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	<title>2018 - 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</title>
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	<description>Astrobiology Center</description>
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	<title>2018 - 自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</title>
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	<item>
		<title>第二の地球を発見するための新しい多色同時撮像カメラMuSCAT2が完成</title>
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		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 17 Dec 2018 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[共同研究]]></category>
		<category><![CDATA[MuSCAT]]></category>
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					<description><![CDATA[<p>概要： 　自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター、東京大学、科学技術振興機構、国立天文台、カナリア天体物理研究所などの研究チームは、第... </p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img fetchpriority="high" decoding="async" width="1024" height="765" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2-1024x765.jpg" alt="" class="wp-image-742" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2-1024x765.jpg 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2-300x224.jpg 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2-768x574.jpg 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2-1536x1147.jpg 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2-2048x1530.jpg 2048w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">カナリア天体物理研究所の1.5m望遠鏡に搭載されたMuSCAT2</figcaption></figure>



<h5 class="wp-block-heading">概要：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター、東京大学、科学技術振興機構、国立天文台、カナリア天体物理研究所などの研究チームは、第二の地球を発見するための新しい多色同時撮像カメラMuSCAT2を開発し、世界有数の天文観測最適地として知られるスペイン・テネリフェ島のテイデ観測所にある1.52m望遠鏡(カルロス・サンチェス望遠鏡)に設置しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　MuSCAT2は、2018年4月に打ち上げられたNASAのトランジット（注釈１）惑星探索衛星TESS（注釈２）で発見された惑星候補が、本物の惑星かどうかを確認することを主目的とした観測装置です。研究チームはこの装置の性能を評価するため、実際に既知の惑星のトランジットを観測し、最新の統計手法を取り入れた解析を行いました。その結果、MuSCAT2が&nbsp;世界最高レベルの測光精度(明るさの変化を調べる精度)を4色同時に達成できることを実証しました。この測光精度は、TESSで発見された太陽系近傍の赤色矮星（注釈３）を公転する第二の地球たち(生命居住可能惑星)の発見確認を行うことも可能な精度です。　さらに、アストロバイオロジーセンターとカナリア天体物理研究所の間で締結された協定により、2022年まで年間162夜以上のMuSCAT2の観測時間が確保されました。テイデ観測所の晴天率は7割程度であり、これは年間100個以上の惑星の発見確認観測が実施できることに相当します。これから始まるTESSの時代に、MuSCAT2によって科学的に面白い惑星たちが数多く発見されることにご期待下さい。</p>



<h5 class="wp-block-heading">発表のポイント：</h5>



<ul class="wp-block-list">
<li>4つの波長帯(4色)で同時に天体の明るさの変化を観測できる多色同時撮像カメラMuSCAT2が完成した</li>



<li>試験観測の結果、世界最高レベルの測光精度を4色で同時に達成した</li>



<li>2018年4月に打ち上げられたNASAのトランジット惑星探索衛星TESSと連携することで、太陽系近傍の赤色矮星を公転する第二の地球たちの発見が期待できる</li>
</ul>



<h5 class="wp-block-heading">背景：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　2018年までに、約4000個もの系外惑星が太陽以外の恒星に発見されています。特に2009年に打ち上げられたNASAのトランジット惑星探索衛星ケプラーは、2018年11月に運用が終了するまでに、惑星が主星の前を通り過ぎる「トランジット」という現象を用いて、約3000個もの系外惑星を発見してきました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　ケプラーの活躍により、宇宙には地球に近いサイズの惑星たちが豊富に存在することがわかり、主星からの距離がちょうどよく表面に液体の水が保持されるような生命居住可能領域にある惑星も発見されてきました。しかし、ケプラーが主に発見したのは太陽系から数百光年以上離れた惑星系たちで、惑星が存在することや全体としての統計的な性質はわかっても、個々の惑星の性質を詳しく調べるのは困難でした。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　そこで、より太陽系に距離が近い惑星系たちを発見するために、新たなトランジット惑星探索衛星TESSが2018年4月に打ち上げられました。TESSは24° × 24°という非常に視野の広いカメラを4台搭載した衛星で、今後2年間で全天の80%以上の領域を観測し、太陽系に近い惑星系を数千個発見すると見込まれています。その中には地球型惑星と考えられる惑星が数百個含まれ、生命居住可能領域にある惑星も数十個あると期待されています。　しかし、トランジット法で発見される惑星候補には本物の惑星だけではなく、恒星が別の恒星の前を通過する食連星という偽物が混じっています。そのため、これからTESSによって数千個という惑星候補が発見される中で、本物の惑星と偽物の食連星を効率的に見分けること(発見確認観測という)が研究上の課題となっていました。</p>



<h5 class="wp-block-heading">研究内容：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター、東京大学、科学技術振興機構、国立天文台、カナリア天体物理研究所などの研究チームは、可視光から近赤外光にかけての4色で同時に天体の明るさの変化を観測することができる多色撮像カメラMuSCAT2を開発し、世界有数の天文観測最適地として知られるスペイン・テネリフェ島のテイデ観測所にある1.52m望遠鏡(カルロス・サンチェス望遠鏡)に設置しました(図1、図2)。</p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img decoding="async" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f1-1024x764.jpg" alt="" class="wp-image-743" style="width:650px;height:485px" width="650" height="485" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f1-1024x764.jpg 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f1-300x224.jpg 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f1-768x573.jpg 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f1.jpg 1494w" sizes="(max-width: 650px) 100vw, 650px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１：カナリア天体物理研究所のテイデ観測所（スペイン、カナリア諸島テネリフェ島）にある1.52mカルロス・サンチェス望遠鏡のドーム。右奥に見えるのはスペインの最高峰テイデ山。</figcaption></figure>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="768" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f2-1024x768.jpg" alt="" class="wp-image-744" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f2-1024x768.jpg 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f2-300x225.jpg 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f2-768x576.jpg 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f2.jpg 1494w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図２：MuSCAT2のファーストライト（初めて観測装置に天体の光を通すこと）の記念写真。この観測装置は日本とスペインの研究者の国際共同研究によって完成しました。</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">　MuSCAT2は、2018年4月に打ち上げられたNASAのトランジット惑星探索衛星TESSで発見された惑星候補が、本物の惑星かどうかを確認する(発見確認する)ことを主目的とした観測装置です。研究チームはこの装置の性能を評価するため、実際に既知の惑星のトランジットを観測し、最新の統計手法を取り入れた解析を行いました。その結果、MuSCAT2が 世界最高レベルの測光精度(明るさの変化を調べる精度)を4色同時に達成できることを実証しました(図3)。この測光精度は、TESSで発見された太陽系近傍の赤色矮星を公転する第二の地球たち(生命居住可能惑星)の発見確認を行うことも可能な精度です。　さらに、アストロバイオロジーセンターとカナリア天体物理研究所の間で締結された協定により、2022年まで年間162夜以上の望遠鏡時間がMuSCAT2のために確保されました。テイデ観測所の晴天率は7割程度であり、これは年間100個以上の惑星の発見確認観測が実施できることに相当します。これにより、これから始まるTESSの時代に、MuSCAT2によって第二の地球たちを始めとする科学的に面白い惑星たちが数多く発見されることに期待が持てます。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="487" height="325" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f3.png" alt="" class="wp-image-745" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f3.png 487w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/MuSCAT2_narita_f3-300x200.png 300w" sizes="(max-width: 487px) 100vw, 487px" /><figcaption class="wp-element-caption">図３： 既知のトランジット惑星であるWASP-12bのトランジットをMuSCAT2で観測したデータ。各パネルは左上（青）、右上（緑）、左下（橙）、右下（赤）の順に400-550nm（天文学の呼び方でgバンド）、550-700nm（rバンド）、700-820nm（iバンド）、820-920nm（zバンド）で観測した主星WASP-12の明るさの変化。横軸は天文学で使われるユリウス日（具体的には2018年1月25日の夜）での時刻。横軸の目盛りの0.43から0.55にかけて明るさが減っている（減光している）のが惑星のトランジットです。各バンドの黒線は、ガウス過程という統計手法を取り入れて推定した惑星のトランジットと系統的変動（天体の高度や検出器上での位置の変化に起因する変動）のモデル。見やすさのためモデルはデータから0.02だけ下にずらして表示しています。その下にプロットされているのはデータとモデルの残差。各パネルの右上部に、1分あたりの残差の二乗平均平方根（達成できた1分あたりの測光精度に相当する）を記載しています。</figcaption></figure>



