<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?><rss version="2.0"
	xmlns:content="http://purl.org/rss/1.0/modules/content/"
	xmlns:wfw="http://wellformedweb.org/CommentAPI/"
	xmlns:dc="http://purl.org/dc/elements/1.1/"
	xmlns:atom="http://www.w3.org/2005/Atom"
	xmlns:sy="http://purl.org/rss/1.0/modules/syndication/"
	xmlns:slash="http://purl.org/rss/1.0/modules/slash/"
	>

<channel>
	<title>2025 - 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</title>
	<atom:link href="https://www.abc-nins.jp/press_year/2025/feed/" rel="self" type="application/rss+xml" />
	<link>https://www.abc-nins.jp</link>
	<description>Astrobiology Center</description>
	<lastBuildDate>Fri, 16 Jan 2026 04:42:06 +0000</lastBuildDate>
	<language>ja</language>
	<sy:updatePeriod>
	hourly	</sy:updatePeriod>
	<sy:updateFrequency>
	1	</sy:updateFrequency>
	

<image>
	<url>https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2022/12/cropped-ABC_logo_color_01_400x400-32x32.png</url>
	<title>2025 - 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</title>
	<link>https://www.abc-nins.jp</link>
	<width>32</width>
	<height>32</height>
</image> 
	<item>
		<title>生まれたての惑星たちはふわふわ</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2026/01/08/10177/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 07 Jan 2026 16:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[exoplanet]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=10177</guid>

					<description><![CDATA[<p>――4つの若いトランジット惑星の正確な質量を決定―― 発表のポイント 概要 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター（国立天文台併任）の... </p>
<div class="post-button">
			   <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/01/08/10177/">Read More</a>
			</div>
<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/01/08/10177/">生まれたての惑星たちはふわふわ</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<h2 class="wp-block-heading">――4つの若いトランジット惑星の正確な質量を決定――</h2>



<figure class="wp-block-image size-large"><img fetchpriority="high" decoding="async" width="1024" height="724" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/xe12.26_確定-1024x724.png" alt="" class="wp-image-10178" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/xe12.26_確定-1024x724.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/xe12.26_確定-300x212.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/xe12.26_確定-768x543.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/xe12.26_確定.png 1500w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">公転する4つの系外惑星の想像図。ふわふわの大気が主星からの放射を受け、宇宙空間に流出しているかもしれない。（クレジット：アストロバイオロジーセンター）</figcaption></figure>



<h2 class="wp-block-heading">発表のポイント</h2>



<ul class="wp-block-list">
<li>年齢約2,000万年の若い恒星「おうし座V1298星」を公転する4つの惑星の質量を正確に決定した。</li>



<li>4つの惑星はその大きさに対して質量がとても小さく、非常に低密度であることがわかった。</li>



<li>若い惑星の大気や半径の進化の理論を観測によって裏付ける成果で、銀河系で最も一般的と言われる小型の惑星が生まれたての時はどのような姿であったかを明らかにした。</li>
</ul>



<h2 class="wp-block-heading">概要</h2>



<p class="wp-block-paragraph">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター（国立天文台併任）のジョン・リビングストン特任助教、森万由子特任研究員、東京大学大学院総合文化研究科の成田憲保教授、福井暁彦講師、ジェローム・デレオン特任助教らのMuSCATチーム（注1）を含む国際共同研究グループは、おうし座分子雲の中にある年齢約2,000万年の若い恒星「おうし座V1298星（V1298 Tau）」を公転する4つの惑星のトランジット（注2）を長期的に観測し、4つの惑星の半径が地球の5〜10倍程度であるのに対して、質量は地球の5〜15倍程度しかなく、非常に低密度であることを明らかにしました。この発見は、生まれたての若い惑星は大きく膨らんでいて、時間とともに大気を失いながら収縮し、小型の惑星へと進化していくという理論を初めて観測的に裏付ける成果です。<br>　本研究成果は、2026年1月7日（英国時間）に英国科学誌Natureのオンライン版に掲載されます（2026年1月8日号のNature本誌に掲載されます）。</p>



<h2 class="wp-block-heading">発表内容</h2>



<p class="wp-block-paragraph">2025年末までに、6,000個を超える系外惑星（太陽以外の恒星を公転する惑星）が発見されています。これまでに発見された系外惑星の中で最も多いのは、地球よりやや大きいスーパーアース（地球の1〜2倍の大きさ）や海王星よりやや小さいサブネプチューン（地球の2〜4倍の大きさ）と呼ばれる小型の惑星たちです。こうした小型惑星は銀河系で最もありふれた「一般的な」惑星であると言えますが、それらが生まれたばかりの頃はどのような姿であったかはこれまでわかっていませんでした。</p>



<p class="wp-block-paragraph">研究チームは、おうし座分子雲の中にある若い恒星「おうし座V1298星（V1298 Tau）」を公転する4つの惑星に着目しました。おうし座V1298星は質量が太陽とほぼ同じくらいですが、年齢は約2,000万年であり、生まれたての太陽のような恒星と言えます。おうし座V1298星には、2015年に行われたケプラー宇宙望遠鏡の観測データから4つのトランジット惑星が発見されていました。これまでこの4つの惑星の質量を測定しようという試みが視線速度法（注3）という方法によってなされてきましたが、若い恒星は表面の活発な磁場の活動によって惑星とは無関係の（しかも惑星由来よりも圧倒的に大きな）視線速度のシグナルが生じてしまうため、これまでに報告されてきた惑星の質量は全く正確ではないということが指摘されていました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">本研究で、研究チームは視線速度法に代わる惑星の質量の決定方法として、トランジットタイミング変動（Transit Timing Variation：TTV）法を採用しました。複数の惑星が公転する惑星系では、惑星同士が近づいた際にお互いの引力が影響を及ぼし合うため、トランジットのタイミングが一定の間隔からずれます。このタイミングのずれを調べることで、引力を及ぼしている惑星の質量を推定することができます。視線速度は恒星表面の活動の影響を大きく受けてしまいますが、トランジットのタイミングはその影響をほとんど受けないため、若い恒星を公転する惑星の質量を正確に決定することができます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">研究チームは、2015年にケプラー衛星で取得されていたトランジットのデータに加えて、2019年から2024年にかけて宇宙望遠鏡と地上望遠鏡による長期的なトランジットの追観測を遂行しました。地上望遠鏡では4つの惑星に対して計44回のトランジットの追観測が行われましたが、そのうち26回のトランジットはMuSCATチームによって観測されたもので、MuSCATチームが観測に主要な貢献を行いました。MuSCATチームのメンバーであるアストロバイオロジーセンター（国立天文台併任）のジョン・リビングストン特任助教（本研究の筆頭責任著者）および東京大学先進科学研究機構のジェローム・デレオン特任助教らは、追観測で得られたトランジットのデータをもとにトランジットタイミング変動（図1）を詳細に解析しました。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-large"><img decoding="async" width="1024" height="609" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/V1298_TTV-1024x609.png" alt="" class="wp-image-10179" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/V1298_TTV-1024x609.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/V1298_TTV-300x178.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/V1298_TTV-768x457.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2026/01/V1298_TTV.png 1093w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１：おうし座V1298星系のトランジットタイミング変動（掲載論文の図1を改変して引用）。おうし座V1298星系の4つの惑星（惑星b,c,d,e）のトランジットタイミング変動（一定周期からのずれ）。横軸は2009年1月1日を基準とした日数（単位は日）。縦軸はトランジットタイミング変動（単位は分）。青丸は観測されたトランジットタイミングのデータ。灰色の線は惑星の質量などの誤差を考慮して想定される（N体シミュレーションという手法による）トランジットタイミング変動の理論的なモデル。</figcaption></figure>
</div>


