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プロジェクト:太陽が生まれた環境には生命に欠かせないリン元素が豊富だった

2025年度のアストロバイオロジーセンターのプロジェクト研究(AB0717)[注1]による成果が東京大学から発表されました!

 

現在の太陽近傍で最近生まれた星と比べると、太陽のリン含有量が約25%高いことがわかりました。これは多くの生命をはぐくむための材料となるリン元素のボーナスといえます。(画像クレジット:松永典之)
現在の太陽近傍で最近生まれた星と比べると、太陽のリン含有量が約25%高いことがわかりました。これは多くの生命をはぐくむための材料となるリン元素のボーナスといえます。(画像クレジット:松永典之)

【研究概要】

東京大学大学院理学系研究科の松永典之助教らの研究グループは、太陽に似た星(太陽類似星)の観測から、銀河の中でリンの含有量の増え方が銀河内の時期と場所によって異なることを明らかにしました。生命に必須の元素であるリンは、可視光観測では含有量の測定が困難でしたが、本研究では、近赤外線に現れる5本のリン吸収線を用いることで、高精度のリン含有量測定を実現しました。その結果、太陽類似星の年齢とリン含有量との間に明瞭な相関があることを世界で初めて示しました。太陽類似星の年齢は、単に「いつ生まれたか」を示すだけでなく、「銀河のどこで生まれたか」を反映する手がかりだと考えられています。最近の研究では、太陽が現在の位置よりも銀河の内側寄りで生まれ、長い時間をかけて今の場所まで移動してきたシナリオが示されています。今回の観測結果から、銀河の内側で早い時期に生まれた太陽は、現在の太陽近傍で生まれる太陽類似星と比べて、リンを多く含む環境で誕生したと考えられます。これは、太陽系が銀河の内側で生まれた結果として、生命をはぐくむための材料となるリン元素のボーナスを受け取っていたことを示す成果です。

本研究成果は、2026年5月20日にThe Astrophysical Journal Supplement Series誌に掲載されました。詳細は、以下の東京大学のリリースをご参照ください。

【リリース情報】

タイトル:太陽の「生まれ」が与えたリン元素のボーナス ー太陽に似た星の観測から銀河におけるリン含有量の変化を解明ー(東京大学)

URL:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/11140/

 

【論文情報】

掲載誌:The Astrophysical Journal Supplement Series

タイトル:High-precision Near-infrared Abundances of Solar Analogs in the YJ Bands

著者:Noriyuki Matsunaga, Takuji Tsujimoto, Daisuke Taniguchi, Hiroaki Sameshima, Shogo Otsubo, Tomomi Takeuchi, Yuki Sarugaku, Ilaria Petralia, Scarlet Elgueta, Matilde Coello-Guzman, Kei Fukue, Yuji Ikeda, Hideyo Kawakita, Valentina D’Orazi, Giuseppe Bono

DOI:10.3847/1538-4365/ae5a9d

[注1] アストロバイオロジーセンターでは、アストロバイオロジー研究の裾野を広げ、研究者コミュニティの形成を目的とし、「プロジェクト研究」として研究テーマを広く募集し、採択された研究を支援しています。プロジェクト研究の詳細は、以下サイトをご参照ください。

プロジェクト研究https://www.abc-nins.jp/application/

研究ハイライト