携わってきました。今日は参加者(&amp;運営)目線でクールな一週間を振り返ってみます。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="814" height="458" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-1.png" alt="Cool Stars 23のバナー。実は広報担当の私が作りました。背景の画像は、運営メンバーが撮影したお台場の写真と著作権フリーの浮世絵の画像を使って、Adobe Fireflyで作成。Cool Starsらしさと日本らしさを出せたかなと、結構お気に入りです。" class="wp-image-10694" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-1.png 814w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-1-300x169.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-1-768x432.png 768w" sizes="(max-width: 814px) 100vw, 814px" /><figcaption class="wp-element-caption"><em>Cool Stars 23のバナー。実は広報担当の私が作りました。背景の画像は、運営メンバーが撮影したお台場の写真と著作権フリーの浮世絵の画像を使って、Adobe Fireflyで作成。Cool Starsらしさと日本らしさを出せたかなと、結構お気に入りです。</em></figcaption></figure>
</div>


<p class="wp-block-paragraph">この研究会は Cool Stars 、つまり「低温度星」の研究会ですが、低温度星の定義は特に定まってはいません。多くの参加者に共通している認識は、「太陽と同程度か、それより温度の低い天体」。天文学的にいうと、G、K、M型星や褐色矮星が主な対象です。生まれたばかりの恒星から、年老いた赤色巨星まで。また、恒星の周りの円盤や惑星系も議題のうちに入ります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">元々は、「<em>Cambridge Workshops on Cool Stars, Stellar Systems and the Sun</em>」という名前の研究会で、1980年1月、アメリカのケンブリッジで開催された小規模ワークショップが始まりだったとのこと。それから Cool Stars シリーズとして、およそ2年ごとに開催されてきました。あのミシェル・マイヨール博士とディディエ・ケロー博士が、世界で初めての系外惑星「ペガスス座51番星b」の発見を初めて報告したのは1995年の Cool Stars 9 でした。彼らの発表の後、会場はスタンディングオベーションだったとか。歴史のある研究会です。近年はアメリカ合衆国とヨーロッパの国々で交互に開催するのがお決まりになっていましたが、今年は初めてのアジア開催として日本が選ばれました。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="472" height="630" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-2.jpg" alt="日曜日のレセプションとトークイベントが開催された日本科学未来館。" class="wp-image-10695" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-2.jpg 472w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-2-225x300.jpg 225w" sizes="(max-width: 472px) 100vw, 472px" /><figcaption class="wp-element-caption"><em>日曜日のレセプションとトークイベントが開催された日本科学未来館。梅雨時でしたが天気は良い日が多く、初夏の陽気の一週間となりました (ありがたい…)。</em></figcaption></figure>
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<p class="wp-block-paragraph">私はコロナ禍明けの2022年にフランス・トゥールーズで開催された Cool Stars 21、2024年にアメリカ合衆国・サンディエゴで開催された Cool Stars 22 にも参加してきました。2年ごとに、観測や解析の技術がどんどん向上し、業界の潮流も移り変わっているのを感じます。2024年の Cool Stars 22 では、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による成果が多数報告されました。今年の Cool Stars 23 では、それらの観測結果をどう解釈するかという、よりテクニカルな解析手法や理論モデルについての発表が多かった印象を受けました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">私が着目しているのは「（年齢1億歳以下の）若い惑星」と、「恒星の磁気活動」です<sup>*</sup> が、それらについても興味深い発表が多くありました。若い惑星の軌道や大気の観測結果が続々と報告され、これらを説明できる惑星形成・進化過程の統一的な理論が求められているのを感じます。私たちのポスター発表では、年齢300万歳という非常に若いトランジット惑星について、軌道の傾きを調べた研究について紹介しました。原始惑星系円盤などの研究をしている方々から興味を持っていただき、有意義なポスターセッションとなりました。この研究成果はやがて論文になる予定なのでお楽しみに。</p>



<p class="wp-block-paragraph">また、若い惑星の観測には恒星の影響がつきものです。惑星が若いということは恒星も若く、若い恒星はフレアや黒点といった磁気活動が非常に活発なのです。これらは惑星のシグナルを検出する際のお邪魔モノになるため、どう除去するかが重大テーマです。最近のCool Starsでの発表からは、これらの影響を「ノイズ」として統計的に処理するのではなく、観測事実から恒星物理を正しく理解し、それらを反映したモデルを作ろうという業界の流れを感じます。まだ「これが正解」という手法が見つかっているわけではないので、様々な手法を比較検討し、より高精度化していくことは今後の重要な課題となると思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（<sup>*</sup>私のこれまでの研究についてはこちらのプレスリリースもどうぞ: <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/09/09/9838/" target="_blank" rel="noopener" title="">黒点を横切る惑星が伝える、傾いた惑星系の姿</a>）</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、Cool Stars は世界中から研究者を集めた「お祭り」のような一面もあり、会議期間中には様々なイベントが開催されます。日曜日には日本科学未来館でのレセプションとトークイベント、火曜日には若手研究者が進路について意見交換できる「Young Astronomers’ Lunch」や特別レクチャー、火曜日にはグループに分かれて東京観光するエクスカージョン、木曜日にはバンケットが開催されました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">特別レクチャーでは、同志社大学・京都大学名誉教授の柴田一成先生に、「Discovery History of Superflares」と題してご講演いただきました。柴田先生らは、太陽に似た恒星で「スーパーフレア*」を発見し、太陽でも低い確率でスーパーフレアが発生する可能性を示した研究で世界的に知られています。京都大学をはじめ、日本はフレアや恒星磁気活動の研究において世界をリードする成果を挙げています。講演では、壮大な音楽とともに太陽の黒点やフレアの様子を映し出すアート作品を交えながら、その物理やスーパーフレア発見に至る経緯についてお話しいただきました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">大学生も解析に参加したという、柴田先生らの興味深い研究の舞台裏については、天文月報の記事もぜひどうぞ。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/25b6.png" alt="▶" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />︎<a href="https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2014_107_05/107_253.pdf" target="_blank" rel="noopener" title="">「特集：太陽型星におけるスーパーフレア （1）スーパーフレア研究はいかに始まったか」（天文月報2014年5月号）</a></p>



<p class="wp-block-paragraph">（<sup>*</sup>スーパーフレア: フレア(恒星表面での爆発現象)のうち、太陽で起こる最大級のフレアのエネルギーに比べ100倍以上大きいエネルギーを持つ現象。）</p>