<h5 class="wp-block-heading">本研究の意義：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　TESSは2018年現在南天の観測を実施していますが、2019年夏頃からは北天の観測を開始します。MuSCAT2の完成により、本研究チームはTESSの北天の観測で発見される惑星候補の発見確認観測で世界をリードすることが可能となりました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　本研究チームは、以前にも国立天文台が岡山県に所有する1.88m望遠鏡向けに<a href="http://www.oao.nao.ac.jp/2015/01/05/muscat/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">3色同時撮像カメラMuSCAT</a>を開発してきました。岡山とテネリフェ島は時差が9時間あり、このように時差がある場所に観測装置を設置することで、お互いが観測できない時間帯に起こるトランジットを相補的に観測することが可能になります。また、トランジットが長時間にわたって一ヶ所では観測できない場合にも、岡山とテネリフェ島で連続的に観測をすることで長時間のトランジットをカバーすることが可能となります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　このように世界に複数の多色撮像カメラを持つ研究チームは他にないため、大量の発見確認観測が必要となるTESSの時代にMuSCATとMuSCAT2の存在は大きなアドバンテージになると期待されます。</p>



<h5 class="wp-block-heading">今後の展開：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　本研究チームは、2019年夏頃までに24時間常に多色撮像観測ができる体制を確立することを目指して、アメリカの望遠鏡向けにMuSCAT3の開発に着手しています。MuSCAT3が完成すれば、どんな周期の惑星であっても3台の観測装置の連携で発見確認観測を実施できるようになります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　これにより2019年夏頃から始まるTESSの北天の観測で世界をリードし、特に第二の地球候補の発見確認観測を一手に担うことを目指しています。TESS時代のMuSCATシリーズの大きな活躍にご期待ください。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h5 class="wp-block-heading">用語解説：</h5>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈１　トランジット</strong><br>惑星が恒星の前を通ることで、恒星の明るさが周期的に暗くなる現象。明るさの変化を長期的に観測することで惑星を見つける方法をトランジット法、トランジットをする惑星をトランジット惑星と呼びます。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈２　</strong><strong>TESS</strong><br>2018年4月18日に打ち上げられたNASAのトランジット惑星探索衛星。2009年に打ち上げられた同様の衛星ケプラーに比べて口径は小さいものの、より広い観測視野を持ち、ケプラーより太陽系に近いところにあるトランジット惑星を発見するのに適しています。一方で、ケプラーより広い視野を持つために偽物である食連星の混入も多くなると見込まれ、発見確認観測が欠かせません。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈３　赤色矮星</strong><br>絶対温度がおよそ3,800K以下の恒星の総称。約5,800Kである太陽と比べて表面温度が低く、私たちの目に見える可視光では暗いものの、近赤外線になると明るくなるという特徴があります。<strong>太陽系の近傍にある恒星も含めて、宇宙にある恒星の</strong><strong>7-8</strong><strong>割は赤色矮星であり、今後の太陽系近傍の生命居住可能惑星探索の主要なターゲットとなっています。</strong></p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＜掲載論文情報＞</strong><strong></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">掲載雑誌名：Journal of Astronomical Telescopes, Instruments, and Systems&nbsp;</p>



<p class="wp-block-paragraph">論文タイトル：MuSCAT2: 4-color Simultaneous Camera for the 1.52m Telescopio Carlos Sanchez&nbsp;</p>



<p class="wp-block-paragraph">論文著者(*が責任著者)：</p>



<p class="wp-block-paragraph">*Norio Narita, Akihiko Fukui, Nobuhiko Kusakabe, Noriharu Watanabe, Enric Palle, Hannu Parviainen, Pilar Montanes-Rodriguez, Felipe Murgas, Matteo Monelli, Marta Aguiar, Jorge Andres Perez Prieto, Alex Oscoz, Jerome de Leon, Mayuko Mori, Motohide Tamura, Tomoyasu Yamamuro, Victor J. S. Bejar, Nicolas Crouzet, Diego Hidalgo, Peter Klagyivik, Rafael Luque, Taku Nishiumi</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＜研究グループ＞</strong><strong></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">　東京大学、科学技術振興機構、アストロバイオロジーセンター&nbsp;、国立天文台、カナリア天体物理観測所ほか</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>＜研究サポート＞</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、JSPS科研費&nbsp;JP18H01265, JP17H04574, JP16K13791, JP15H02063&nbsp;の助成と、JSTさきがけ&nbsp;JPMJPR1775&nbsp;の支援を受けたものです。</p>



<h5 class="wp-block-heading">関連リンク：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">国立天文台<a href="https://www.nao.ac.jp/news/topics/2018/20181217-abc.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">プレスリリース</a></p>



<p class="wp-block-paragraph">東京大学<a href="https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/6170/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">プレスリリース</a></p>



<p class="wp-block-paragraph">科学技術振興機構（JST）<a href="https://www.jst.go.jp/pr/announce/20181217/index.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">プレスリリース</a></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2018/12/17/741/">第二の地球を発見するための新しい多色同時撮像カメラMuSCAT2が完成</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>宇宙と地上の望遠鏡の連携で100個を超える系外惑星を発見</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2018/11/26/747/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 26 Nov 2018 01:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[共同研究]]></category>
		<category><![CDATA[exoplanet]]></category>
		<category><![CDATA[K2]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=747</guid>