<p class="wp-block-paragraph">その結果、4つの惑星は地球と比べて半径が5〜10倍程度と巨大惑星のように見えるのに、質量はスーパーアースやサブネプチューンに相当する5〜15倍程度しかなく、非常に低密度のふわふわの惑星であることがわかりました。つまり、生まれたての巨大惑星のように見えていたのは、実際には大質量の巨大惑星ではなく、将来スーパーアースやサブネプチューンになる比較的小さな質量の惑星たちだったのです。つまり、銀河系で最も一般的な惑星である小型の惑星が、生まれたての時にはふわふわの惑星だったことが明らかになりました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">若い惑星は大きく膨らんでいて非常に低密度であるという理論的な仮説はありましたが、実際に生まれたての惑星の質量と半径を正確に測定して観測的に仮説が裏付けられたのはこれが初めてです。今回の観測成果は、生まれたばかりの小型の惑星はどのような姿であったかを明らかにしたという点で大きな意義があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この4つの惑星は現在内部の温度が下がるとともに大気の一部が宇宙空間に流出し、質量を失って、半径が収縮している最中にあると考えられます。これは若い惑星の質量や半径、大気に大きな変化が起きる「進化」の様子を見ていることに相当します。この4つの惑星に対しては、2021年に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡での惑星大気の観測が進行中であり、大気の組成・性質やどのくらい流出しているのかといった知見が近い将来に得られると期待されています。今後のさらなる追観測は、惑星の進化の理論を観測によって検証し、より洗練させていく重要な研究となるでしょう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">さらに、太陽系を含む多様な惑星系たちがどのように形成するのかを明らかにしていくためには、おうし座V1298星系だけではなく、今後も新たな若いトランジット惑星を発見し、その惑星たちの性質を追観測によって調べ、惑星の進化の様子を解明していくことが不可欠です。そうした観測を進めるため、現在MuSCATチームは新たな若いトランジット惑星の発見やトランジットタイミング変動の長期的な観測を行うことを目的として、チリと南アフリカにある望遠鏡用に新しい観測装置の開発を進めています（科研費・基盤研究(S)・課題番号24H00017）。今後の若いトランジット惑星の研究により、惑星の進化がどのように進んでいくのか、そしてどのようにして多様な惑星系ができていくのかが明らかになると期待されます。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">論文情報</h3>



<pre class="wp-block-preformatted"><strong>雑誌名：</strong>Nature<br><strong>題　名：</strong><a href="https://www.nature.com/articles/s41586-025-09840-z" title="">A young progenitor for the most common planetary systems in the Galaxy</a><br><strong>著者名：</strong>John H. Livingston*, et al.<br><strong>DOI:</strong>10.1038/s41586-025-09840-z<br><strong>論文URL</strong>:<a href="https://www.nature.com/articles/s41586-025-09840-z" title="https://www.nature.com/articles/s41586-025-09840-z">https://www.nature.com/articles/s41586-025-09840-z</a></pre>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">研究助成</h3>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業（科研費：課題番号24H00017, 24H00248, 24K00689, 24K17082, 24K17083, 25KJ0091, 25K17450）および日本学術振興会二国間交流事業（課題番号JPJSBP120249910）等の支援により実施されました。本研究に用いられたMuSCAT2とMuSCAT3は、アストロバイオロジーセンターで開発・運用されている観測装置です。MuSCAT3は日本学術振興会科学研究費助成事業（科研費：課題番号18H05439）と科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業（さきがけ：課題番号&nbsp;JPMJPR1775）の支援のもとで開発されました。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">用語解説</h3>



<p class="wp-block-paragraph">（注1）MuSCATチーム：<br>成田教授と福井講師らが岡山県の188 cm望遠鏡、スペイン・テネリフェ島の1.52 m望遠鏡、アメリカ合衆国・マウイ島の2 m望遠鏡、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州の2 m望遠鏡用に開発した、3つもしくは4つの波長帯で同時にトランジットを観測できる多色同時撮像カメラMuSCATシリーズ（装置名称はそれぞれMuSCAT、MuSCAT2、MuSCAT3、MuSCAT4）を用いて研究を行っているチーム。MuSCATはMulticolor Simultaneous Camera for studying Atmospheres of Transiting exoplanetsの略で、岡山県の名産マスカットにちなんでいます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（注2）トランジット：<br>系外惑星がその主星の手前を通過すると、主星の明るさが見かけ上わずかに暗くなります。この現象をトランジットと呼び、トランジットを起こすような軌道を持つ惑星をトランジット惑星と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">（注3）視線速度法：<br>系外惑星を発見し、質量を決定する代表的な手法で、ドップラー法とも呼ばれます。系外惑星が公転していると、主星もその惑星との共通重心のまわりを周期的に運動するため、観測者から見ると近づいたり遠ざかったりしています。すると主星が放つ光の吸収線の中心波長がドップラー効果によって周期的にわずかに変わるため、その波長の変化から惑星の存在と質量を知ることができます。しかし、吸収線の中心波長は主星の表面にある黒点（主星と一緒に自転して移動したり、時間の経過とともに生成・消滅する）によっても変化します。若い恒星では黒点の活動が非常に活発なため、惑星由来ではなく黒点由来の視線速度の変化が卓越してしまいます。そのため、特に若い恒星の惑星の質量を視線速度法で決定するのは困難となります。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">関連リンク</h3>



<ul class="wp-block-list">
<li>国立天文台　<a href="https://www.nao.ac.jp/news/science/2026/20260108-abc.html" title="">プレスリリース</a></li>



<li>東京大学　<a href="https://www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/20260108010000.html" title="">プレスリリース</a></li>
</ul>



<ul class="wp-block-list">
<li>2023/11/23 ABCプレスリリース　<a href="https://www.abc-nins.jp/共鳴し合う6つ子の惑星を発見/" title="">共鳴し合う６つ子の惑星を発見</a></li>



<li>2023/5/18 ABCプレスリリース　<a href="https://www.abc-nins.jp/火山活動の可能性がある地球サイズの惑星を発見/" title="">火山活動の可能性がある地球サイズの惑星を発見</a></li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2026/01/08/10177/">生まれたての惑星たちはふわふわ</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>地上望遠鏡と宇宙望遠鏡の共演で発見された、赤色矮星を周回する褐色矮星</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2025/10/21/9949/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 20 Oct 2025 22:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[exoplanet]]></category>
		<category><![CDATA[直接撮像]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=9949</guid>