<p class="wp-block-paragraph">私は広報・Web担当をしながら、エクスカージョンやバンケットの準備のお手伝いをしていましたが、海外の人たちは日本に来てどんなことを楽しみたいのかな、と想像することは、改めて日本や東京の魅力を発見するきっかけにもなりました。特にバンケットではけん玉や折り紙を用意した「日本の遊び体験ブース」を作ったのですが、これが大人気でした。世界中の研究者たちが無邪気にけん玉をしている姿はかなりほっこりするものがありました(笑)</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="706" height="396" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-3.jpg" alt="バンケットの片隅に作ったフォトブース。" class="wp-image-10696" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-3.jpg 706w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/cs23-3-300x168.jpg 300w" sizes="(max-width: 706px) 100vw, 706px" /><figcaption class="wp-element-caption"><em>バンケットの片隅に作ったフォトブース。運営仲間たちからは「ここだけ文化祭みたい」って言われましたが、大人気でした。本当です…！</em></figcaption></figure>
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<p class="wp-block-paragraph">実際のところ、今回の Cool Stars 23 は運営の仕事でずっとバタバタしていましたが、レセプション、エクスカージョン、バンケットなど、一つ一つのイベントが大きな問題なく終わっていくと、その度に安堵と、少しの寂しさで一息つくのでした。今回 Cool Stars の運営に携わらせていただいて、大きな研究会の成功は、驚くほどたくさんの人々の協力と、長い時間をかけた準備の賜物なのだということを実感しました。今後研究会に参加した時は、オーガナイザーへの感謝と共感で溢れそうです。もっとこうしたかった、ああすればよかったという反省は多数ありますが、また今後こういった研究会運営の機会があれば、ぜひ生かしていこうと思います。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そしてバンケットで発表された次回の Cool Stars 24 開催地は……<strong>シドニー</strong>！</p>



<p class="wp-block-paragraph">2年後の2028年7月、なんと、オーストラリアで皆既日食が見られる7月22日に合わせて開催されます。これはなんとしても行かなければなりません……。Cool Starsに参加するたび「もう前回から2年経ったのか」と驚きますが、またあっという間に2028年がやってくるのでしょう。次回こそ口頭発表ができるような素晴らしい研究成果を携えてシドニーに向かうべく、これからの2年間もがんばります。</p>



<p class="has-text-align-right wp-block-paragraph">森 万由子（アストロバイオロジーセンター）</p>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/23/10693/">国際研究会 Cool Stars 23 参加＆運営報告記</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶①</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/07/22/10686/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 22 Jul 2026 09:35:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[研究者ブログ]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10686</guid>

					<description><![CDATA[<p>いよいよ7月も下旬に入り、関東甲信地方では梅雨が明けました。夏本番です。天気予報で予想最高気温に40℃と表記されてる地域もあるくらい、猛暑日... </p>
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<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/22/10686/">【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶①</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<p class="wp-block-paragraph">いよいよ7月も下旬に入り、関東甲信地方では梅雨が明けました。夏本番です。天気予報で予想最高気温に40℃と表記されてる地域もあるくらい、猛暑日が続いています（夏日、真夏日、猛暑日はあるけど、酷暑日ってあるんでしょうか？熱帯夜はありますが、真夏夜、超熱帯夜もある？）。予想気温で“40℃表示”はこれまで見たことない気がします（汗）。外に出た瞬間、強い日差しとむっとした空気に包まれて、「出掛けるのやめようかな？」と思ってしまいます（汗汗）。</p>



<p class="wp-block-paragraph">こうした時期に特に気をつけたいのが、熱中症ですね。熱中症というと、炎天下で長時間過ごしたときに起こるもの、というイメージがあるかもしれませんが、室内でも起こりますし、寝ている間にも起こることがあるようです。夜のあいだに室温が上がり、さらに自分では気づかないうちに汗をかくことで、体の水分が失われてしまうためだそうです。寝る前の水分補給はもちろん、冷房も欠かせません。設定温度は26〜28℃を目安にしつつ、扇風機も併用して、無理のない範囲で快適に過ごしたいところです。暑さを我慢するより、体を守ることを優先しましょう。環境省の熱中症対策資料でも、睡眠時の暑さ対策として冷房の使用が重要であることが示されています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、そんな暑さのなかでも、休日になるとつい街を歩きたくなるものです（実は暑いのは結構好き）。先日、東京・中目黒を散策していたとき、偶然「ABCラーメン」という看板を見つけました。後で調べたら、1977年創業、銀座で47年続いた老舗ラーメン店が、2024年12月に中目黒へ移転オープンしたお店とのこと。</p>



<p class="wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンターを略すと「ABC」なので、名前を見た瞬間に勝手ながら親近感が湧いてしまい、そのまま吸い寄せられるように入店しました（映画のタイトルにも「ABC of&nbsp;〇〇」てのを見かけたことがあります。流行るんでしょうか）。店内はきれいで落ち着いた雰囲気があり、店員さんもとても親切でした。席も「お好きなところへどうぞ」と案内してくださり（これ、地味に重要）、散策で少し疲れた体にはありがたい空間でした。ラーメン（細麺と太麺を選べました。こういう選択肢があると嬉しくなります）とチャーハンを注文しました。スープも麺も食べやすく、チャーハンもおいしくて、休日の散策途中に立ち寄るにはぴったりのお店でした。どうやら餃子も名物のようなので、次に訪れるときはぜひ餃子も試してみたいところです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図1-1024x572.png" alt="ラーメンを食べるダンディ・マリモ" class="wp-image-10684" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図1-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図1-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図1-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図1.png 1376w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">中目黒の『ABCラーメン』でラーメンとチャーハンを楽しむダンディ・マリモと、店員のモトスマリモ、タテヤママリモ（生成AIで作成したイメージ画像。実際のお店の雰囲気は画像とは異なる可能性がありますので、お店の内装などは<a href="https://abc-ramen.happytry.online/" target="_blank" rel="noopener" title="">HP</a>などを参照してください。）</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">ということで、本題に入りましょう。第2回・前編では、マリモが1個の生物ではなく、糸状体が集まった集合体であること、そして「着生型」「浮遊型」「集合型」という3つの生活形を紹介しました。今回の中編では、視点を少し広げて、<strong>マリモが世界のどこに分布しているのか</strong>、そして<strong>阿寒湖のマリモが過去にどのような変化をたどってきたのか</strong>を見ていきます。途中では、最近の論文で話題になっている「<strong>学名変更</strong>」の話にも少し触れてみたいと思います。長くなったので①～③に分けました。</p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color"> マリモは世界のどこにいる？ 北半球に点在する不思議な藻類</mark></strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">マリモには「着生型」「浮遊型」「集合型」という3つの生活形があることを紹介しました。私たちがよく知っている丸いマリモは、そのうち「集合型（球状型）」にあたります。しかし、世界全体で見ると、マリモは必ずしも丸い姿で暮らしているわけではありません。阿寒湖のような大型の球状群落は例外的で、多くの産地では小型の球や着生・浮遊の状態で暮らしています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">では、マリモは世界のどこに生育しているのでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">マリモは、日本だけにいる生き物ではありません。学術的には、北半球の冷涼な地域を中心に分布する淡水性の緑藻として知られています。Boedeker&nbsp;らの研究（2010a, b）では、標本庫に保存されている標本、過去の文献、現地観察の記録をもとに、マリモの世界分布が詳しく調べられました。その結果、マリモは淡水域や一部の汽水域<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>1&nbsp;</sup></strong>を含む283地点から記録されており、その多くは中央ヨーロッパから北ヨーロッパに集中していました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（＊1 汽水：海水と淡水が混ざった水）</p>