					<description><![CDATA[<p>概要： 　東京大学のリビングストン大学院生、田村教授(東京大学、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)らの国際研究チームは、NASA... </p>
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<h5 class="wp-block-heading">概要：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　東京大学のリビングストン大学院生、田村教授(東京大学、自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)らの国際研究チームは、NASAのケプラー宇宙望遠鏡によるK2ミッション(注釈１)およびESAのガイア宇宙望遠鏡(注釈２)の生データから極めて丁寧な解析（恒星明るさの超精密測定）により有力な惑星候補をより選び出し、さらに、候補天体の地上からの撮像観測や分光観測でフォローアップを行い、新たに60個もの系外惑星を実証した。同チームによる8月の発表と併せ合計104個もの系外惑星を発見したことになり、これまでの国内の最多系外惑星発見数を大きく更新した。これによりK2ミッションで実証された系外惑星の個数は300個を大きく超えた。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今回の発見は、わずか3か月という短期間で多数の系外惑星の発見を報告したことに加え、主星が明るいため系外惑星の今後の詳細観測が行いやすく、また、これまで発見が難しかった周期が24時間以下という「超短周期惑星」を３個（前回の発見と合わせて７個）発見したことや、複数惑星系の発見数を20個増やした点に意義がある。これは、最近注目を集めている超短周期惑星の形成・進化を理解するために重要であり、一方、近くの詳細観測可能な惑星の多数発見は、今後の系外惑星におけるアストロバイオロジー展開のための極めて有力な武器となるだろう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">本研究成果は東京大学のリビングストン大学院生が主著となって、米国の天文学専門雑誌であるアストロノミカル・ジャーナルに掲載された。</p>



<h5 class="wp-block-heading">発表のポイント：</h5>



<ul class="wp-block-list">
<li>60個の新たな太陽系外惑星が発見された。前回の発見と合わせ、104個の系外惑星の発見となった。これは、日本における系外惑星の発見数の新記録である。</li>



<li>発見された系外惑星の中には、周期が24時間より短い超短周期惑星や、20個以上の複数惑星系がある。</li>



<li>６０個中１８個の系外惑星は地球の２倍以下の大きさの岩石惑星である。</li>
</ul>



<p class="wp-block-paragraph">　東京大学およびアストロバイオロジーセンターを含む国際研究チームは、NASAのK2ミッションおよびESAのガイア宇宙望遠鏡の観測から、６０個の系外惑星を発見した。このチームはK2のデータから、155個の惑星候補天体を詳細に解析することで、これらの候補天体の性質や惑星系のパラメータを決定した（図１）。主星が明るいため、これらの多くの惑星はその組成と大気を調べるための詳細な研究をするために最適である。この発見は、K２による精密な時系列の測光観測とガイアによる精密な位置測定により、惑星と主星の特徴付けがこれまでに比べ格段に良くなったため得ることができた。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="735" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_main-graphic-1024x735.png" alt="" class="wp-image-748" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_main-graphic-1024x735.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_main-graphic-300x215.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_main-graphic-768x551.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_main-graphic-1536x1103.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_main-graphic.png 1772w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１：発見された系外惑星の軌道分布の図。小さいものは水星、大きいもので木星ほどの大きさ。青い色は地球程度の温度であり、白っぽいものは熱い金星表面温度程度、赤い色はさらに熱く溶岩のような温度。</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">　今回の発表は、今年8月に44個の系外惑星の発見報告を行った東京大学大学院生のジョン・リビングストン氏を主著とする論文で、今回の60個とあわせると104個の系外惑星発見の報告をわずか2か月で連続して報告した。44個も当時最多であるが、104個は日本における系外惑星最多発見の記録を大幅に更新したことになる。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　最初のケプラー宇宙望遠鏡（2009年打上）はリアクションホイールが故障した2013年に終了した。その後、同じ宇宙望遠鏡を再利用して、異なる観測戦略によって系外惑星を探すK２ミッションが始まった。このK２ミッションも2018年10月30日に燃料の枯渇のため運用終了をむかえたが、多数の系外惑星を発見してきた。「227個の候補天体の解析を追加することで、私たちはK2のデータに数百の系外惑星はまだ隠されていると見積もっている」とリビングストン氏は語る。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　新たに発見された惑星の中には、20個以上の複数惑星系と、1年が24時間以下という超短周期(USP: Ultra-Short Period)惑星もふくまれている。K2-187という惑星系には、4つの系外惑星が存在しており、その中の一つは超短周期惑星です(図２)。このような超短周期惑星は、その形成が謎に包まれているため、最近注目され始めています。リビングストン氏は「この惑星系は、どのように超短周期惑星が形成されたかについて重要な手がかりになる。」と語る。また、最近、詳しく調べることができる近くの地球のような小さい惑星がとりわけ重要であるが、「60個中18個は地球の２倍未満の大きであり、大気のほとんどない岩石惑星である可能性が高い」とリビングストン氏は語る。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="614" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_k2-187-cropped-1024x614.png" alt="" class="wp-image-749" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_k2-187-cropped-1024x614.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_k2-187-cropped-300x180.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_k2-187-cropped-768x461.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_k2-187-cropped-1536x921.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/John_k2-187-cropped-2048x1228.png 2048w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図２：K2-187の惑星系の想像図。一番内側が超短周期惑星。<br>(クレジット：NASA/JPL-Caltech/R. Hurt, T. Pyle (IPAC), UTokyo/J. Livingston)</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">　このチームはさらに227個の候補天体のうち18個がトランジット(注釈３)を起こす食連星による偽検出であることを確認した。この確認のために、K2とガイアのデータに加え、大気の揺らぎを打ち消す「補償光学」(注釈４)や短時間露出した撮像を多数重ね合わせる「スペックル観測」(注釈５)などによる高分解能撮像観測や高分散分光観測(注釈６)により、主星の詳細な特徴付けを行った。「私たちのシャープな撮像観測は主星に極端に近い伴星を探し出し、高分散分光観測は伴星が主星に隠れていても見いだすことができます。」とリビングストン氏は語る。このような観測手法は新しい惑星の特徴付けに重要な役割をもち、現在も進められている研究により、将来さらに多くの惑星の発見につながるだろう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">&nbsp;K２ミッションは終わりを迎えたが、その役割は2018年4月に打ち上げられたTESSミッションへと引き継がれ、TESSデータに基づく系外惑星の発見の報告も始まっている。「トランジット惑星の将来は明るい」とリビングストン氏は語る。「TESSがすでにあり、JWSTも間近に迫っている。今後数年にわたり多くのエキサイティングな惑星の発見ができること楽しみにしています。」</p>