					<description><![CDATA[<p>発表のポイント 研究内容 私たちの銀河で最も多い恒星は、太陽より小さく冷たい「M型星（赤色矮星）」です。銀河系の恒星の過半数を占めるとされる... </p>
<div class="post-button">
			   <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/10/21/9949/">Read More</a>
			</div>
<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/10/21/9949/">地上望遠鏡と宇宙望遠鏡の共演で発見された、赤色矮星を周回する褐色矮星</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div><div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full"><img decoding="async" width="458" height="437" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/202510_J1446B_ADI.png" alt="" class="wp-image-9950" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/202510_J1446B_ADI.png 458w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/202510_J1446B_ADI-300x286.png 300w" sizes="(max-width: 458px) 100vw, 458px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１：直接撮像で発見された伴星型の褐色矮星J1446B (矢印先の点)の赤外線画像。中心の赤色矮星(J1446)は画像解析で白色にマスクされています。10 au (おおよそ土星と太陽の距離)に相当する角距離を画像下に表示しています。褐色矮星は、中心星である赤色矮星から4.3auしか離れていませんが、マスクのすぐ近くで明瞭に検出されました。(image credit: 鵜山太智 (アストロバイオロジーセンター/CSUN) / W. M. Keck Observatory)</figcaption></figure>
</div>


<h2 class="wp-block-heading">発表のポイント</h2>



<ul class="wp-block-list">
<li>地上望遠鏡による<strong>直接撮像観測および視線速度観測</strong>と宇宙望遠鏡による<strong>固有運動情報</strong>を組み合わせ、近傍（地球から約55光年）の赤色矮星を周回する伴星を新たに検出し、その質量（木星の約60倍）と軌道長半径（約4.3天文単位）を精密に決定しました。</li>



<li>本成果は、<strong>すばる望遠鏡における赤外線分光装置 IRD を用いた戦略枠プログラム（IRD-SSP）</strong>によるドップラー法観測、ケック望遠鏡の高コントラスト撮像観測、ガイア宇宙望遠鏡の位置天文データを組み合わせる事によって実現しました。</li>



<li>新たに検出された伴星は晩期T型の褐色矮星と推測され、近赤外線で約30%の光度変動を示すことを確認しました。大気における雲や循環の研究対象となる「ベンチマーク天体」として、将来有望な観測対象です。</li>



<li>ヒッパルコス衛星とガイア衛星の位置天文データを利用した星の加速度情報と系外惑星の直接撮像を組み合わせて新規天体を検出、さらに質量を精密に制限する手法はこれまでに確立されていました。本研究は<strong>ヒッパルコス衛星ではほとんど検出できなかった暗い近傍赤色矮星系に対し、ガイア衛星のみの加速度情報を適用</strong>させて検出された初めての成果になります。</li>
</ul>



<h2 class="wp-block-heading">研究内容</h2>



<p class="wp-block-paragraph">私たちの銀河で最も多い恒星は、太陽より小さく冷たい「M型星（赤色矮星）」です。銀河系の恒星の過半数を占めるとされるこれらの星は、星・惑星形成進化の研究において重要なターゲットです。しかし、近傍の天体ですらM型星は非常に暗いためこれまで詳細な観測はあまり行われておらず、M型星は7割以上が単独で存在すると考えられてきました。しかし、近年は観測装置の技術的発展もあり、褐色矮星<sup>*1</sup>や低質量星を伴うケースが過小評価されていた可能性も指摘されています。その様に、M型星まわりの伴星や惑星の統計は未解決の問題です。特に、褐色矮星は惑星と恒星の中間に位置する質量を持ち、こうした伴星の存在頻度や質量分布を明らかにすることは、惑星形成と恒星形成の違いや共通点を理解する上で不可欠ですが、統計的にM型星周りにどれくらい存在するのかはよく分かっていません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　アストロバイオロジーセンター、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校、ジョンズホプキンス大学をはじめとする国際研究チームは、地球から約55光年離れたM型星LSPM J1446+4633（以下J1446）を周回する、伴星型の褐色矮星J1446Bを直接撮像で発見しました(図1)。この天体は木星の約60倍の質量を持ち、地球 &#8211; 太陽間の約4.3倍という主星に比較的近い軌道を約20年かけて公転しています。さらに、赤外線波長で約30％もの明るさの変動が確認され、雲や嵐などの惑星大気現象が起きている可能性が示唆されました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　この発見の鍵は、３つの異なる観測手法を組み合わせたことです。①すばる望遠鏡<sup>*3</sup>の赤外線分光観測モニタリングによる視線速度測定<sup>*2</sup>、②ケック望遠鏡<sup>*3</sup>による高解像度赤外線撮像、そして③ガイア衛星<sup>*4</sup>による精密な位置測定を利用したJ1446の天球面上での加速度測定です。これらの観測量を組み合わせてケプラーの法則を利用した解析を行うことで、J1446系の力学的質量とJ1446Bの軌道を精密に決定しました(図2)。視線速度の観測だけでは質量と軌道傾斜角のパラメータが縮退しているため不確定性が残りますが、直接撮像とガイアのデータを加えることでその問題を解消でき、軌道を精密に求めることができました。特に視線速度観測は、すばる望遠鏡に搭載された赤外線高分散分光装置 IRD を用いた戦略枠プログラム（IRD-SSP）におけるモニタリング観測中に得られたデータが不可欠でした。ケック望遠鏡では地球大気による星像の歪みを高度に補正するピラミッド波面センシング技術を用いた補償光学装置が今回の直接撮像検出に大きく貢献しました。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="976" height="376" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/20251021_fig2.png" alt="" class="wp-image-9953" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/20251021_fig2.png 976w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/20251021_fig2-300x116.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/20251021_fig2-768x296.png 768w" sizes="(max-width: 976px) 100vw, 976px" /><figcaption class="wp-element-caption">図２：軌道フィッティングを行った結果のプロット図。左図はケック望遠鏡の直接撮像結果(右上の青い点)とガイア衛星の固有運動加速(赤矢印)から推測された伴星の軌道。横軸は天球上での赤経（秒角の単位）、縦軸は天球上での赤緯（秒角の単位）。右軸の色は伴星の質量。右図はすばる望遠鏡の視線速度観測(赤点)から推測された主星の視線速度の変動。推測された軌道や視線速度の軌跡はシミュレーション上の伴星の質量で色付けされています。縦軸は視線速度（秒速メートルの単位）。下の図はフィッティング後の速度誤差。右軸の色は伴星の質量。image credit: An Qier (UCSB) /Uyama et al. (2025)</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">&nbsp;また、ヒッパルコス衛星<sup>*4</sup>とガイア衛星の位置天文データを利用した星の加速度情報と系外惑星の直接撮像を組み合わせて新規天体を検出、さらに質量を精密に制限する手法はこれまでにも確立されていましたが、本研究では、過去のヒッパルコス衛星ではほとんど検出できなかった暗い赤色矮星に対し、より暗い天体の位置まで精密測定できるガイア衛星のみの加速度情報を伴星軌道フィッティングに適用させて、伴星の軌道や力学的質量を精密に制限する事に成功した初めての褐色矮星伴星です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　今回の発見は、褐色矮星の形成シナリオを検証するための重要なベンチマークとなります。将来の分光観測により、この褐色矮星の天候マップを描くことができるでしょう。今回の成果は、地上望遠鏡と宇宙望遠鏡の協力が、太陽系の外に潜む未知の世界を解き明かす強力な武器となることを示しています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　本研究成果は、米国の天文学誌「アストロノミカル・ジャーナル」に2025年10月20日付で掲載されました (&#8220;<a href="https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/ae08b6" target="_blank" rel="noopener" title="">Direct Imaging Explorations for Companions from the Subaru/IRD Strategic Program II; Discovery of a Brown-dwarf Companion around a nearby Mid-M-dwarf LSPM J1446+4633</a> &#8221; by Uyama et al., DOI: 10.3847/1538-3881/ae08b6)</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">研究助成：</h3>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、科学研究費助成事業（課題番号：24K07108, 24K07086）の支援を受けて実施されました。すばる望遠鏡に搭載された赤外線高分散分光装置IRDは、科学研究費助成事業（課題番号：18H05442, 15H02063, and 22000005）の支援を受けて開発を行いました。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>用語解説：</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph">*1：褐色矮星は典型的には木星のおよそ13から80倍程度の質量を持つ天体を指し、星のような水素の持続的な核融合を起こせません。一般向けには「恒星になり損ねた星（failed star）」と表現されることもありますが、その形成過程は依然として謎に包まれています。また木星のようなガス惑星と同様に時間経過で冷えていくため、惑星形成の研究対象としても重要です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">*2：星の運動によって星のスペクトルがドップラー効果で変動する事を利用した観測手法です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">*3：すばる望遠鏡、ケック望遠鏡はハワイ島にあるマウナケア山の山頂に設置された口径8-10m級の大型望遠鏡です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">*4&nbsp;：ガイア衛星は天の川銀河の天体の詳細な3次元マップを作成することを目的とし、2013年に打ち上げられた位置天文学衛星です。非常に高精度に位置を決めることができるため、星の固有運動を元に伴星や惑星の存在を調べるアストロメトリ法への適用が期待されます。ヒッパルコス衛星はガイア衛星の前身となるような位置天文学衛星で、1989年に打ち上げられました。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">論文情報：</h3>