<p class="wp-block-paragraph">「マリモ」と聞くと、どうしても北海道・阿寒湖のイメージが強いかもしれません。しかし、世界地図上で見ると、マリモの記録はヨーロッパ側にかなり多く分布しています。特にスウェーデン、ドイツ、イギリス・アイルランド、日本、ロシアなどから多くの記録があります。ヨーロッパでは淡水湖だけでなく、バルト海沿岸のような塩分の低い汽水域にも分布している点が特徴的です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで少し面白いのは、マリモが「どこにでもいる藻類」ではないという点です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">淡水性の藻類のなかには、鳥や水の流れ、人間活動などによって広く運ばれ、世界中にコスモポリタン（普遍種）として分布するものも少なくありません。ところが、マリモの場合は少し事情が違います。マリモは乾燥に強い休眠胞子<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>2&nbsp;</sup></strong>のような特別な耐久構造をほとんど作らず、主に糸状体の断片化（バラバラにちぎれること）によって増えると考えられています。そのため、長距離を移動して新しい湖に定着する力はあまり高くないと推定されています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、マリモは北半球に広く分布している一方で、実際にはかなり「移動が苦手な藻類」なのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（＊2 休眠胞子：乾燥などの厳しい環境を生き延びるためにつくられる、丈夫な胞子。）</p>



<p class="wp-block-paragraph">では、なぜそのような藻類が、ヨーロッパや日本、アイスランド、北米の一部など、離れた地域に点々と分布しているのでしょうか。ここで関係してくるのが、過去の氷河期です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">Boedekerらは、現在のマリモの分布には、更新世の氷河期の影響が残っている可能性を指摘しています。特に、現在の記録密度が高い中央・北ヨーロッパの多くは、かつて氷河に覆われていた地域です。一見すると不思議ですが、氷河の周辺には氷でせき止められた湖や、氷河の後退に伴って形成された水域が存在し、そうした場所がマリモの避難場所、あるいは再分布の足がかりになった可能性があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">一方で、分布は連続しているわけではありません。日本とヨーロッパの間には、シベリアや中国北部など、一見するとマリモが生育できそうな地域が広がっています。しかし、Boedeker らの調査では、これらの地域から確かな記録はほとんど見つかっていません。そのため、マリモの分布は、日本とヨーロッパの間が大きく途切れた「飛び地状」の分布である可能性が指摘されています（ただし、これらの地域が十分に調査されていないだけ、という可能性も残されています）。</p>



<p class="wp-block-paragraph">このように見ていくと、マリモは「世界中にどこでもいる普通の藻類」ではなく、冷涼な北半球の水域に点在し、過去の地球環境の変化を反映しながら現在まで生き残ってきた貴重な藻類だといえます。丸い姿のかわいらしさとは裏腹に、その分布の背景には、氷河期、湖の形成、分散能力の低さといった、かなりスケールの大きな物語が隠れています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そして、ここで改めて重要になるのが、阿寒湖のマリモの特別さです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">マリモという藻類そのものは、北半球の各地に分布しています。しかし、大きな球状の集合体が美しく群生する場所は、世界的に見ても非常に限られています。アイスランドのミーヴァトン湖（Mývatn）では、かつて直径約12 cm以上の大型の球状マリモ群落が知られていましたが、その群落は過去数十年の間に大きく縮小し、現在では消失したと報告されています。Einarsson（2014）の報告書では、大型球状マリモ群落は、ミーヴァトン湖以外では日本の阿寒湖とウクライナの湖のみだったこと、そしてその衰退が光環境の悪化・泥の埋没・藍藻ブルームの激化（背景に湖内採掘と富栄養化）と関係していることが述べられています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、「マリモがいる湖」と「巨大な球状マリモが群生する湖」は、まったく意味が異なります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">マリモという種は世界に点在しています。しかし、阿寒湖のように、直径30 cmに達するような大型の球状集合体が湖底一面に広がる場所は、現在では極めて限られています。私たちが阿寒湖のマリモを特別天然記念物として守っている理由は、単に「丸くてかわいいから」ではありません。世界的に見ても、阿寒湖が非常に特殊で奇跡的なマリモの生育環境をいまなお保っているからなのです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図2-1024x572.png" alt="マリモの世界分布概要図" class="wp-image-10685" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図2-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図2-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図2-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.19-図2.png 1376w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">マリモの世界分布概要図（※生成AIにより作成したイメージ図です。一部、文字の乱れ（文字化け）が見られる箇所もありますが、全体の意味は伝わるためそのまま掲載しています。正確な情報については、本文の解説をご参照ください。）</figcaption></figure>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4cc.png" alt="📌" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" /> <mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">ちょこっと余談：日本にもいろいろな「マリモ類」がいる</mark></strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">世界分布を見ていくと、マリモは北半球のあちこちに点在しているようでいて、実はかなり限られた条件のもとで生きていることが分かります。しかも、丸い集合型、とくに大型の球状マリモとなると、その条件はさらに厳しくなります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで少し、日本国内のマリモ分布にも目を向けてみましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">日本で「マリモ」と聞くと、多くの方がまず思い浮かべるのは、やはり北海道・阿寒湖の丸いマリモでしょう。阿寒湖は、大型の球状マリモが群生する場所として世界的にもきわめて重要です。一方で、マリモという藻類そのものは、阿寒湖だけに生育しているわけではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0);color:#0709e3" class="has-inline-color">1. 日本国内の産地リスト</mark></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">日本国内では、北海道の阿寒湖のほか、チミケップ湖、釧路湿原の塘路湖（とうろこ）・シラルトロ湖・達古武湖（たっこぶこ）、本州では青森県の小川原湖（おがわらこ）、山梨県の西湖・山中湖、滋賀県の琵琶湖などから、マリモの仲間が報告されています（シラルトロ湖（神田1979）、達古武湖（神田1980）、塘路湖（神田1982）、チミケップ湖（Soejima et al. 2009）、本州の各湖（Soejima et al. 2009）、山中湖（Tuji et al. 2021）など）。ただし、阿寒湖以外の場所で見つかるものの多くは、私たちがイメージするような丸い球状体ではなく、岩などにくっついて育つ「着生型」や、水中に漂う「浮遊型」に近い姿です。つまり、日本国内でも「マリモがいる場所」と「丸いマリモが見られる場所」は、分けて考える必要があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0);color:#0709e3" class="has-inline-color">2. 湖ごとに生活形が違う</mark></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">この点は、Soejima&nbsp;ら（2009）の研究でも重要なポイントとして示されています。阿寒湖・チミケップ湖・達古武湖・小川原湖・西湖・琵琶湖の6湖で採集されたマリモを調べたところ、阿寒湖では球状集合体・浮遊型・着生型が見られる一方で、他の湖では着生型（西湖などは半浮遊性の着生型）が確認されています。特に、球状のマリモが自然状態でまとまって見られる場所は、日本では阿寒湖に限られるとされています。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0);color:#0709e3" class="has-inline-color">3. 「丸いかどうか」で分けられるのか ── 塘路湖（とうろこ）のトロマリモ</mark></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで、少し昔の研究の面白い歴史をご紹介します。</p>



<p class="wp-block-paragraph">釧路湿原の塘路湖には、古くからマリモの仲間が知られていました。ただし、その分類上の扱いは長い間揺れ続けます。1934年、菅野利助氏は塘路湖の藻類を、阿寒湖のマリモとは別の品種として記載しました。理由は、塘路湖のものが不規則な塊にしかならず、きれいな球体をつくらないことでした。1977年の『日本淡水藻図鑑』でも同じ扱いが踏襲され、「トロマリモ」という和名が与えられます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここでの分類の決め手は、はっきりと「丸くなるかどうか」でした。</p>