<p class="wp-block-paragraph">この研究は、2018年11月26日発行のThe Astronomical Journalに掲載されました。<br>＊12月3日：系外惑星候補の個数、公転周期が短い惑星の個数を修正しました。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h5 class="wp-block-heading">用語解説：</h5>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈１　ケプラー宇宙望遠鏡による</strong><strong>K</strong><strong>２ミッション</strong><strong></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">　　2009年に打ち上げられたNASAのケプラー宇宙望遠鏡は、はくちょう座の一領域に5000個を超える系外惑星とその候補を発見してきました。しかし、2013年の故障により、その後は新しいミッション「K2」として活用されています。この宇宙望遠鏡が発見した天体はあくまで惑星候補であり、地上観測等による確認・実証が不可欠です。K2ミッションではこれまで300個弱の惑星が実証されてきましたが、より多くの多様な惑星の実証が求められています。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈２　ガイア宇宙望遠鏡</strong><br>ESA(ヨーロッパ宇宙機関)が2013年に打ち上げた宇宙望遠鏡。恒星の位置を正確に測定するのが目的で、私たちのいる天の川銀河の詳細な三次元地図を作ることを目的としています。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈３　トランジット法</strong><br>惑星が恒星の前を通ると、恒星の光が周期的に暗くなります。この明るさの変化を長期間見続けることで惑星を見つける方法です。惑星が恒星の「ちょうど前」を通る可能性は低く、多くの恒星を観測する必要があります。一方、惑星が大きいほど明るさの変化は大きくなります。ケプラー望遠鏡はたくさんの恒星を観測することで、数千個もの惑星を見つけることができました。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈４　補償光学</strong><br>大気の揺らぎを装置の中で打ち消すことで、シャープな星の像を得ることのできる技術です。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈５　スペックル観測</strong><br>短い露出時間で多数の画像を取得し、データ処理の際に精密な位置合わせを行うことなどでシャープな星の像を得る観測方法です。補償光学と合わせ、大気の揺らぎを補正するための方法の一つです。</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>注釈６　分光観測</strong><br>天体の光の「色（＝波長）」を精密に調べるために、プリズムや回折格子といった光学素子を使って様々な波長の光に分けて観測する手法。撮像観測で分解できないような近接連星の発見や、高い精度の観測では、系外惑星の検出(ドップラー法)もできます。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究グループ</strong><strong></strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">　東京大学、アストロバイオロジーセンター&nbsp;、国立天文台ほか</p>



<p class="wp-block-paragraph"><strong>研究サポート</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、科研費新学術研究（18H05442）および科研費特別推進研究（No.&nbsp;22000005）の支援を受けて行われました。</p>



<h5 class="wp-block-heading">関連リンク：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">国立天文台<a href="https://www.nao.ac.jp/news/science/2018/20181126-abc.html">プレスリリース</a></p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2018/11/26/747/">宇宙と地上の望遠鏡の連携で100個を超える系外惑星を発見</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>東京大学の大学院生が太陽系外惑星を一度に４４個も発見</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2018/08/03/751/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 03 Aug 2018 05:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[共同研究]]></category>
		<category><![CDATA[exoplanet]]></category>
		<category><![CDATA[K2]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=751</guid>

					<description><![CDATA[<p>発表のポイント： 発表概要： 2009年に打ち上げられたNASAのケプラー宇宙望遠鏡は、はくちょう座の一領域に5000個を超える系外惑星とそ... </p>
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<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="781" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-zoomed-1024x781.png" alt="" class="wp-image-752" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-zoomed-1024x781.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-zoomed-300x229.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-zoomed-768x586.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-zoomed-1536x1171.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-zoomed-2048x1562.png 2048w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">４４個の惑星の大きさと軌道の大きさの比較。色は惑星の温度を表す（溶岩の温度から地球の温度まで）。点線の丸は水星の軌道。©John Livingston</figcaption></figure>



<h5 class="wp-block-heading">発表のポイント：</h5>



<ul class="wp-block-list">
<li>東京大学の大学院生が中心となって、一度に44個もの新しい系外惑星を発見（実証）した。これは日本国内で最多の発見数。別の27個も有望な惑星候補。系外惑星専用衛星プロジェクトからの1000個単位での候補天体リリースを除くと、極めて稀な多数発見の成果を大学院生が主導できたことは、系外惑星研究が若い人の活躍できる分野であることを示す。</li>



<li>発見した系外惑星は、比較的明るい恒星まわりの平均2地球半径の小型惑星で、今後詳しく調べることが可能。金星より小さいサイズの惑星も含まれる。</li>



<li>ケプラー宇宙望遠鏡を活用したK2ミッションによる、様々な天空領域における系外惑星の発見数を約10%も増加させ、宇宙望遠鏡と地上観測の連携の重要さを示した。とりわけ、ケプラー衛星が発見した惑星とは異なり、近い恒星まわりの惑星数が増えたことは、今後の詳細観測のために重要。</li>
</ul>



<h5 class="wp-block-heading">発表概要：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">2009年に打ち上げられたNASAのケプラー宇宙望遠鏡は、はくちょう座の一領域に5000個を超える系外惑星とその候補を発見してきた。しかし、2013年の故障により、その後は新しいミッション「K2」として活用されている。この宇宙望遠鏡が発見した天体はあくまで惑星候補であり、地上観測等による確認・実証が不可欠である。K2ミッションではこれまで300個弱の惑星が実証されてきたが、より多くの多様な惑星の実証が求められていた。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今回、東京大学のリビングストン大学院生、田村教授(東大/ABCセンター長)、成田助教(東大)らの国際研究チームは、K2ミッションの生データから極めて丁寧な解析（恒星明るさの超精密測定）により有力な惑星候補をより選び出し、さらに、候補天体の地上からの撮像観測や分光観測でフォローアップを行い、一度に44個もの系外惑星を実証することに成功した。これまで国内で最多の系外惑星発見数である。これによりK2ミッションで実証された系外惑星の個数は300個を優に超えた。ケプラー衛星からの1000個単位での候補天体リリースを除くと、極めて稀な多数発見の成果を大学院生が主導できたことは特筆に値する。</p>



<p class="wp-block-paragraph">既知の実証済み系外惑星数は約4000個であるが、今回の発見は明るい小型惑星を増やした点に意義がある。このうち1個は赤色矮星まわりにある、金星より小さい惑星である。これは、地球型岩石惑星の形成・進化を理解するために重要なターゲットとなるだろう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">この成果は本学のリビングストン大学院生が主著となって、米国の天文学専門雑誌であるアストロノミカル・ジャーナルに掲載された。</p>