<p class="wp-block-paragraph">雑誌： Astronomical Journal <br>タイトル：<a href="https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-3881/ae08b6" target="_blank" rel="noopener" title="">Direct Imaging Explorations for Companions from the Subaru/IRD Strategic Program II; Discovery of a Brown-dwarf Companion around a nearby Mid-M-dwarf LSPM J1446+4633</a><br>著者：Uyama, T.; Kuzuhara, M.; Beichman, C.; Hirano, T.; Kotani, T.; An, Q.; Brandt, T. D. et al.<br>DOI：10.3847/1538-3881/ae08b6</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<p class="wp-block-paragraph">関連リンク：</p>



<p class="wp-block-paragraph">2025年10月21日　<a href="https://subarutelescope.org/jp/results/2025/10/20/3608.html" target="_blank" rel="noopener" title="">国立天文台ハワイ観測所プレスリリース</a></p>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/10/21/9949/">地上望遠鏡と宇宙望遠鏡の共演で発見された、赤色矮星を周回する褐色矮星</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>変動光に立ち向かう光合成の司令塔――シトクロムb6/f複合体の減少が変動光に対する防御の鍵になる――</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2025/10/01/9911/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 01 Oct 2025 12:57:02 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[光合成]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=9911</guid>

					<description><![CDATA[<p>発表のポイント （東大リリースから引用） 本研究の知見は、宇宙ステーションや将来の有人火星探査拠点など、閉鎖された人工環境下での食料生産とい... </p>
<div class="post-button">
			   <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/10/01/9911/">Read More</a>
			</div>
<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/10/01/9911/">変動光に立ち向かう光合成の司令塔――シトクロムb6/f複合体の減少が変動光に対する防御の鍵になる――</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="696" height="575" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/Utokyo_20251001-1-1.jpg" alt="" class="wp-image-9912" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/Utokyo_20251001-1-1.jpg 696w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/10/Utokyo_20251001-1-1-300x248.jpg 300w" sizes="(max-width: 696px) 100vw, 696px" /><figcaption class="wp-element-caption">シトクロムb6/f複合体の減少が野外の光環境で植物の安定した成長を実現する(イメージ図)　<br>(東大リリースより引用)</figcaption></figure>



<h3 class="wp-block-heading">発表のポイント</h3>



<ul class="wp-block-list">
<li>野外の植物は、陽射しが雲で遮られたり木の葉が風で揺れたりすることで、光の強さが常に変動する環境にさらされています。このような環境は植物の光合成装置に負荷をかけ、特に「光化学系Ⅰ」にダメージを与えることが知られています。</li>



<li>光合成の制御において中心的な役割を果たす「シトクロム<em>b</em><sub>6</sub>/<em>f</em>複合体」の量を減少させると、光合成の能力は減少するものの、一方で、変動する光から光化学系Ⅰを守る安定性が高まることがわかりました。</li>



<li> この成果は、自然環境で育つ作物が強い陽射しや影といった変動光に負けずに育つ「レジリエンス」を高めるための技術開発に貢献することが期待されます。</li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">（東大リリースから引用）</p>



<p class="wp-block-paragraph">本研究の知見は、宇宙ステーションや将来の有人火星探査拠点など、閉鎖された人工環境下での食料生産というアストロバイオロジーの観点からも重要です。宇宙での植物栽培では、人工光（LEDなど）が唯一のエネルギー源となり、電力供給の変動などが光環境の急変につながる可能性があります。そのような極限環境では、生産性を多少犠牲にしても、決して枯れることのない「頑強さ」が最優先される場合があります。本研究で明らかになった光合成の安全装置は、宇宙のような特殊な環境で安定した食料生産を実現するための植物を設計する上で、重要な基盤技術となることが期待されます。(アストロバイオロジーセンター 河野 特任研究員)</p>



<p class="wp-block-paragraph">リリース詳細はこちら: <a href="https://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/topics_20251001-1.html" target="_blank" rel="noopener" title="">東京大学プレスリリース</a></p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading"><strong>論文情報</strong></h3>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>雑誌名:</strong>Physiologia Plantarum<br><strong>タイトル</strong>:Drastic Reduction in Cytochrome <em>b</em><sub>6</sub><em>/f</em> Complex Confers Robust PSI Photoprotection under Fluctuating Light at the Expense of Photosynthetic Capacity<br><strong>著者名</strong>: <strong>Masaru Kono</strong>(*), Hiromasa Kodama, Keiichiro Tanigawa, Ichiro Terashima, Wataru Yamori<br>（* ABCスタッフ）<br><strong>DOI</strong>:10.1111/ppl.70483<br><strong>URL</strong>: <a href="https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ppl.70483">https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/ppl.70483</a><br></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/10/01/9911/">変動光に立ち向かう光合成の司令塔――シトクロムb6/f複合体の減少が変動光に対する防御の鍵になる――</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>氷の下で眠るマリモ：春の光がもたらす危機と回復</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2025/09/29/9875/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 29 Sep 2025 06:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[jp]]></category>
		<category><![CDATA[マリモ]]></category>
		<category><![CDATA[光合成]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=9875</guid>

					<description><![CDATA[<p>【発表のポイント】 【概要】 北海道・阿寒湖に生息する国の特別天然記念物「マリモ」は、季節ごとに大きく変動する環境下で生きています。なかでも... </p>
<div class="post-button">
			   <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/09/29/9875/">Read More</a>
			</div>
<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/09/29/9875/">氷の下で眠るマリモ：春の光がもたらす危機と回復</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="730" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/2025年9月ABCマリモプレスリリース図2025年9月12日金21時00分-1024x730.png" alt="" class="wp-image-9877" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/2025年9月ABCマリモプレスリリース図2025年9月12日金21時00分-1024x730.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/2025年9月ABCマリモプレスリリース図2025年9月12日金21時00分-300x214.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/2025年9月ABCマリモプレスリリース図2025年9月12日金21時00分-768x547.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/2025年9月ABCマリモプレスリリース図2025年9月12日金21時00分-1536x1095.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/2025年9月ABCマリモプレスリリース図2025年9月12日金21時00分.png 1790w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>