<p class="wp-block-paragraph">これに異を唱えたのが、北海道教育大学釧路分校の神田房行氏です。神田氏は1979年から1980年にかけて塘路湖で採集を行い、顕微鏡下で糸状体を丹念に測りました。その結果、糸状体をつくる細胞の太さも長さも、太さと長さの比も、阿寒湖・シラルトロ湖・達古武湖のマリモと変わるところがない、と結論づけます（神田 1982）。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そのうえで神田氏は、「球にならないこと」を分類の根拠にすることそのものを退けました。過去の研究から、阿寒湖のマリモですら、量的には糸状体や不規則な塊の方が多いことが報告されていましたし、人工的に波を与えると球になることも実験で示されていたからです。つまり、「丸いかどうかは環境が決めている。だとすれば、それは種を分ける物差しにはならない」ということです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ではどこが違うのか。神田氏が注目したのは、塘路湖の藻類が「小さな石にまで仮根<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>3&nbsp;</sup></strong>でしっかり付着している」という点でした。近隣のシラルトロ湖や達古武湖のマリモは、糸状体の中に小石を含んでいても簡単に洗い流せてしまうのに対し、塘路湖のものは頑固にくっついている。この付着性こそ塘路湖固有の性質だとして、新品種&nbsp;<em>Cladophora sauteri</em>f.&nbsp;<em>toroensis</em>&nbsp;を記載し、和名は先人にならって「トロマリモ」を残しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（＊3 仮根：藻類やコケなどが岩や石に付着するために出す、根のような細い突起。植物の根と違って水や養分を吸う働きはほとんどなく、その場にとどまるための「錨（いかり）」の役割を担っている。）</p>



<p class="wp-block-paragraph">丸いかどうかではなく、別の性質（形質）で分ける。分類の根拠が、一段深いところへ移った瞬間でした。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そして現在、この品種区分そのものが姿を消しています。詳細な形態比較（Niiyama 1989）と、続く遺伝子解析（Hanyuda et al. 2002&nbsp;ほか）によって、トロマリモもフジマリモもカラフトマリモも、日本のマリモはすべて同じ一つの種（分類群）として扱うのが妥当だと分かったからです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「丸いかどうかで分ける」から「別の形質で分ける」へ、そして「すべて同じ種として分けない」へ。塘路湖の小さな藻類をめぐる約90年は、生きものを何によって区別するのかという科学の問いが、そのまま形になったような歴史でもあります。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0);color:#0709e3" class="has-inline-color">4. 遺伝子が示した、もう一つの答え</mark></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">ところが遺伝子解析は、面白いことに逆向きの答えも用意していました。日本のマリモが一つにまとまっていく一方で、それまでマリモの一種と思われていたものの中から、まったく別系統のものが姿を現したのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">Hanyuda&nbsp;ら（2002）は18S rRNA遺伝子<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>4</sup></strong><strong><sup>&nbsp;</sup></strong>を用いた系統解析により、阿寒湖のマリモとスウェーデン産の材料が同じ<em>Aegagropila linnaei</em>&nbsp;に属すること、そしてそれまで広く使われていた&nbsp;<em>Cladophora</em>&nbsp;属とは異なる独自の系統（マリモ属）に位置づけられることを示しました（※学名については次回詳述）。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（＊4<sup>  </sup>18S rRNA遺伝子：生物どうしの近縁関係（血縁関係のようなもの）を調べるためによく使われる定番の遺伝子。）</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong><mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0);color:#0709e3" class="has-inline-color">5. タテヤママリモ・モトスマリモ、3種の整理</mark></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">このように、日本には見た目はマリモに似ていても、分類学的には別系統に属する「マリモ類」も存在します。その代表が「タテヤママリモ」と「モトスマリモ」です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">タテヤママリモは、1987年に富山県立山町で見つかったマリモ状の藻類に由来するもので、長らく所属の定まらない存在でした。Hanyuda&nbsp;ら（2002）の系統解析でも「<em>Cladophora</em>&nbsp;sp. Tateyama」として扱われ、阿寒湖のマリモとは遺伝的に明らかに異なることが示されています。その後、この仲間に&nbsp;<em>Aegagropilopsis</em>&nbsp;という新しい属<strong><sup>＊</sup></strong><strong><sup>5&nbsp;</sup></strong>が設けられ、現在では<em>Aegagropilopsis moravica</em>&nbsp;に関係する分類群として整理されています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（＊5 「属」「種」「種小名」：生物の分類や学名（世界共通の生物名）を表す基本的な単位。生物を分類する階級は「界・門・綱・目・科・属・種」と続き、学名は『属名＋種小名』の2語で表記する（二名法）。属は、近縁な種をまとめたグループで、種はその中の個々の生物。種小名は、学名の後半にくる、属の中でその種を指し示す部分を指す。）</p>



<p class="wp-block-paragraph">たとえば、<em>Aegagropila linnaei</em>&nbsp;なら、<em>Aegagropila</em>&nbsp;が属名（マリモ属）、<em>linnaei</em>&nbsp;が種小名で、二つ合わせて「種の名前＝学名」になる。人間の姓名でいえば、属名が姓、種小名が名にあたる、と考えると分かりやすい。なお、同じ種小名は別の属でも使えるため、種小名単体では種を特定できない。また、学名は斜体（イタリック）で表記するのが世界共通の慣例。</p>



<p class="wp-block-paragraph">もう一つのモトスマリモは、もっと最近の話です。2016年、山梨県甲府市の民家の水槽に、マリモ状の藻類が出現しました。2022年にこの藻類が調べられ、遺伝子解析の結果、<em>Aegagropilopsis clavuligera</em> と一致することが分かりました（Tuji and Niiyama 2022）。水槽には、飼育者が本栖湖の湖岸で採取した二枚貝が入れられており、そこから持ち込まれた可能性が高いと考えられたことから、「モトスマリモ」と名付けられました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、日本で「丸くなる藻類」として確認されているのは、いまのところ次の3つです。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>マリモ（<em>Aegagropila linnaei</em>）</strong>── 阿寒湖をはじめ、国内各地の湖沼に分布</li>



<li><strong>タテヤママリモ（<em>Aegagropilopsis moravica</em> に近縁）</strong>── 1987年、富山県立山町で発見</li>