<h5 class="wp-block-heading">発表内容：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">ケプラー宇宙望遠鏡は、はくちょう座の一領域に多数の系外惑星とその候補を発見してきた。これは、トランジット法と呼ばれる手法で系外惑星を捉える。天空の一領域を、広視野カメラを用いて連続的に撮像し、惑星が恒星の前面を横切る際の明るさの変化を捉える方法である。地球大気の影響を受けない宇宙望遠鏡は、地球サイズの小さな惑星が太陽サイズの恒星の光球面に影を作る際の微小な明るさ変化を精密に捉えることが可能である。しかし、2013年の故障でケプラー宇宙望遠鏡は本来の観測を断念し、その後は黄道面上の異なった領域を季節ごとに観測するという新しいミッション「K2」として復活した。望遠鏡の解像度が低いこと、衛星姿勢制御装置の故障などにより、惑星候補の選び出しのためのデータ解析には最新の注意が必要であり、そのデータに基づく惑星候補は、地上での高解像度観測など、フォローアップ観測が不可欠である。K2によるこれまでの観測から300個弱の惑星が実証されてきたが、より多くの多様な惑星の実証が求められていた。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今回、東京大学のリビングストン、田村、成田らの国際研究チームは、K2ミッションに基づくデータから一度に44個もの系外惑星を実証することに成功した。チームは日本以外、イタリア、ドイツ、スペイン、オランダの研究者・学生から成る。これによりK2ミッションで実証された系外惑星の個数は優に300個を超えた。そのほかの27個も有望な惑星候補であり、別の1個だけが偽惑星であった。この成果は、東京大学の大学院生ジョン・リビングストンが主著者となって天文学専門雑誌であるアストロノミカル・ジャーナルに掲載された。リビングストンは、複雑かつ精緻さを必要とするK2衛星データの解析を生データから行った。解析の各ステップでより良いパラメータが判明し、時には全ての解析をやり直すなど骨の折れる仕事であった。彼は、国際チームと協力しつつ、その結果得られた有望な惑星候補の様々な地上フォローアップ観測の提案とその観測遂行・データ解析も行った。</p>



<p class="wp-block-paragraph">フォローアップ観測は、主にアメリカのキットピーク天文台の望遠鏡を用いて行われた。観測したのは72個のK2惑星候補である。この際、大気揺らぎを短時間積分観測により「凍結し」シャープな画像を得る「スペックル撮像」という技術を用いた。これは大気の揺らぎをリアルタイムに補正する補償光学とは異なるが、比較的容易に高い解像度を得ることができる。この高解像度画像は、惑星そのものを直接撮像できるものではないが、近くの恒星の混合の有無など、K2データから選び出した惑星候補が偽惑星であることを排除する大きな要素となる。また、テキサスの望遠鏡を用いた分光観測も行われ、これにより主星の物理パラメータを精密に求め、その結果として、惑星の大きさや温度をより精密に決定する事に成功した。これら高解像度画像や分光データとトランジットデータの統計的解析から、最終的な惑星実証が行われた。</p>



<figure class="wp-block-image size-large is-resized"><img loading="lazy" decoding="async" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-2-1024x576.png" alt="" class="wp-image-754" style="width:650px;height:366px" width="650" height="366" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-2-1024x576.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-2-300x169.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-2-768x432.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-2-1536x864.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/10/K2C10-graphic-2.png 1920w" sizes="(max-width: 650px) 100vw, 650px" /><figcaption class="wp-element-caption"> 赤色矮星を周回する金星サイズの小さな惑星の想像図。©NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC)</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">本研究は、比較的明るい恒星まわりの小型惑星数を増加させたことが重要である。ケプラー望遠鏡が発見した多数の小型惑星は遠すぎて主星が暗く、今後のフォローアップ観測が困難である。いっぽう、明るい恒星まわりの惑星はフォローアップがし易い。今回の観測により、現在の既知の惑星数に比べて（ケプラー衛星以外も含む）、明るい恒星（波長1.2μmのJバンド等級が8-10等）を周回する1-2地球半径のスーパーアースは4％、2-4地球半径の小型海王星は17％、4-8地球半径の小型土星は11%も数が増えた。これら44個の惑星のうち18個は複数惑星系のメンバーである。また、4個は周期が一日未満という超短周期惑星である。さらに、別の1個は赤色矮星まわりにある、金星より小さい惑星である。これらは、地球型岩石惑星の形成・進化を理解するために今後の重要な観測ターゲットとなるだろう。</p>



<p class="wp-block-paragraph">K2ミッションのデータは今後もリリースされるので、本チームでは迅速なフォローアップを計画している。また、2018年4月に無事打ち上げられたNASAのTESS衛星からのデータでも同様の地上フォローアップ観測が重要になるので、地上チームの活躍が期待される。</p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h5 class="wp-block-heading">論文情報：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">雑誌名：「<em>The Astronomical Journal</em>」（<strong>掲載決定済、発行日未定</strong>）</p>



<p class="wp-block-paragraph">論文タイトル：44 Validated Planets from K2 Campaign 10</p>



<p class="wp-block-paragraph">著者：John H. Livingston, Michael Endl, Fei Dai, William D. Cochran, Oscar Barragan, Davide Gandolfi, Teruyuki Hirano, Sascha Grziwa, Alexis M. S. Smith, Simon Albrecht, Juan Cabrera, Szilard Csizmadia, Jerome P. de Leon, Hans Deeg, Philipp Eigmueller, Anders Erikson, Mark Everett, Malcolm Fridlund, Akihiko Fukui, Eike W. Guenther, Artie P. Hatzes, Steve Howell, Judith Korth, Norio Narita, David Nespral, Grzegorz Nowak, Enric Palle, Martin Paetzold, Carina M. Persson, Jorge Prieto-Arranz, Heike Rauer, <strong>Motohide Tamura</strong>, Vincent Van Eylen, and Joshua N. Winn</p>



<p class="wp-block-paragraph">アブストラクトURL  <a href="https://arxiv.org/abs/1806.11504" target="_blank" rel="noreferrer noopener">https://arxiv.org/abs/1806.11504</a></p>



<div style="height:100px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h5 class="wp-block-heading">関連リンク：</h5>



<p class="wp-block-paragraph">東京大学<a rel="noreferrer noopener" href="https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/en/press/z0508_00003.html#" target="_blank">プレスリリース</a>（英語）</p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2018/08/03/751/">東京大学の大学院生が太陽系外惑星を一度に４４個も発見</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
			</item>
		<item>
		<title>第二の地球を探す、新観測装置IRDが稼働！</title>
		<link>https://www.abc-nins.jp/2018/07/02/498/</link>
		
		<dc:creator><![CDATA[nins-abc_web]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 02 Jul 2018 13:00:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ABC]]></category>
		<category><![CDATA[IRD]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://www.abc-nins.jp/?p=498</guid>