<h3 class="wp-block-heading">【発表のポイント】</h3>



<ul class="wp-block-list">
<li>阿寒湖のマリモは、湖が解氷した直後に低水温と強い日射にさらされることで、光合成能力が著しく低下する「光阻害」という深刻なダメージを受けていることを、野外調査により明らかにしました。</li>



<li>光阻害を受けたマリモは、その後20～30日かけて光合成能力を回復させる強靭な回復力を持つことがわかりました。</li>



<li>気候変動による結氷期間の短縮は、マリモが強光ストレスを受けやすい危険な期間を長期化させ、生存を脅かす可能性があることを示唆しています。</li>
</ul>



<h3 class="wp-block-heading">【概要】</h3>



<p class="wp-block-paragraph">北海道・阿寒湖に生息する国の特別天然記念物「マリモ」は、季節ごとに大きく変動する環境下で生きています。なかでも、冬の間に湖を覆っていた氷が解ける春先は、水温が低いまま強い日射にさらされるため、光合成機能に深刻なダメージを受ける危険性が指摘されてきました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">本研究では、アストロバイオロジーセンターの河野優 特任研究員、神奈川大学大学院の 小原晶奈 大学院生(当時)、岩元明敏 教授、東京科学大学の吉田啓亮 准教授、釧路市教育委員会マリモ研究室の尾山洋一 次長による研究チームが、野外調査と室内実験を組み合わせることで、この過酷な時期におけるマリモの光合成能力を詳細に評価しました。その結果、マリモは夏季や氷に覆われた冬季には健全な状態を保つ一方、春の解氷直後には光合成能力が著しく低下すること、そしてその後20～30日かけて自然に回復することが明らかになりました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この成果は、マリモの保全において特に注意すべき「脆弱な時期」を科学的に特定した重要な知見であり、国際学術誌『Phycological Research』に2025年9月29日付で掲載されました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="675" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig1-1024x675.png" alt="" class="wp-image-9884" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig1-1024x675.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig1-300x198.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig1-768x506.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig1.png 1038w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１. (a) 阿寒湖に生育する球状集合体マリモ。結氷期間中（3月）に氷を人工的に切り開いて撮影したもので、氷上から湖底のマリモを眺めた写真。通常、分厚い氷の直下は非常に暗いが、氷を取り除くことで、太陽光が強く差し込む様子が確認できる。(b) マリモ群落の直上に水温計を設置し、2021年12月上旬から2022年5月上旬まで水温を連続観測した。1月6日付近（点線）で湖が完全に結氷し、4月9日頃に解氷した。結氷期間中（1月〜3月）は水温が約2℃で安定し、分厚い氷と雪によって強い日射は遮られる。一方、結氷前および解氷直後には、低水温下にもかかわらず強い光が湖底まで到達し、マリモは「低温かつ強光（LT-HL）」という過酷な環境に直面する。(c–e) 阿寒湖チュウルイ湾に氷が張る様子を、湖岸から撮影した写真。</figcaption></figure>



<h3 class="wp-block-heading">【研究背景】</h3>



<p class="wp-block-paragraph">マリモ（学名：<em>Aegagropila brownii</em>）(注1・2)は、美しい球状の集合体を形成することで知られる淡水性の緑藻です。なかでも北海道・阿寒湖に生息する大型のマリモは、国の特別天然記念物に指定されており、世界でも極めて稀少な存在です。<br>　阿寒湖では、冬になると湖面が厚い氷と雪に覆われます。この氷雪は、マリモを冬の強い太陽光から守る「日傘」のような役割を果たしています。しかし、結氷の直前や氷が解けた直後といった季節の変わり目には、水温が低い（1～4℃）ままであるにもかかわらず、湖底のマリモにまで強い光が届くという、植物にとって非常に過酷な「低水温・強光（LT-HL）」環境(注3)が生じます。このような環境では、光合成に必要なエネルギーの利用効率が低下し、光合成を担う装置である光化学系II(注4)がダメージを受ける「光阻害」(注5)が発生する危険性があると指摘されてきました。しかし、自然環境下の湖において、マリモがこうした影響を実際にどの程度受けているのかは、これまで明らかになっていませんでした。研究チームによる先行研究では、実験的に低水温・強光の環境を再現し、マリモが深刻なダメージを受ける可能性が示唆されていました。本研究は、この実験的な予測を踏まえ、初めて自然の湖沼環境において、結氷の直前や解氷期のマリモが実際にどのような光合成応答を示すのかを実証的に調査したものです。</p>



<h3 class="wp-block-heading">【研究成果】</h3>



<p class="wp-block-paragraph">本研究チームは、北海道・阿寒湖のチュウルイ湾において、季節ごとの水温や光環境のモニタリングを行うとともに、異なる季節にマリモを採集し、クロロフィル蛍光測定(注6)という手法を用いてその光合成能力を評価しました。<br>　その結果、夏（8月）および湖が完全に氷に覆われている冬の盛り（3月）に採集したマリモは、光合成能力の指標である光化学系IIの最大量子収率（F<sub>v</sub>/F<sub>m</sub>）(注7)が約0.6と高い値を示し、光合成の能力は健全な状態にあることが確認されました。<br>　一方、解氷直後（4月上旬）に採集したマリモでは、このF<sub>v</sub>/F<sub>m</sub>の値が太陽光にさらされた表面で約0.27まで著しく低下しており、深刻な光阻害が生じていることが明らかになりました。これは、冬の暗い環境に順応していたマリモが、突然強い光にさらされたことで大きなストレスを受けたことを示しています。<br>　しかしながら、マリモは強靭な回復力も持っていました。解氷から20～30日が経過し、水温が徐々に上昇し始めた5月上旬には、F<sub>v</sub>/F<sub>m</sub>の値が約0.55まで回復していたのです。この回復過程は室内実験でも裏付けられ、ダメージを受けたマリモの細胞を弱い光のもとに置くことで、光合成能力が回復し始めることが確認されました。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="596" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig2-1024x596.png" alt="" class="wp-image-9885" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig2-1024x596.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig2-300x175.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig2-768x447.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/20250929_Kono_Fig2.png 1361w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図２. 球状マリモの光化学系II最大量子収率（Fv/Fm）の季節変化<br>結氷前（12月）、結氷中（3月）、解氷直後（4月）、解氷後20〜30日（5月）、および夏期（8月）に採集したマリモを用いて、球状体表面側（白棒）と裏面側（黒棒）のFv/Fm値をそれぞれ測定した。</figcaption></figure>