<li><strong>モトスマリモ（<em>Aegagropilopsis clavuligera</em>）</strong>── 2022年に報告された日本新産種</li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">Tuji and Niiyama（2022）も、モトスマリモを「日本で確認された、球をつくるマリモ類の3種目」と位置づけています。同じ「マリモ」という呼び名の下に、実は複数の系統が同居しているわけです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さらに最近（2024年）、神奈川県川崎市の民家の水槽でも、モトスマリモに近いマリモ状の藻類が見つかりました。飼育者によると、多摩川の河川敷で拾った石を水槽に入れたところ、しばらくして石の表面から緑色の藻類が発生し、やがて丸いかたまりになっていったそうです。国立科学博物館の発表（<a href="https://www.kahaku.go.jp/research/db/botany/microalgae/microalgal_kids/news/news_6_marimo.html" target="_blank" rel="noopener" title="">ウェブ記事「ふたたび見つかったモトスマリモ」</a>）では、この藻類は国内2例目のモトスマリモとして報告されています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ただし、ここで大事なのは、「多摩川の自然環境の中で丸いマリモが群生していた」という意味ではないことです。現時点では、多摩川で拾われた石に付着していた可能性が高い、という段階であり、自然状態でどのように生育しているのかは今後の調査課題です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この話は、マリモ研究の面白さをよく示しています。私たちが「マリモ」と一言で呼んでいるものの中には、阿寒湖の特別天然記念物として知られるマリモだけでなく、見た目はよく似ていても別の系統に属するマリモ類が含まれています。しかも、それらは自然の湖底では目立たない糸状体として暮らしていて、水槽のような人工環境で初めて丸くなることもあるようです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、日本のマリモ分布を考えるときには、「どこにいるのか」だけでなく、「どの種なのか」「どの生活形なのか」「自然環境で丸くなっているのか、それとも水槽内で丸くなったのか」を丁寧に分けて見る必要があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そう考えると、阿寒湖の巨大な球状マリモがいかに特別な存在であるかが、さらによく分かります。日本にはさまざまなマリモ類がいる。しかし、阿寒湖のように、自然の湖底で大きな球状体が美しく群れをなして育つ場所は、やはり極めて例外的なのです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.21-図3-改-1024x572.png" alt="日本にもいろいろな「マリモ類」がいる" class="wp-image-10683" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.21-図3-改-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.21-図3-改-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.21-図3-改-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.21-図3-改-1536x857.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.21-図3-改-2048x1143.png 2048w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/連載-第2回中編①-07.21-図3-改-1920x1072.png 1920w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">日本のマリモ事情の概要図（※生成AIにより作成したイメージ図です。一部、文字化けのような箇所も見られますが、全体の意味は伝わるためそのまま掲載しています。詳しい内容は本文をご確認ください。また、登場するマリモたちのイラストはあくまでキャラクターとしてのイメージですので、実際のリアルな姿が気になった方は、ぜひウェブ検索などで調べてみてくださいね！）</figcaption></figure>



<p class="has-text-align-right wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンター特任研究員　河野　優</p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/22/10686/">【連載 第２回中編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―世界に散らばるマリモ、湖底に眠るマリモの記憶①</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【連載 第2回前編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―マリモってどんな生き物？（基本構造・生活形編）</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/07/14/10647/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 14 Jul 2026 12:12:38 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[研究者ブログ]]></category>
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<p class="wp-block-paragraph">いよいよ7月、暦の上ではすっかり夏ですね。関東はまだ梅雨明けしていないはずなのですが……ここ数日は「もう明けたのでは？」と思ってしまうほど、強い日差しと蒸し暑さが続いています。6月下旬から7月初旬には、思わず長袖を引っ張り出したくなるような涼しい日もありましたが、そこから一転、本格的な夏が一気にやって来たようです。外を歩いているだけでも汗がにじむ季節になってきましたので、熱中症にはくれぐれも気をつけたいところです。水分補給を忘れず、無理せず冷房も使いながら、暑さと上手に付き合っていきましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さて、そんな暑い日でもふらりと出かけたくなる、私のおすすめカフェ情報（第2弾）をお届けします（勝手にオススメしてるだけですm(_ _)m）。今回は、東京都文京区本郷三丁目にある喫茶店<a href="https://www.instagram.com/cafe_ties/" target="_blank" rel="noopener" title="">『TIES（タイズ）』</a>さんです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">東京大学の本郷キャンパスのすぐ近くにあるのですが、ここは本当に居心地が良い、知る人ぞ知る隠れ家的な名店です。店内は少し照明が落とされていて、クラシックで落ち着いた大人の空間が広がっています。この静かで上質な空気感がたまらなく、ついつい長居したくなってしまいます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そして、珈琲とケーキのクオリティは素晴らしいです。こだわり抜かれた一杯の珈琲はもちろん絶品なのですが、お店のショーケースに並ぶケーキたちが、華やかで美しいです。どれもメチャクチャ美味しくて、毎回どれにしようか選ぶのが本当に大変なほど。私のオススメはカシスケーキ。夕方には売り切れてしまうことも多いので、お目当てのケーキがある方は早めの時間を狙うのがおすすめです。一度訪れたら、間違いなくリピートしたくなります。東大の構内やその周辺を散策される際のお供として、これ以上ないほどぴったりな喫茶店です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ちなみに東大散策といえば、有名な「赤門」を思い浮かべる方も多いと思いますが、残念ながら赤門は現在工事中のため、今はその姿を見ることも、くぐることもできません。赤門そのものは覆われていますが、工事中の赤門周辺の雰囲気を見られるのは今だけです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">美味しい珈琲と華やかなケーキで心も体もすっかり満たされたところで、本日の本題であるマリモのお話へと進んでいきます！</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-1-1024x572.png" alt="" class="wp-image-10649" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-1-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-1-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-1-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-1.png 1376w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">喫茶店のカウンター席でカシスケーキと珈琲を楽しむマリモ（生成AIで作成したイメージ画像。実際のお店の雰囲気は画像とは異なる可能性がありますので、お店の内装などは<a href="https://www.instagram.com/cafe_ties/" target="_blank" rel="noopener" title="">HP</a>などを参照してください。）</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph"></p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-40"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;本編１：緑の「かたまり」は1個の生物じゃない？</strong> <strong>顕微鏡で見る「糸状体」の正体</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">水族館やお土産屋さん、あるいはキャラクターなどを通じて、誰もが一度は目にしたことがある、あの丸くて緑色のマリモ。多くの人は、あの球体を見て「これがマリモという1個の植物、あるいは1個の生き物なのだろう」と思うかもしれません。たとえば、リンゴやスイカのように、あの丸いかたまり全体がひとつの個体である、というイメージです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">しかし、生物学的に見ると、これは少し違います。私たちが「マリモ」と呼んでいるあの緑色の丸いかたまりは、実は1個の生物ではありません。細く短い「糸のような藻類（そうるい）」が無数に集まり、絡み合ってできた集合体なのです。この1本1本の糸のような体を、専門用語で「糸状体（しじょうたい）」と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">試しに、球状マリモの表面から糸状体を1本そっと取り出し、顕微鏡で観察してみましょう。すると、肉眼で見ていた丸い姿とはまったく違う、ミクロの世界が見えてきます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">糸状体は、長さがおよそ1〜4センチメートルほどの細い緑色の糸です。さらに詳しく見ると、竹の節のように、小さな「細胞」が縦にいくつも連なっていることが分かります。観察していると、1本の糸の途中から、樹木の枝のように新しい糸が分かれている、つまり「分岐」している様子も見られます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">つまり、私たちが「丸くてかわいい」と眺めているマリモは、たとえるなら、無数の緑色の細い毛糸が絡み合ってできた「天然の毛糸玉」のような存在なのです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで、こんな疑問が浮かぶかもしれません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">「それなら、絡み合っている毛糸玉をバラバラにほどいてしまったら、マリモは死んでしまうの？」</p>



<p class="wp-block-paragraph">実は、ここが藻類のタフで面白いところです。マリモを構成する糸状体は、1本1本が光合成を行い、細胞分裂によって成長する能力を持っています。そのため、仮に球状のかたまりが壊れてしまっても、糸状体そのものが生きていれば、それぞれがまた成長を続けることができます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">観賞用として流通しているマリモであれば、糸状体を1本そっと取り出して、その小さな「1本マリモ」を育ててみるのも面白いかもしれません。もちろん、阿寒湖に生育する天然のマリモは国の特別天然記念物ですので、採取したり傷つけたりすることはできません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">では、世界の各地に存在するこの「糸状の藻類」は、なぜ北海道の阿寒湖という場所で、あれほど見事な球状のマリモへと姿を変えることができるのでしょうか。その秘密を知るために、次はマリモたちの3つの「暮らし方」、専門的には「生活形（せいかつけい）」と呼ばれる姿に注目してみましょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph"></p>