					<description><![CDATA[<p>発表のポイント 概要 自然科学研究機構&#160;アストロバイオロジーセンター、同&#160;国立天文台、東京大学、東京農工大学、東京工業大... </p>
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										<content:encoded><![CDATA[<div style="margin-top: 0px; margin-bottom: 0px;" class="sharethis-inline-share-buttons" ></div>
<h5 class="wp-block-heading">発表のポイント</h5>



<ul class="wp-block-list">
<li>すばる望遠鏡用に、世界でもユニークな新しい系外惑星探索装置IRDが本格稼働し始めた。</li>



<li>世界で初めて、人が歩く速さでの恒星の運動を「赤外線で」検出することが可能となった。</li>



<li>すばる望遠鏡において、地球のような軽い惑星の系統的探査が初めて可能となった。</li>
</ul>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h5 class="wp-block-heading">概要</h5>



<p class="wp-block-paragraph">自然科学研究機構&nbsp;アストロバイオロジーセンター、同&nbsp;国立天文台、東京大学、東京農工大学、東京工業大学の研究者を中心とするチームが開発と製作を進めてきた、すばる望遠鏡用新型系外惑星探索装置IRD（InfraRed Doppler、&nbsp;日本語で赤外線ドップラー装置）が、2018年&nbsp;2月にすばる望遠鏡で天体観測を開始し、その全機能を活かした観測装置のファーストライト（注釈１）に成功しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　IRDは、これまでドップラー法（注釈２）で主流であった可視光ではなく赤外線の光を使って、太陽系外惑星を探索するために作られた観測装置です。最新の赤外線およびレーザ技術を駆使したIRDは、現在、世界で最も精密に恒星の速度変化をとらえることのできる赤外線装置になって</p>



<p class="wp-block-paragraph">います。これからの本格的観測により、IRDのユニークな特徴とすばる望遠鏡の大口径を活かして、太陽の近くにも多数ある、軽くて表面の温度が低い恒星（M型星：注釈３）のまわりに地球のような惑星を発見することを目指します。そのような惑星は、次世代望遠鏡による生命探査にとって絶好の観測対象になります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">ついに動き出した新型系外惑星探索装置IRDにご期待ください！</p>



<hr class="wp-block-separator has-alpha-channel-opacity"/>



<h5 class="wp-block-heading">背景</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　天文学において最もホットな研究対象の一つである太陽系外惑星（系外惑星）は、今では天文学という垣根を超え、宇宙における生命を研究するアストロバイオロジーの研究対象になりました。系外惑星やアストロバイオロジーの観測技術の進歩によって、近い将来、水や酸素など、生命の存在<br>に必要とされる物質が系外惑星で検出されることも期待されています。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　ケプラー宇宙望遠鏡に代表される近年の系外惑星探索によって、現在では5000個を超える数の系外惑星や候補が発見されていますが、その中にはハビタブル惑星と呼ばれる生命の居住に適した“可能性”のある惑星もあります。しかし、これまでに発見されたハビタブル惑星は詳しく調べるには数が少なく、さらにケプラー宇宙望遠鏡がみつけたハビタブル惑星は地球から遠く離れているため、その特徴を詳しく調べるにはあまり適していませんでした。そのため、アストロバイオロジーにおける今後の重要な課題は、惑星の特徴を詳細に調べることができる、地球の近くに存在するハビタブル惑星を発見することだと言えます。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="974" height="741" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig1.png" alt="" class="wp-image-499" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig1.png 974w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig1-300x228.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig1-768x584.png 768w" sizes="(max-width: 974px) 100vw, 974px" /><figcaption class="wp-element-caption">図１：親星とハビタブルゾーンの距離の関係。ハビタブルゾーンは、低温度の星ほど親星に近く、高温度の星ほど遠くなります。（クレジット：アストロバイオロジーセンター）</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">生命の存在に必要不可欠であると考えられている液体の水は、適度な環境でないと存在できません。「液体の水が存在可能な領域」として定義される親星からの距離をハビタブルゾーンと呼びます（図1）。また、生命の存在に適した惑星は主に岩石でできた地球の様に軽い惑星であると想像できます。しかし、系外惑星を探す主な手法であるドップラー法（注釈２）やトランジット法（注釈４）は親星の速度や明るさの変動を調べることで惑星を発見する方法ですが、見つけたい惑星が小さいほど高精度の観測が要求されます。また、親星の温度が高くなるほどハビタブルゾーンは親星から離れていきますが、ドップラー法やトランジット法では親星から遠く離れた惑星ほど発見が難しくなります。例えば、太陽と同じくらいの温度の恒星を1年で公転する、地球と同程度の大きさの惑星を発見するのにも大きな困難を伴います。そのため、ハビタブルゾーンに存在する地球の様な惑星の発見は非常に難しく、そのような惑星は未だに少ししか発見されていません。</p>



<p class="wp-block-paragraph">そこで今、注目されているのがM型星（注釈３）、別名で赤色矮星と呼ばれる恒星です。M型星では、星の表面温度が低く暗いのでハビタブルゾーンが親星の近くに存在します。また、M型星は質量やサイズが太陽型星のような他の恒星に比べて小さいため、惑星によって引き起こされる親星の変動が大きくなります。このため、M型星ではハビタブルゾーンに位置する惑星の発見が容易になります。さらに、M型星は太陽の近くにも多く存在しているため、地球に近いハビタブル惑星を発見するためには非常に良いターゲットです。地球の近くに存在するM型星の周りにハビタブル惑星を発見することができれば、将来的に詳細な観測が行いやすくなります。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　その中でも、特に注目の観測天体が、M型星の中でも低質量かつ低温度である後期M型星（注釈３）です。後期M型星は、現在の最新技術を使えば、地球と同じぐらいの質量をもつ惑星をハビタブルゾーン内に発見することができる可能性があります。そのため、後期M型星は、生命が存在できる可能性をもつ惑星を発見するために非常に有望な観測天体と言えます。ところが、後期M型星は一般的に暗い天体が多く、これは天文観測では問題になります。高精度の観測を行うためには観測天体が発する光を十分に集める必要がありますが、暗い天体の場合はそれが難しくなるのです。また、系外惑星の探索にはこれまでは主に可視光での観測が利用されてきましたが、後期M型星は可視光で一般的に暗く、これも後期M型星の観測を難しくしていました。低温の後期M型星は可視光よりも赤外線で明るく輝いているため、赤外線で の観測が有利です。</p>