<h3 class="wp-block-heading">【今後の展望】</h3>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、春先の「解氷直後」が、マリモにとって脆弱な期間になり得ることを、野外データに基づいて初めて明らかにしました。この期間の環境変化は、マリモの長期的な生存に大きな影響を与える可能性があります。<br>　近年、気候変動の影響により、阿寒湖では結氷が遅れ、解氷が早まる傾向が報告されています。これは単に暖かい期間が長くなることを意味するわけではありません。春先の1～3月でも晴天時の日射は非常に強く、本来であれば分厚い氷と雪がマリモを保護しています。しかし、解氷が早まると、水温が低いままこの強烈な光にマリモが直接さらされる期間が長期化してしまいます。これにより、マリモが過酷な『低水温・強光（LT-HL）』環境にさらされる期間が延び、光によるダメージが蓄積しやすくなることが懸念されます。光阻害からの回復が追いつかなくなれば、マリモの個体群全体が衰弱し、将来的な存続が危ぶまれる可能性もあります。また、結氷期間そのものが湖の生態系全体を成り立たせる重要な要素であり、その短縮や喪失は、多様な生物の相互作用に甚大な影響を与えると考えられます。<br>　この貴重な自然遺産を未来へと引き継いでいくためには、生息地の物理的な環境を守るだけでなく、気候変動がマリモの生理に与える影響、特に、この脆弱な時期における光ストレスに着目し、科学的知見に基づく保全戦略を構築することが極めて重要です。本研究の成果は、阿寒湖のマリモという特定の生物群落にとどまらず、国内外の他の湖沼生態系で、気候変動のような複合ストレスに直面する希少な水生生物をいかに保全していくか、という普遍的な課題に対するモデルケースとしての意義も持っています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、アストロバイオロジーの観点からも、重要な示唆を与えます。氷の下の暗闇から、解氷による突然の強光ストレスに耐え、回復していくマリモの生命戦略を解明することは、氷で覆われた天体のような地球外の極限環境に生命が存在するとすれば、どのようなメカニズムで生き延びているのかを理解する上で重要な手がかりとなります。また、地球の気候変動がこの特殊な生態系に与える影響を調べることは、劇的な環境変化を経験した惑星で、生命がどのように応答し、その痕跡を残しうるのかを考察する上での貴重な実例となるでしょう。本研究は、『極限的な惑星環境において、生命はどのように生き残り、進化するのか』というアストロバイオロジーの根源的な問いに、地球に生きる生命から迫る試みです。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">用語解説：</h3>



<p class="wp-block-paragraph">(注1)&nbsp;特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」<br>阿寒湖は、阿寒カルデラおよび古阿寒湖の形成後、雄阿寒岳の火山活動によって分断されて生じた堰止湖です。湖の北部に位置するチュウルイ湾とキネンタンペ湾には、世界的にも極めて珍しい球状のマリモ（<em>Aegagropila brownii</em>）が群生しています。特に、直径30 cmを超える巨大な球状マリモが多数確認されている湖は、世界で阿寒湖だけです。<br>その希少性と学術的価値の高さから、阿寒湖のマリモは1921年に国の天然記念物、1952年には特別天然記念物に指定されました。2024年時点で、国の天然記念物に指定されている藻類は8種あり、そのうち特別天然記念物に指定されている藻類は阿寒湖のマリモのみです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注2)&nbsp;マリモの学名（<em>Aegagropila brownii</em>）<br>2023年に発表された分類学研究により、これまで広く使われてきた&nbsp;<em>Aegagropila linnaei</em>&nbsp;というマリモの学名は誤りであり、正しい学名は&nbsp;<em>Aegagropila brownii</em>&nbsp;であると再定義されました。この変更はマリモの生態や遺伝的特徴が変わったわけではなく、国際的な分類学ルールに則って「名前」が訂正されたものです。<br>学名変更の背景には、「タイプ標本」の再評価があります。<em>A. linnaei</em>&nbsp;の元となる記載（<em>Conferva aegagropila</em>）は1753年にカール・リンネによってなされましたが、その後に選ばれた標本（レクトタイプ）は、実際には海に生える別種の藻類であることがわかりました。命名規約に基づくと、<em>A. linnaei</em>&nbsp;の名は海産種に属するものであり、淡水性のマリモには使用できません。そこで、淡水マリモに最も早く命名され、有効とみなされる学名を再検討した結果、1809年にアイルランド北部で採集された標本に由来する&nbsp;<em>Conferva brownii</em>&nbsp;が該当すると判断されました。この結果、マリモの正しい学名は&nbsp;<em>Aegagropila brownii</em>&nbsp;に変更されました（Guiry &amp; Frödén 2023）。<br>この変更はあくまで分類学的な見直しによるものであり、私たちが「マリモ」と呼ぶ生物の実体は変わっていません。生物学的な性質や保全上の重要性に影響を与えるものではなく、より正確な名前でマリモを理解し、保護していくための基盤となります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注3) LT-HL（Low Temperature &#8211; High Light）環境<br>低温かつ強光という、極域や春の解氷直後の湖沼に見られる特殊な環境条件。植物や藻類にとっては、光合成に対するストレスとなる可能性があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注4)&nbsp;光化学系II（PSII）<br>光合成において、光エネルギーを吸収して水を分解し、電子を取り出す最初の反応を担うタンパク質複合体。光合成の“エンジン”の一部であり、特に強すぎる光によって損傷を受けやすいという特徴があります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注5)&nbsp;光阻害<br>植物や藻類が生きるために行う光合成は、光が強すぎると逆に能力が落ちてしまうことがあります。この現象が「光阻害」です。<br>光合成の仕組みを、太陽光をエネルギー源にして動く「栄養づくり工場」に例えてみましょう。この工場は、適度な量の光があれば元気に栄養を作り出せます。しかし、工場の処理能力をはるかに超える強すぎる光（(注3)LT-HL環境で解説）が降り注ぐと、エネルギー変換の最前線で働く機械（(注4)光化学系IIで解説）がダメージを受けて故障してしまいます。この“機械が故障して、工場全体の働きが鈍ってしまった状態”が光阻害です。<br>冬の間、暗い氷の下で静かに過ごしていたマリモにとって、解氷直後の強烈な日差しはあまりに刺激が強く、この「光阻害」を引き起こす大きな原因となります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注6)&nbsp;クロロフィル蛍光<br>植物の葉や藻類に含まれる光合成色素クロロフィルに光を当てた際に発せられる、ごく微弱な赤い光。この蛍光の強さやその変化を測定することで、光化学系IIの健康状態や光合成能力を、対象を傷つけることなく評価することができます。本研究では、この手法を用いて光阻害の程度を数値的に評価しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注7)　光化学系IIの最大量子収率（F<sub>v</sub>/F<sub>m</sub>）<br>植物や藻類が行う光合成の「元気度」や「健康状態」を示す指標です。光合成を担う光化学系II（PSII）が、吸収した光エネルギーをどれだけ効率よく化学エネルギーに変換できるかを表しており、クロロフィル蛍光の測定によって算出されます。この値は0から1の間の数値で示され、健康な藻類や植物では一般的に0.6以上と高い値になります。数値が高いほど光化学系IIが健全に機能していることを意味します。一方で、強すぎる光などのストレスによって光化学系IIがダメージを受けると、この値は低下します。そのため、光阻害の信頼できる指標として広く利用されています。本研究では、このF<sub>v</sub>/F<sub>m</sub>値を測定することでマリモの健康状態を季節ごとに評価しました。夏期や結氷中は0.6前後の高い値を維持していましたが、解氷直後には太陽光が当たる表面で0.3以下まで著しく低下し、マリモが深刻な光ストレスを受けていることが明らかになりました。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">研究サポート：</h3>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、科学研究費助成事業（課題番号：24K09493, 23H04961, 23H02498）および日本科学協会の笹川科学研究助成の支援を受けて実施されました。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">関連リンク</h3>