<h2 class="wp-block-heading has-black-color has-text-color has-link-color wp-elements-41"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f7e2.png" alt="🟢" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;本編２：世界的には丸い方が珍しい？マリモの3つの暮らし方（生活形）</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">本編1では、マリモの正体が「細く短い糸状体が集まったもの」であることを紹介しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ここで多くの人が気になるのは、「では、その糸状体が集まれば、世界中どこでも丸いマリモになるの？」という点ではないでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">マリモを構成する糸状の藻類は、北半球の限られた地域に分布しています。日本のほか、ヨーロッパ中北部などにも生育地がありますが、多くの地域では珍しい藻類とされています。さらに、私たちがよく知るような丸い姿で暮らしている場所となると、世界的に見てもかなり限られます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">実は、マリモを構成する糸状体には、環境や場所に応じて主に3つの「暮らし方」があります。専門的には、こうした生育の姿を「生活形（せいかつけい）」と呼びます。丸い姿だけがマリモではありません。ここでは、マリモたちの多様な生活形を順番に見ていきましょう。</p>



<p class="has-text-color has-link-color has-medium-font-size wp-elements-42 wp-block-paragraph" style="color:#073ee3"><strong>①&nbsp;岩にくっついて暮らす「着生（ちゃくせい）型」</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">1つ目は、岩などの表面にくっついて暮らす「着生型」です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">これは、マリモの仲間に広く見られる生活形です。湖や川の底にある岩、あるいは木片などの表面に糸状体の根元を付着させ、緑色のじゅうたんのように広がって育ちます。一見すると、川底や湖底に生えている普通の藻（も）のように見えるため、これを知らない人が見ても、「あ、マリモだ！」とはまず気づかないかもしれません。しかし、丸くなくても、これも立派なマリモの姿のひとつです。</p>



<p class="has-text-color has-link-color has-medium-font-size wp-elements-43 wp-block-paragraph" style="color:#073ee3"><strong>②&nbsp;</strong><strong>水の中を漂って暮らす「浮遊（ふゆう）型」</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">2つ目は、水の中を漂いながら暮らす「浮遊型」です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">これは、岩などから剥がれた糸状体や、どこにも固定されていない糸状体が、水中をゆらゆらと漂いながら生きる生活形です。小さな糸くずや綿くずのような状態で、波や水の流れに身を任せながら光合成をして成長します。私たちが想像する丸いマリモとはかなり違う姿ですが、これもマリモの自然な暮らし方のひとつです。</p>



<p class="has-text-color has-link-color has-medium-font-size wp-elements-44 wp-block-paragraph" style="color:#073ee3"><strong>③&nbsp;</strong><strong>糸状体が集まって丸くなる「集合型」</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">そして3つ目が、私たちがよく知っている、丸いマリモの姿です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">専門的には「集合型」と呼ばれる生活形で、無数の糸状体が絡み合い、球状のかたまりをつくります。一般に「球状マリモ」と呼ばれるのは、この集合型のマリモです。ただし、この球状の姿は、マリモにとって当たり前の姿ではありません。むしろ、世界的に見るとかなり珍しい生活形です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">特に、直径30センチメートルを超えるような大型の球状マリモが群生する湖は、現在のところ、北海道の阿寒湖だけとされています。阿寒湖のマリモが特別天然記念物として大切に守られているのは、このような世界的にも貴重な特徴を持っているためです。</p>



<div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<div class="wp-block-group"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<div class="wp-block-group has-background" style="background-color:#a9e4d352"><div class="wp-block-group__inner-container is-layout-constrained wp-block-group-is-layout-constrained">
<p class="wp-block-paragraph"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4cc.png" alt="📌" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>ちょこっと余談：マリモの仲間？自然界の「集まる」ユニークな生き物たち</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">「糸状のものが集まって形を作る」というのは、実はマリモだけの特権ではありません。ここで、マリモと同じようにユニークな集合体を作る、自然界の面白い生き物たちを2つ、簡単にご紹介します。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>陸上のぷにぷに丸：イシクラゲ（学名：<em>Nostoc commune</em></strong><strong>）</strong></li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">雨上がりの地面や芝生で、緑色っぽい「わかめ」や「きくらげ」のような、ぷにぷにした塊を見かけたことはありませんか？&nbsp;実はあれ、<strong>イシクラゲ</strong>というシアノバクテリア（藍藻類）の集合体なんです。彼らも1細胞は目に見えないほど極小ですが、無数に集まって多糖類のネバネバした物質で身を包むことで、あのような不思議な塊を形成します。乾燥や寒さにめちゃくちゃ強く、宇宙環境に耐えるタフさを持つことでも知られる、マリモの「陸の先輩」のような存在です。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li><strong>極寒の湖底に立つ：南極の“</strong><strong>コケ坊主”</strong><strong>（モス・ピラー）</strong></li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">もう一つ、マリモに負けないインパクトを持つのが、南極の昭和基地周辺にある湖の底で見つかった「コケ坊主」です。これは藻類ではなく水生のコケ植物（ナガハシゴケなど）なのですが、シアノバクテリアなどのマットから、まるでタケノコのようにニョキニョキと柱状の群落を形成して立ち上がります。大きなものになると、<strong>直径</strong><strong>30</strong><strong>センチメートル、高さ60</strong><strong>センチメートル</strong>にも達する見事な柱になります。厳しい極限環境のなかで、生き物たちが寄り添い合って巨大なカタチを作る姿は、どこか阿寒湖のマリモとも重なるところがありますね。</p>
</div></div>
</div></div>
</div></div>



<p class="wp-block-paragraph">   </p>



<p class="wp-block-paragraph"></p>



<h2 class="wp-block-heading"><strong><img src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/72x72/1f4a1.png" alt="💡" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />&nbsp;</strong><strong>おわりに</strong></h2>



<p class="wp-block-paragraph">「岩にくっつくマリモ」や「水中を漂うマリモ」が一般的であるなかで、阿寒湖のマリモは、無数の糸状体が集まった大きな球状体として知られています。丸いマリモは、私たちにとってなじみ深い姿ですが、世界的に見ると決して当たり前の姿ではありません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">では、マリモは世界のどこに生育しているのでしょうか。そして、阿寒湖のマリモは、これまでどのような環境の変化を経験してきたのでしょうか。</p>



<p class="wp-block-paragraph">続く「中編」では、マリモの世界分布、近年の学名変更をめぐる話題、そして湖底に残された環境DNAから阿寒湖のマリモの歴史をたどる最新研究（Urabe et al. 2025）を紹介します。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さらに「後編」では、マリモの生殖、球状体を育む阿寒湖の風と波、そして巨大な球状マリモの内部構造へと話を進めていきます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ということで、マリモの基本構造と3つの生活形が分かったところで、第2回の「前編」はここまでです！読んでいただきありがとうございます。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="572" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-2-1024x572.png" alt="" class="wp-image-10651" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-2-1024x572.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-2-300x167.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-2-768x429.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-2a-2.png 1376w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption"><em>湖底で楽しく佇むマリモ、イシクラゲ、コケ坊主（生成AIで作成したイメージ画像）</em></figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph"></p>