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<h5 class="wp-block-heading">IRDの開発と目指すサイエンス</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　自然科学研究機構 アストロバイオロジーセンター、同 国立天文台、東京大学、東京農工大学、東京工業大学の研究者を中心に構成される研究チームは、InfraRed Doppler (IRD)と呼ばれる系外惑星探索用の新しい観測装置の開発を進めてきました。IRDでは、これまでできなかった、後期M型星に最適な赤外線を用いて、高精度なドップラー法の観測が可能になります。トランジット法での惑星探索では惑星の軌道が地球からの視線方向と平行になっている必要があるため、ハビタブル惑星が見つかる可能性が非常に小さくなる問題がありますが、ドップラー法での惑星探索はその問題の影響を受けにくいため、地球の近くに存在するハビタブル惑星を探すのに有効です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">IRDには小さい惑星を発見するための様々な工夫を施しています。後で詳しく述べますが<br>（１）波長分解能が高く、広い波長域を同時に観測できる、非常に安定な赤外線分光器（注釈５）<br>（２）恒星の速度を精密に測定するための正確な物差しとなるレーザー周波数コム（光コム）<br>（３）不安定性の原因となる光の乱れを低減するモードスクランブラー<br>などがあります。また、すばる望遠鏡の大きな主鏡を利用することで、暗い後期M型星においても十分な光を集めることが可能です。後期M型星は太陽の半分程度の表面温度しかない低温度星のため、可視光では暗いですが赤外線では明るく見えます。赤外線での高精度な惑星探索が可能であるIRDと大口径のすばる望遠鏡の組み合わせは、まさに、ドップラー法で後期M型星まわりのハビタブル惑星を発見するための最強の組み合わせと言えます。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="974" height="822" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig2.png" alt="" class="wp-image-500" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig2.png 974w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig2-300x253.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig2-768x648.png 768w" sizes="(max-width: 974px) 100vw, 974px" /><figcaption class="wp-element-caption">図２：IRDの模式図。すばる望遠鏡のナスミス焦点に集めた天体の光を、ファイバー入射システムと光ファイバーを使って、温度変化が小さいクーデ室においた分光器①に入れます。また、光を分光器に入れる前に、モードスクランブラー②を通して光の乱れを低減します。レーザー周波数コム③の光も、ナスミス焦点から天体の光と同様の経路を通って分光器に入るようになっています。</figcaption></figure>



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<p class="wp-block-paragraph"><strong>InfraRed Doppler (IRD) 装置のファーストライト</strong></p>



<p class="wp-block-paragraph">　IRDは、立案、開発、製作、試験、及びすばる望遠鏡への搭載のために約8年の期間を費やしてきました。その結果、2017年8月に分光器だけでのファーストライト（注釈１）、2018年2月に光コムと組み合わせた完全な形でのファーストライトに成功しました。</p>



<p class="wp-block-paragraph">　IRDはドップラー法を用いて惑星を観測しますが、ドップラー法では分光観測を使って恒星のスペクトルを取得する必要があります。図３は、2018年2月のファーストライトで取得したM型星のデータです。この図を使って、なぜIRDが精密に星の速度を測れるのかを紹介します。図３の二次元の画像上に、ところどころ暗くなっている部分がある線が見えますが、これが星のスペクトルです。その星のスペクトルと並行して、多数の小さな点が点線の様に規則正しく並んでいるのが見えます。これは基準光として星のスペクトルと同時に観測した光コムのスペクトルです。この光コムが、IRDの観測で、星の速度測定の基準となる「精密な目盛り」としての役割を果たします。レーザー周波数コムは天文学ではこれまではほとんど利用されておらず、非常に新しいものです。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="1020" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig3-1024x1020.png" alt="" class="wp-image-501" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig3-1024x1020.png 1024w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig3-300x300.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig3-150x150.png 150w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig3-768x765.png 768w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig3-1536x1530.png 1536w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig3-2048x2040.png 2048w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /><figcaption class="wp-element-caption">図４：IRDで実際に撮像した画像。縞々に見える直線が星のスペクトル。中心部分を拡大して見える星のスペクトルの横にある点線のようなものが光コムのスペクトルです。星のスペクトルの直線の中で時々途切れているように見えるのは、星自体の吸収によるものです。（クレジット：アストロバイオロジーセンター）</figcaption></figure>



<p class="wp-block-paragraph">　二次元の画像上に取得されたスペクトルは、データ処理を行うことで、図４に示すような一次元のスペクトル（波長ごとの光の強さ）になります。図４の上図は観測から得た、M型星（GJ436）のスペクトルのごく一部の範囲を拡大したものですが、その中には多数の吸収線が見えています。この吸収線は親星の大気中に存在する気体がその波長の光を吸収することで生じるものですが、その星が惑星を伴っている場合は星の速度が変わるため光のドップラー効果によって吸収線の波長が変動します。その波長の変化を光コムのスペクトルを基準にして詳しく調べることで惑星の存在を調査することができます。今回のファーストライトはIRDの性能を試験する目的で行われ、このデータもその目的で取得されました。すばる望遠鏡を使ったIRDの性能試験は今後も行なっていく予定です。</p>



<p class="wp-block-paragraph">今回の試験観測でもIRDのユニークな観測機能が用いられており、これらの装置がそろってこそ、後期M型星のハビタブル惑星を発見できるようになります。次にそれらの機能について詳しく紹介します。</p>



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<h5 class="wp-block-heading">第二の地球の発見を目指すIRDの特徴</h5>



<h5 class="wp-block-heading">特長1:　高い波長分解能と、広い波長範囲、高い温度安定性をもつ赤外線分光器</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　ドップラー法による惑星探しで鍵になるのは、「光をどれくらい細かく分けることができるか」を示す、分光器の波長分解能です。波長分解能が高いと、天体のスペクトルの中の多くの吸収線をシャープに捉えることができるようになります。その結果、より多くの吸収線を分離できるようになり、変動を調べることができる吸収線の数が実質的に増えます。それによって、ドップラー法では高い精度の観測を達成することができます。後期M型星の赤外線スペクトルの中の吸収線は混み合っていますので、波長分解能が高いことは重要です。IRDでは非常に高い波長分解能で赤外線分光を行って惑星を探します。またIRDの赤外線分光器は広い観測波長範囲を持ちます。分光器の波長範囲が広くなると、利用できる吸収線の数も増えるので、ドップラー法の精度が向上します。惑星によるドップラー変動の信号は非常に小さく捉えることが難しいため、分光器は安定であることが求められます。そのためIRDは分光器の温度を極めて高い精度でコントロールすることで、装置が不安定な場合に生じる雑音を極限まで小さく抑えています。</p>



<figure class="wp-block-image size-full"><img loading="lazy" decoding="async" width="974" height="533" src="https://abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig5.png" alt="" class="wp-image-503" srcset="https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig5.png 974w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig5-300x164.png 300w, https://www.abc-nins.jp/wp-content/uploads/2023/03/ird_fig5-768x420.png 768w" sizes="(max-width: 974px) 100vw, 974px" /><figcaption class="wp-element-caption">図５：すばる望遠鏡直下の地下室（クーデ室）に設置された分光器部分（写真右）。分光器が置かれているクーデ室は、望遠鏡を支える巨大な支柱の内部にあります（写真中）。すばる望遠鏡の支柱の脇にある小部屋に光コム発生装置（写真左）が置かれています。</figcaption></figure>