<p class="wp-block-paragraph"><a href="https://www.kanagawa-u.ac.jp/news/details_29516.html" target="_blank" rel="noopener" title="">神奈川大学プレスリリース</a></p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h3 class="wp-block-heading">論文情報</h3>



<p class="wp-block-paragraph">雑誌：Phycological Research<br>タイトル：Photoinhibition Risk in Marimo (<em>Aegagropila brownii</em>) During Ice Transition Periods Based on Field Observations and Laboratory Assessments<br>DOI：<a href="https://doi.org/10.1111/pre.70013" target="_blank" rel="noopener" title="">https://doi.org/10.1111/pre.70013</a><br>著者：Masaru Kono, Akina Obara, Yoshihiro Suzuki, Akitoshi Iwamoto, Keisuke Yoshida, Yoichi Oyama</p>



<p class="wp-block-paragraph"></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/09/29/9875/">氷の下で眠るマリモ：春の光がもたらす危機と回復</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>生まれたばかりの原始惑星への物質落ち込みの証拠となる光を発見</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2025/09/04/9798/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 04 Sep 2025 06:15:16 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[jp]]></category>
		<category><![CDATA[exoplanet]]></category>
		<category><![CDATA[直接撮像]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=9798</guid>

					<description><![CDATA[<p>発表のポイント： 概要： 生命を育む地球のような小型岩石惑星や木星のような巨大ガス惑星は、太陽のような恒星のまわりで生まれます。その誕生の場... </p>
<div class="post-button">
			   <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/09/04/9798/">Read More</a>
			</div>
<p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/09/04/9798/">生まれたばかりの原始惑星への物質落ち込みの証拠となる光を発見</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<figure class="wp-block-image alignwide size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="2429" height="2030" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/08/202509Currie_fig1_jp.png" alt="" class="wp-image-9826" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/08/202509Currie_fig1_jp.png 2429w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/08/202509Currie_fig1_jp-300x251.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/08/202509Currie_fig1_jp-1024x856.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/08/202509Currie_fig1_jp-768x642.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/08/202509Currie_fig1_jp-1536x1284.png 1536w" sizes="(max-width: 2429px) 100vw, 2429px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１：ぎょしゃ座AB星の水素原子輝線（Hα線）の画像。原始惑星ぎょしゃ座AB星 bが、中心星からほぼ南方向に約0.6秒角離れた位置で明確に検出された。星印の0.3秒角以内の領域はマスクされている。（クレジット：T. Currie, アストロバイオロジーセンター）</figcaption></figure>



<h2 class="wp-block-heading">発表のポイント：</h2>



<ul class="wp-block-list">
<li>原始惑星「ぎょしゃ座AB星b」に物質が落ち込んでいる（質量降着の）証拠を欧州南天天文台の8メートル望遠鏡（VLT）による分光観測で発見した。</li>



<li>惑星から光のスペクトルは、若い恒星への質量降着の証拠となるものと類似しており、原始惑星で質量降着を示す最初の発見。</li>



<li>これは、数例しかない原始惑星の中でも、この惑星が円盤中に埋もれた最も若い原始惑星であることの強い証拠となる。</li>
</ul>



<h2 class="wp-block-heading">概要：</h2>



<pre class="wp-block-preformatted">生命を育む地球のような小型岩石惑星や木星のような巨大ガス惑星は、太陽のような恒星のまわりで生まれます。その誕生の場は、原始惑星系円盤と呼ばれるガスと塵の薄い円盤状の天体です。原始惑星系円盤は、太陽質量に限らず、重い星や軽い星の若い段階において普遍的に見られ、すばる望遠鏡のような8m級望遠鏡（可視光・赤外線）やアルマ望遠鏡（電波）によって、その詳細な姿が2010年代から明らかになってきました。<br><br>しかし、円盤の中の微細な構造（隙間構造や渦巻腕構造）から間接的に惑星の存在が示される例は多数発見されていますが、円盤中に生まれたばかりの惑星（原始惑星）の姿を直接に捉えることは、PDS70 bやc、ぎょしゃ座AB星 b(AB Aur b)など、これまで数例でしか成功していません。これは、原始惑星の多くは原始惑星系円盤に埋もれているため、惑星によって円盤に隙間が出来て見易くなったり、あるいは、円盤の真上からでないと見えなかったりするためと考えられます。また、原始惑星は、周りの円盤から質量を集めて惑星に成長しつつある天体と考えられますが、埋もれている円盤からその質量降着の様子を詳細に分光観測した例はPDS70の惑星系しかありません。<br><br>今回、アストロバイオロジーセンター、米国テキサス大学サン・アントニオ校らの研究者を中心とする国際研究チームは、VLT望遠鏡に搭載されたた多天体分光器MUSE（ミューズ）を用いた分光観測により、AB Aur bからの水素原子輝線の検出に成功しました。この輝線は、原始惑星を取り囲む周惑星円盤への質量降着の証拠と考えられます。<br></pre>



<h2 class="wp-block-heading">背景：</h2>



<p class="wp-block-paragraph">太陽系を超えた遠方にある惑星 (系外惑星) は、1995 年の最初の発見以降、6000個以上も発見されています。その多くは、我々の太陽系にある8個の惑星とは大きく違った性質を持っています。そのような多様な系外惑星はどのようにして生まれ、どのように進化し、あるものは地球のような生命を宿す惑星になれるのでしょうか？　この謎を解明するためには、惑星が生まれる現場で、今まさに生まれている若い惑星をとらえることが不可欠です。しかし、観測的な困難さから、年齢が数100万年程度の若い惑星の観測は極めて限られていました。<br><br>生命を育む地球のような小型岩石惑星や木星のような巨大ガス惑星は、太陽のような恒星のまわりで生まれます。その誕生の場は、「原始惑星系円盤」と呼ばれる塵とガスの薄い円盤状の天体です。原始惑星系円盤は、太陽質量に限らず、重い星や軽い星の若い段階において普遍的に見られ、すばる望遠鏡などの8m級望遠鏡やアルマ望遠鏡によって、その詳細な姿が2010年代から明らかになってきました。しかし、円盤の中の微細な構造（隙間構造や渦巻腕構造）から間接的に惑星の存在が示される例は多数発見されていますが、円盤中に生まれたばかりの若い惑星（原始惑星）の姿を直接に捉えることは、年齢400万年のPDS70 bやc、年齢が200万年のAB Aur bなど、数例でしか成功していません。後者は、すばる望遠鏡によって2022年に発見されました(注１)。これは、原始惑星の多くは原始惑星系円盤に埋もれているため、惑星によって円盤に隙間が出来て見易くなったり、あるいは、円盤の真上からでないと見えなかったりするためと考えられます。また、原始惑星は、周りの原始惑星系円盤から質量を集めて惑星に成長しつつある天体と考えられますが、埋もれている円盤から原始惑星へ質量降着する様子を詳細に分光観測した例はありません。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading">研究成果：</h2>