<p class="has-text-align-right wp-block-paragraph">アストロバイオロジーセンター特任研究員　河野　優</p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/14/10647/">【連載 第2回前編】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―マリモってどんな生き物？（基本構造・生活形編）</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>【連載 第1回：プロローグ】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―気候変動が迫る特別天然記念物の「いま」を解説</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/07/09/10588/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[KamegaiKazuhisa]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 09 Jul 2026 14:20:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[研究者ブログ]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>前回のブログ（3/17）では、岡崎で開催された「宇宙における生命ワークショップ」の参加報告をお届けしました。あれから早いもので少し季節が流れ... </p>
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<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/07/09/10588/">【連載 第1回：プロローグ】氷の下で眠るマリモの危機と復活　―気候変動が迫る特別天然記念物の「いま」を解説</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
			<style id="elementor-post-10588">.elementor-10588 .elementor-element.elementor-element-6970770e{--display:flex;}.elementor-widget-text-editor{font-family:var( --e-global-typography-text-font-family ), Sans-serif;font-weight:var( --e-global-typography-text-font-weight );color:var( --e-global-color-text );}.elementor-widget-text-editor.elementor-drop-cap-view-stacked .elementor-drop-cap{background-color:var( --e-global-color-primary );}.elementor-widget-text-editor.elementor-drop-cap-view-framed .elementor-drop-cap, .elementor-widget-text-editor.elementor-drop-cap-view-default .elementor-drop-cap{color:var( --e-global-color-primary );border-color:var( --e-global-color-primary );}</style>							<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>		<div data-elementor-type="wp-post" data-elementor-id="10588" class="elementor elementor-10588" data-elementor-post-type="post">
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									<p style="font-weight: 400;">前回のブログ（3/17）では、岡崎で開催された「宇宙における生命ワークショップ」の参加報告をお届けしました。あれから早いもので少し季節が流れました（更新しなさすぎでした…）。</p><p style="font-weight: 400;">冒頭のつかみとして毎回の恒例になりそうな予感ですが、今回もおススメのカフェ情報を共有したいと思います（強制）。舞台は東京ではなく千年の歴史が息づく古都・京都です。伝統的な街並みが残る一方で、一歩路地に入ると洗練されたモダンなカルチャーや、職人魂の光るハイレベルな珈琲店がひっそりと佇んでいます。皆さんは京都に行かれた際、お気に入りのお店はありますか？私は京都に出張や遊びで行く際、かなりの高確率で向かう特別な場所があります。それが、烏丸大路から少し路地に入ったところにある「<a href="https://okaffe.kyoto" target="_blank" rel="noopener">Okaffe Kyoto</a>」というお店です。</p><p style="font-weight: 400;">ここのモーニングセットの「玉子サンド」がとにかく絶品で、これを目当てに何度も通っています。厚さ約4〜5cmはあるふわふわでボリューム満点な卵焼きを、「パンケーキ」でサンドしてあります。甘みと塩気のバランスが絶妙で、ドリンクにスムージー、ヨーグルトまで付いてくる大満足のセット。もちろん看板商品のコーヒーも深みがあって最高に美味しいです。</p><p style="font-weight: 400;"><span style="font-weight: 400;">お店のもう一つの名物が「バリスタ界のエンターテイナー」と呼ばれるダンディな店長さんです。京都に立ち寄られた際は、このお店のモーニングからスタートさせてみてはいかがでしょうか。そして美味しい珈琲とともに、ぜひ店長さんとの楽しい交流も体験してみてください。</span></p><figure id="attachment_10603" aria-describedby="caption-attachment-10603" style="width: 600px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-10603" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-1-300x168.png" alt="カフェにマリモ" width="600" height="336" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-1-300x168.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-1-768x430.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-1.png 797w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /><figcaption id="caption-attachment-10603" class="wp-caption-text">カフェとマリモ（生成AIで作成したイメージ画像。実際のお店の雰囲気は画像とは異なる可能性がありますので、お店の内装などは<a href="https://okaffe.kyoto" target="_blank" rel="noopener">HP</a>などを参照してください。）</figcaption></figure><p><img class="aligncenter" /></p><p style="font-weight: 400;">さて、美味しいコーヒーで頭をシャキッとさせたところで、本題へ戻ります。前回の記事の最後で「マリモ」について少し触れましたが、今回は私たちが進めてきた冬の「阿寒湖のマリモ」に関する研究成果（論文2報）について、解説する連載をスタートします。ちょうど5月28日の朝日新聞全国版夕刊「エコ＆サイエンス欄」にマリモの記事が掲載されました。同新聞専任記者・釧路支局長の<a href="https://x.com/yamamoto92" target="_blank" rel="noopener">山本智之さん</a>に取材していただきました。記事を貼り付けることはできませんが、今回解説する論文に関するタイムリーな内容になっています。(オンライン記事はこちらをご覧ください。→<a href="https://www.asahi.com/articles/ASV5V22ZKV5VIIPE003M.html" target="_blank" rel="noopener">「特別天然記念物『阿寒湖のマリモ』、すでに温暖化影響の可能性も」(朝日新聞サイト)</a>)</p><p style="font-weight: 400;">ブログ記事ではなるべく平易に解説しつつ、専門用語についても丁寧な説明を心掛けます。余談や裏話なども盛り込む予定です。</p><p style="font-weight: 400;">今回は、1回でギュッと要約を詰め込むのではなく、全7パートに分けて丁寧に紐解いていきます。時には「そもそも光合成ってどういう仕組みだっけ？」という基礎知識や、「極寒の阿寒湖でのフィールドワーク」の裏話、さらには「アストロバイオロジー（系外惑星の生命探査）とマリモがどう繋がるの？」という壮大な宇宙のロマンまで、盛り込んでいく予定です。週に1－2回のペースでの更新を目指しますので、是非とも定期的にこのブログを覗いていただけますと幸いです。</p><p style="font-weight: 400;">まずは、これから数週間にわたってお届けする内容を簡単にご紹介します（目次）。</p><p style="font-weight: 400;"><img decoding="async" class="emoji" role="img" draggable="false" src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/svg/1f5fa.svg" alt="&#x1f5fa;" /> 本連載のロードマップ（全7パート構成案 (仮)）</p><ul style="font-weight: 400;"><li><strong>第1回：プロローグ＆目次</strong> <img decoding="async" class="emoji" role="img" draggable="false" src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/svg/1f448.svg" alt="&#x1f448;" />（今ココ！）</li></ul><ul style="font-weight: 400;"><li><strong>第2回：マリモってどんな生き物？