<h5 class="wp-block-heading">特長2: 極めて精密な波長の目盛りを果たす、レーザー周波数コム</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　ドップラー法でハビタブル惑星を発見できるほど高精度な観測を行うには、高い性能をもつ分光器だけでなく、吸収線の波長の変動に対する基準となる非常に精密な「波長の目盛り」が必要になります。IRDでの観測では「波長の目盛り」として、レーザー周波数コム（光コム）を利用します。これまでは、波長の目盛りとして特定の原子・分子の特性を利用したランプやヨードセルなどが使われていましたが、M型星の観測で有利となる赤外線では性能が非常に限られていました。レーザー周波数コムとは精密分光などの領域で利用が近年進んでいるもので、赤外線で圧倒的に広い波長域に渡って、様々な波長の基準となる非常に多数の「レーザー光」を発します。これにより、従来より高い精度で波長を精密に決定できると共に、恒星スペクトルの吸収線を余すことなく利用できるようになります。</p>



<h5 class="wp-block-heading">特長3: ファイバーを通ってくる光の乱れを緩和するモードスクランブラー</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　IRDのもう一つの重要な特長がモード・スクランブラーと呼ばれる機能です。一般的に分光器で非常に小さいドップラーシフトを測定する際に、望遠鏡などの装置の不安定性や大気の乱れなどが原因で天体からの光（＝スペクトル）が乱れ、それが大きな“雑音”となり精密な測定を妨げことが知られています。IRDでは光ファイバーなどを利用して、光に対してわざと大きな「外乱」を与え続けることによってこの雑音を低減する装置を備えており、これを「モードスクランブラー」と呼んでいます。IRDの目的に使われる赤外線天文観測に適したファイバーやスクランブラーはよくわかっていないため、IRDチームでは様々な種類のファイバーやモードスクランブラーをこれまで試験してきました。今回の観測でも選ばれたファイバーとモードスクランブラーが利用されていました。</p>



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<h5 class="wp-block-heading">今後の展望</h5>



<p class="wp-block-paragraph">　今回ファーストライトに成功したIRDは、2018年の8月から、世界中の研究者が利用できるようになりました。今後、すばる望遠鏡での観測が本格的に開始される予定です。また、IRDチームでは国内外の数多くの系外惑星研究者と協力して、IRDとすばる望遠鏡を用いて、後期M型星をターゲットにした惑星探索プロジェクトを推進することを計画しています。この計画は、後期M型星まわりのハビタブル惑星の発見と、後期M型星の周りの惑星系の特徴を明らかにすることを目指しています。後期M型星は銀河系に多く存在していて、距離わずか30光年以内という太陽系の近くにも500個以上と数多く有るため、そのまわりの系外惑星はいったん見つかると詳しく調べることができます。このようなIRDによる後期M型星の惑星探索から、天文学やアストロバイオロジーにとって貴重な知見が得られると期待できます。このように、IRDを使って、そのユニークな特長を生かした観測研究が今後進められていきます。ついに動き出した、新型系外惑星探索装置IRDにご期待ください！</p>



<div style="height:101px" aria-hidden="true" class="wp-block-spacer"></div>



<h5 class="wp-block-heading">注釈</h5>



<p class="has-small-font-size wp-block-paragraph"><strong>注釈１　ファーストライト</strong><br>望遠鏡で集めた光を初めて天体観測装置にいれること</p>



<h5 class="wp-block-heading"><strong>注釈２　ドップラー法（視線速度法）</strong></h5>



<p class="has-small-font-size wp-block-paragraph">惑星が恒星のまわりを回ること（公転）によっておこる「恒星の揺れ」を検出して、惑星を見つける方法です。恒星のスペクトルには、恒星大気の原子や分子による吸収線が数多く見られます。惑星の引力によって恒星がほんの少し揺さぶられると、これらの吸収線の波長の位置が光のドップラー効果によって少しだけずれてしまいます。この惑星公転にともなう周期的な波長のズレを恒星の我々に対する速度の変化として、長期間見続けることで、惑星の存在を明らかにするのです。ドップラー法では、惑星が重くて近いほど恒星の揺れは大きくなるため、観測しやすくなります。初めて普通の恒星のまわりに確認された系外惑星（ペガスス座51番星）はこの手法によって見つかりました。</p>



<p class="has-small-font-size wp-block-paragraph"><strong>注釈３　（後期）M型星</strong><br>表面温度がおよそ2200℃ から3800 ℃、質量が太陽のおよそ0.08倍から0.6倍の恒星のことを言います。 表面温度が約5500 ℃の太陽と比べると、恒星の中でも表面温度が低い天体であることがわかります。ここでは、さらに、M型星の中でも温度が低く質量も軽い表面温度が3000℃以下の天体を後期M型星として区別しています。</p>



<p class="has-small-font-size wp-block-paragraph"><strong>注釈４　トランジット法</strong><br>惑星が恒星の前を通ると、恒星の光が周期的に暗くなります。この明るさの変化を長期間見続けることで惑星を見つける方法です。惑星が恒星の「ちょうど前」を通る可能性は低く、多くの恒星を観測する必要があります。一方、惑星が大きいほど明るさの変化は大きくなります。ケプラー望遠鏡はたくさんの恒星を観測することで、数千個もの惑星を見つけることができました。</p>



<p class="has-small-font-size wp-block-paragraph"><strong>注釈５　（赤外線）分光器</strong><br>天体の光の「色（＝波長）」を精密に調べるために、プリズムや回折格子といった光学素子を使って様々な波長の光に分けて記録する装置のこと。光のドップラー効果を調べるには、分光器によって非常に細かい波長に分ける必要があります。分光器はその特性によって分光できる光の波長が異なりますが、IRDには赤外線の光を分光するための分光器を搭載しています。</p>



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<h5 class="wp-block-heading">共同発表機関</h5>



<p class="has-small-font-size wp-block-paragraph">自然科学研究機構　国立天文台<a href="https://subarutelescope.org/jp/news/topics/2018/07/02/2739.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">すばる望遠鏡</a><br>東京大学大学院<a href="https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/info/5959/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">理学系研究科</a></p>



<h5 class="wp-block-heading">発表者</h5>



<p class="has-small-font-size wp-block-paragraph">小谷隆行（アストロバイオロジーセンター助教／国立天文台　光赤外研究部　併任）<br>田村元秀（アストロバイオロジーセンター センター長／東京大学大学院理学系研究科　教授／国立天文台 教授）<br>他、IRD開発チーム</p><p>The post <a href="https://www.abc-nins.jp/2018/07/02/498/">第二の地球を探す、新観測装置IRDが稼働！</a> first appeared on <a href="https://www.abc-nins.jp">自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター</a>.</p>]]></content:encoded>
					
		
		
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