<p class="wp-block-paragraph">今回、アストロバイオロジーセンター（ABC）、東京大学、国立天文台、工学院大学、米国テキサス大学サン・アントニオ校、北京大学らの研究者を中心とする国際研究チームは、VLT望遠鏡に搭載されたた多天体分光器MUSE（ミューズ）を用いた分光観測により、ぎょしゃ座AB星bからの水素原子輝線（Hα輝線）の検出に成功しました。図１は、その水素原子輝線の面分布を表したものです。<br><br>この輝線は、原始惑星を取り囲む「周惑星系円盤」への質量降着の証拠と考えられます。一般に、水素原子輝線は若い星やその周辺に多く見られます。とりわけ、原始惑星系円盤にも物質が降着しているため、円盤からの水素原子輝線が拡がっています。私たちが狙っているのは、その円盤にまだ埋もれている、もっと小さな原始惑星を取り囲む周惑星系円盤への物質の落ち込みです。多天体分光器は、天球上に面状に広がった天体の分光観測ができるため、円盤に埋もれた原始惑星の、円盤に起因する放射成分と惑星に起因する放射成分を同時に分光観測できる理想的な装置です。また、可視光で南米チリの良好なシーイングを活かした高解像度（最高で0.3秒角）かつ高い波長分解能（λ/Δλ～3000）の分光観測が出来る点がユニークです。この能力によって、原始惑星と原始惑星系円盤を明確に区別したスペクトルを得ることができました。<br><br>今回の観測で、まさにすばる望遠鏡で発見された原始惑星の位置に水素原子輝線が発見されました。そのスペクトルの形状（逆はくちょう座P星プロファイル（注２））は、同様の質量降着を起こしているTタウリ型星（注３）で見られるものと類似していました（図２）。このような形状の水素原子輝線が発見された原始惑星は、これまでAB Aur bだけです。これは、ぎょしゃ座AB星の年齢が約200万年と非常に若く、惑星のまわりにはまだ多量の物質が見られるため、このぎょしゃ座AB星周りの惑星、AB Aur b は、今まさに生まれつつある惑星、いわゆる「原始惑星」であることを強くサポートします。このようなスペクトルが得られている原始惑星は他にはPDS70 bとcしかなく、原始惑星系としては2例目、円盤中に埋もれた原始惑星としては初めての観測になります。（PDS70 b,cは円盤の空隙中にあります。）<br></p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="767" src="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/202509Currie_fig2_jp-1024x767.png" alt="" class="wp-image-9828" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/202509Currie_fig2_jp-1024x767.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/202509Currie_fig2_jp-300x225.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/202509Currie_fig2_jp-768x575.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/202509Currie_fig2_jp-1536x1150.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/202509Currie_fig2_jp-2048x1533.png 2048w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2025/09/202509Currie_fig2_jp-1920x1437.png 1920w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図２：原始惑星AB Aur bで発見された水素原子輝線の逆はくちょう座P星プロファイル（青色の線）。1.5太陽質量の若いTタウリ型星であるV354 Monの質量降着のプロファイル（ピンク色の線）と最も似ている。別の原始惑星であるPDS70 bとcのプロファイル（緑色およびオレンジ色の線）とは異なる。それぞれの輝度はAB Aur bに合わせて表示。（クレジット：T. Currie, アストロバイオロジーセンター）</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">AB Aur b は、木星の約4倍の質量をもち（注４）、主星から地球-太陽間距離の93倍も離れた軌道を公転しています。このような恒星から離れた巨大惑星は太陽系には存在しませんが、どのようにして生まれたのでしょうか？標準的な惑星系形成モデルでは、若い星のまわりの原始惑星系円盤で微惑星が成長し、それがさらに多量の物質を集めて木星のような巨大惑星が形成されるというモデルです。形成後に惑星が主星の近くや遠くに移動したり、散乱したりする可能性も示唆されています。しかし、今回の発見は、惑星移動が起こる間もない時期に、主星から遠く離れた位置で巨大な原始惑星が誕生したことを示しており、標準モデルでも惑星移動・散乱モデルでも説明できません。従って、今回の物質降着の証拠は、太陽系には無い種類の「遠方巨大惑星」は円盤中で自己重力により巨大惑星が形成されるという「重力不安定による惑星系形成」を強く支持します。</p>



<pre class="wp-block-preformatted">本研究成果は、米国の天文学専門誌『アストロフィジカルジャーナル・レター』に2025年9月2日付で掲載されました (Currie et al. "Images of embedded Jovian planet formation at a wide separation around AB Aurigae")。</pre>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h2 class="wp-block-heading">用語解説：</h2>



<p class="wp-block-paragraph">(注１) すばる望遠鏡による、AB Aur の原始惑星の発見、および、そのまわりを取り巻く複雑な構造を持った原始惑星系円盤の詳細観測については、それぞれ2022年4月4日のアストロバイオロジーセンターとハワイ観測所および2011年2月17日のハワイ観測所プレスリリースをご覧ください。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注２)&nbsp;逆はくちょう座P星プロファイル：恒星表面から大量のガスが放出している「はくちょう座P星」という恒星のスペクトルが示す、輝線と吸収線が隣り合う特徴的なスペクトルを「はくちょう座P星プロファイル」と呼びます。「逆」はくちょう座P星プロファイルは、輝線と吸収線の順序が逆になっていて、恒星表面にガスが降着しているTタウリ型星(注３参照)でも見られるプロファイルです。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注３)Tタウリ型星：恒星がガスの中で誕生し、周囲のガスが少なくなり可視光でも観測できるようになった若い恒星。まだ周囲のガスによる質量降着が進んでいるものもあり、1945年に新しい変光星として発表された恒星の典型がおうし座のT星であったため、このような若い恒星をTタウリ型星と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph">(注４) 誤差を考慮すると、AB Aur b の質量は木星の約４〜９倍程度です。<br></p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading">発表雑誌：</h2>



<p class="wp-block-paragraph">雑誌名：Astrophysical Joural Letters<br>論文タイトル：&#8221;VLT/MUSE Detection of the AB Aurigae b Protoplanet with Hα Spectroscopy&#8221;<br>著者名：T. Currie et al.<br>DOI：&nbsp;10.3847/2041-8213/adf7a0</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h2 class="wp-block-heading">関連リンク</h2>



<ul class="wp-block-list">
<li><a href="https://www.abc-nins.jp/すばる望遠鏡が捉えた、生まれつつある惑星/" target="_blank" rel="noopener" title="アストロバイオロジーセンター２０２２年４月５日プレスリリース">アストロバイオロジーセンター２０２２年４月５日プレスリリース</a></li>



<li><a href="https://subarutelescope.org/jp/results/2022/04/04/3038.html" target="_blank" rel="noopener" title="国立天文台ハワイ観測所２０２２年４月５日プレスリリース">国立天文台ハワイ観測所２０２２年４月５日プレスリリース</a></li>



<li><a href="https://subarutelescope.org/old/Pressrelease/2011/02/17/j_index.html" target="_blank" rel="noopener" title="国立天文台ハワイ観測所２０１１年２月１７日プレスリリース">国立天文台ハワイ観測所２０１１年２月１７日プレスリリース</a></li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph"></p>
<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2025/09/04/9798/">生まれたばかりの原始惑星への物質落ち込みの証拠となる光を発見</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
	</channel>
</rss>