（基本情報編）</strong><ul><li>丸いだけじゃない？糸状体と球状集合体の不思議、そして最新の学名変更の裏話など。</li></ul></li></ul><ul style="font-weight: 400;"><li><strong>第3回：太陽の光は毒にも薬にもなる？（光合成・光阻害編）</strong><ul><li>植物のエネルギー源である「光」が、実は牙を剥く？「光阻害」のメカニズムを優しく解説。</li></ul></li></ul><ul style="font-weight: 400;"><li><strong>第4回：光合成をどうやって測る？植物の「元気度」（測定手法編）</strong><ul><li>論文の主役となる測定法「PAMクロロフィル蛍光測定」って何？色や光でマリモの健康状態を見抜く技。</li></ul></li></ul><ul style="font-weight: 400;"><li><strong>第5回：実験室で再現された恐怖の「低温＋強光」（2023年論文編）</strong><ul><li>温暖化で湖の氷が消えたらどうなる？マリモが持つ未知のサバイバル能力と、その限界。</li></ul></li></ul><ul style="font-weight: 400;"><li><strong>第6回：いざ極寒の阿寒湖へ！四季を追いかけた調査（2025年論文編）</strong><ul><li>キツイのは凍る前？溶けた直後？「マリモの表面」を襲うダメージ。</li></ul></li></ul><ul style="font-weight: 400;"><li><strong>第7回：エピローグ：マリモのタフさと、アストロバイオロジーの未来</strong><ul><li>ゴロゴロ回転して復活する驚異の生命力。そして、この研究が宇宙の生命探査にどう繋がるのか？</li></ul></li></ul><p style="font-weight: 400;">※内容の充実度によっては各パートが「前編・中編・後編」に分かれるなど、最終的に全9〜12回程度のボリュームになる可能性があります。</p><p style="font-weight: 400;"><strong><img decoding="async" class="emoji" role="img" draggable="false" src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/svg/1f7e2.svg" alt="&#x1f7e2;" /> なぜ今、マリモの論文を解説するのか？</strong></p><p style="font-weight: 400;">日本の特別天然記念物であり、誰もがその愛らしい丸い姿を知っている「マリモ」。 しかし今、地球温暖化による気候変動の波が、北海道・阿寒湖の冬の環境を劇的に変えようとしています。</p><p style="font-weight: 400;">実は、冬の間に阿寒湖を覆う「分厚い氷と雪」は、マリモたちを厳しい寒さと強い太陽光から守る天然のシェルター（盾）の役割を果たしています。もし温暖化でこの氷が張らなくなったら、あるいは春が早く来すぎて氷がすぐに解けてしまったら、マリモたちはどうなってしまうのでしょうか？</p><p style="font-weight: 400;">私たちは実験室での検証、そして実際に凍りついた冬の阿寒湖でのフィールド調査を経て、マリモの驚くべき「能力」と、直面している「静かな危機」を明らかにしました。</p><p style="font-weight: 400;">この連載を読み終える頃には、お土産屋さんで見かけるあの可愛いマリモが、過酷な地球環境（そして宇宙環境！？）を生き抜く「頼もしい極限環境生物」に見えてくるかもしれません。</p><p style="font-weight: 400;"><strong><img decoding="async" class="emoji" role="img" draggable="false" src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/svg/1f4a1.svg" alt="&#x1f4a1;" /> おわりに：関連イベントのお知らせと季節の便り</strong></p><p style="font-weight: 400;">最後に、これから秋に向けて予定されている「宇宙」と「植物」にまつわる2つの注目イベントの紹介やお知らせになります。ブログとあわせて、ぜひチェックしてみてください。</p><p style="font-weight: 400;"><strong><img decoding="async" class="emoji" role="img" draggable="false" src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/svg/1f30c.svg" alt="&#x1f30c;" /> 三鷹・星と宇宙の日2026</strong></p><ul style="font-weight: 400;"><li>【時期】10月24日(土)（詳細は<a href="https://www.nao.ac.jp/news/events/2026/20260709-openday.html" target="_blank" rel="noopener">こちら</a>）</li><li>アストロバイオロジーセンターや国立天文台など、「三鷹キャンパス」において共に活動する研究機関や大学等が共同で開催する、年に一度の特別公開イベントです。研究の最前線に触れられる特別な機会です。</li></ul><p style="font-weight: 400;"><strong><img decoding="async" class="emoji" role="img" draggable="false" src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/svg/1f331.svg" alt="&#x1f331;" /> 日本植物学会第90回大会（野田）</strong></p><ul style="font-weight: 400;"><li>植物科学の熱い議論が交わされる大会です。ご興味のある方は、ぜひ<a href="https://bsj.or.jp/" target="_blank" rel="noopener">日本植物学会の公式サイト</a>を覗いてみてください。</li></ul><p style="font-weight: 400;"><img decoding="async" class="emoji" role="img" draggable="false" src="https://s.w.org/images/core/emoji/17.0.2/svg/1f636-200d-1f32b-fe0f.svg" alt="&#x1f636;&#x200d;&#x1f32b;" /> <strong>無料ウェビナー「太陽系の外の世界に生命を探す」アーカイブ配信</strong></p><ul style="font-weight: 400;"><li>【講師】森 万由子 日本学術振興会特別研究員（アストロバイオロジーセンター）</li><li>国立天文台 国際普及室（IAU OAO）YouTubeチャンネルにて配信中（<a href="https://www.youtube.com/live/ws0x25OJN1Y" target="_blank" rel="noopener">https://www.youtube.com/live/ws0x25OJN1Y</a>）。地球外生命を巡る最先端の研究についてご紹介しています。難しい内容を非常に分かりやすい語り口で説明してくれてるので、ぜひ視聴してみてください。</li></ul><p style="font-weight: 400;">さて、気づけば暦も進み、すっかり梅雨真っただ中です。雨が続くとちょっぴり憂鬱になりがちですが、今年は例年に比べてとても涼しく、過ごしやすい日が続きました。</p><p style="font-weight: 400;">梅雨の時期だからこそ美しく映えるのが紫陽花（あじさい）です。もう今年の見頃は過ぎましたが、アジサイの名所といえば鎌倉の<strong>長谷寺</strong>が有名ですね。みなさんは、見に行かれましたでしょうか。境内の山の斜面に設置された散策路「あじさい路（ろ）」には、40種類以上、約2500株もの色鮮やかな紫陽花が咲き誇ります。梅雨のしっとりとした空気の中に広がる青や紫のグラデーションは、まさに絶好の「映えスポット」。涼しい雨の日のお出かけに、ぜひいつか訪れていただきたいおススメの名所です 。</p><p style="font-weight: 400;">7月上旬になって、夏本来の暑い日が戻ってきました。熱中症等に気をつけて、十分に暑さ対策をしてお過ごしください。</p><p style="font-weight: 400;">次回は「第2回：マリモってどんな生き物？（基本情報編）」をお届けします（多分、前中後編の3部構成になりそう）。球状のマリモの、文字通り「おもて」と「うら」に隠された秘密に迫ります。どうぞお楽しみに！</p><p style="text-align: right;">アストロバイオロジーセンター特任研究員　河野　優</p><figure id="attachment_10604" aria-describedby="caption-attachment-10604" style="width: 600px" class="wp-caption aligncenter"><img loading="lazy" decoding="async" class="wp-image-10604" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-2-300x168.png" alt="紫陽花とマリモ（生成AIで作成したイメージ画像）" width="600" height="336" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-2-300x168.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-2-1024x574.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-2-768x430.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/07/marimo-1-2.png 1051w" sizes="(max-width: 600px) 100vw, 600px" /><figcaption id="caption-attachment-10604" class="wp-caption-text">紫陽花とマリモ（生成AIで作成したイメージ画像）</figcaption></figure><p><img class="aligncenter" /></p>								</div>
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